【読書記録19】N・ホーソーン『緋文字』
今回読んだのは、N・ホーソン著/鈴木重吉訳、『緋文字』(新潮文庫)です。
「悔い改めれば、緋の文字はお前の胸から取れるのだぞ」
「とても文字はとれません。あの方の苦しみをいっしょにして堪えたいと願っております」
女の胸に刻まれた、緋色の刻印。果たして彼女は淫婦なのか――。
この作品によって、著者は世界に認められたアメリカ最初の作家に。
戒律のきびしい清教徒の町ボストンの牢獄前広場でさらし台に立たされている女があった。私生児を生み、嬰児とともに公衆の面前に恥辱の身をさらされたうえ、“姦淫”を象徴する緋色のAの字を一生衣服に付けることを言いわたされる……。自己の愛情のみに真実を見、きびしい迫害と孤独の生活に耐えるヘスターの姿を描き、人間性の問題を象徴的に浮び上がらせた心理小説にして米文学の古典。
学校のレポート課題で読んだ本で、私が結構苦手な古典文学。
あまり授業に出られていなかったから詳しくはわからないけど、アメリカ文学の代表的な古典作品らしい。
ヘスターの人生における主な舞台であるニューイングランドは宗教的戒律に厳しいピューリタンがたくさんいて、遊びを許さない雰囲気が重苦しくて、終始どんよりした曇り空みたいな雰囲気の作品。
最初は独特な「~のような」の連続攻撃等、読むのがきつかったけど、訳者のあとがきと合わせて読むと、示唆に富むような作品だったと思う。
ヘスターは私生児を産んだという点以外では完璧な女性だった。罪の証である緋文字を胸につけ、後ろ指をさされながらも堅実に仕事をこなし、人の役に立っていたけれど、結局彼女は一生罪を償い続け、死んだ後の墓ですら一人ぼっちにされてしまう。
一方司祭は自分の罪を告白できない苦しさで、世間には称賛され、慕われていながらもどんどん狂っていく。
どっちのほうが辛いかなぁ。でもわたしは罪の程度にもよるだろうけど、罪を隠しきって、そのうち罪を犯したことも忘れてしまうのかも知れない。そう思うと怖い。
罪とは何なのか、どれぐらい償えば罪はなかったことになるのかと考えさせられる。
ただヘスターの慎ましくも芯のある強さは、かっこよかったし、そういう女性を目指していきたいと感じた。
読んで良かったと思った作品でした。
