労使協定とロックアウト🔐について
2027年に労使協定が更新になります。今回は労使協定について触れてみたいと思います。
❓️労使協定(CBA)とは❓️
労働者(選手)と経営者(チーム・球団・MLB機構)が給料や待遇、ルールの取り決めを文章でまとめたもの。「働く側と雇う側のルールブック」のようなもの。「選手がお金をいくらもらえるか」、「どのように雇われるか」をめぐる争いが起きないように調整されている。争いがあるとストライキやロックアウトにつながることもある。
■ MLBでのCBAの役割
最低年俸
FA(フリーエージェント)の条件
調停前ボーナス
契約・昇格ルール
マイナー契約
メジャー昇格条件
サービスタイムの計算
試合ルール・制度 DH制、延長戦タイブレーク、守備シフト制限、ピッチクロック
ポストシーズンやドラフト 出場チーム数
ドラフト順位の決め方 などを協議。
■ 仕組み
オーナー側と選手会が交渉して合意
合意が成立すると一定期間その内容がルールとして固定
期間終了後は新しいCBA交渉を行い、更新または変更される
✎2022年の内容
⚾ 選手側の主な主張(一部)
① 最低年俸の引き上げ
毎回最低年俸について改善案を提案。
2022年は2021年の$57万から$70万に大幅値上げ⏫️
2026年まで段階的に上昇し$78万に。
② サービスタイム操作の新制度
新人王(新人選手)が1位または2位にランクインした場合、1年分のサービスタイムが付与。
プロスペクトを開幕ロースターに登録し、かつMVP、サイ・ヤング賞、あるいは新人王トップ3に入れば、球団はドラフト指名権を得られる制度を導入。
💬サービスタイムとは、、、
ロースターに在籍した日数を合計したもので、FA取得・年俸調停権取得などに直接関わる重要な制度。シーズンは約187日あるが、172日ロースターにいると「1年」としてカウントされ、3年経過で年俸調停権取得。6年でFA権取得という仕組み。
💬サービスタイム操作とは、、、
新人を開幕から昇格させずに数週間遅らせることでその年のサービスタイムが172日に届かず、1年とカウントされない。そうすることでFAが1年遅れる ことを狙う行為。
※不変事項(2021年と同様)
・1シーズン=172日で「1年」扱い
・MLBの26人ロースター、故障者リストに在籍
⇒日数カウント
・マイナー在籍日はカウントされない
・6年でFA権取得
③ 調停前ボーナスプールの導入
年俸調停をまだ得ていない若手選手向けに、新たに「ボーナスプール」を設置。総額$5000万を設定。 これは、成績や貢献度に応じて上位100選手に分配される。
④ ポストシーズン (プレーオフ) 参加枠の拡大
10枠 ⇒ 14球団に拡大を主張。
オーナー側との妥協案で 12球団に拡大。
従来よりも多くのチームがプレーオフ進出可能に
⑤ドラフト制度の変更
ドラフト上位指名権を抽選制に。1位〜6位指名権を持つ球団の指名順を抽選制度によって決定。
⇒意図的な弱体化を抑制する狙い。
⚾️MLB側の主張(一部)
① 贅沢税の強化(年俸総額の急上昇を抑制)
ぜいたく税の基準額が、従来より高く設定された。2022年は 2億3000万ドル。
ペナルティ・ラインの多段階化。4番目の基準額(基準+6000万ドル)が新設され、超過時のペナルティがより厳しく。
⇒ 実質、年俸総額の抑制につながる
② ルール変更の通告期間短縮
野球ルールの改正案を通告する期間が、従来の「1年前」から 45日前に短縮。 具体的には、新しい委員会(選手+機構+審判)がルール改正を議論する制度が導入される。
これにより野球ルールの変更する手間が省け、2023からピッチクロック、シフトの制限等が導入された。
👊交渉が決裂するとどうなる?
選手が働く前提となる“契約の基盤” なので、交渉がまとまらなかったり、期限切れになると
■球団は選手を雇えない(=契約ができない)
■トレードやFA交渉も全部止まる
■スプリングトレーニングや試合も運営できない
そのため、期限が切れるタイミングで
労使交渉をして新しい労使協定を作る必要 がある。
交渉が決裂するとその期間
→ ロックアウト(オーナーが選手を締め出す)
→ ストライキ(選手がボイコット)
がおこる。
🔐直近のロックアウト
■ 2021年12月2日〜2022年3月10日
2016~2021年労使協定が、2021年12月1日 23:59で期限切れとなり、直後の 2021年12月2日0:00 に、オーナー側がロックアウトを開始し、そこから 2022年3月10日まで続いた。
約3か月半のロックアウトで、春季キャンプや開幕が遅れた。
■交渉はいつ始まった?
2020年頃から、次の労使協定に向けた非公式な話し合いが断続的に行われ、2021年シーズン中(春〜夏)には正式な協議がスタートしていた。
しかし、両者の意見の隔たりが大きく、
シーズン中はあまり深掘りした交渉が進まなかったと言われている。
そのため
・最低年俸の大幅引き上げ
・スーパー2・サービスタイム操作
・ドラフト制度改革
・贅沢税ラインの引き上げ など
の根本的な論点は、期限直前(2021年11月〜12月)になって一気に激化。
■ 結果
協定は 2021年12月1日に失効。
即座にMLB側がロックアウトを実施(2021年12月2日〜)
⚾【選手側】MLBPA(選手会)が担当
MLB側(クラブ=オーナー側):30球団すべてのメジャーリーグ・クラブ。
① MLBコミッショナー(Rob Manfred)とその直属スタッフ
② 現役の球団オーナー(各球団の代表者)
全30球団のオーナーまたは代表者が
CBAに対する決議(承認・否決)を行う。
③ 労使協定小委員会
2022年は
・ Dick Monfort(ロッキーズ) — 委員長
・John Stanton(マリナーズ)
・Arte Moreno(エンゼルス)
・Mark Shapiro(ブルージェイズ社長)
・Bill DeWitt Jr.(カージナルス)
・Tom Werner(レッドソックス)
※このメンバーが交渉方針を決め、MLBオフィスに指示を出す。
選手側(MLBPA):メジャーリーグ選手全体を代表。MLBPAが「全メジャー選手および将来メジャーになる可能性のある選手」を組合員として交渉代理になっている。
・Max Scherzer
・Andrew Miller
・Francisco Lindor
・Marcus Semien
・Zack Britton
・James Paxton
・Jason Castro
・Gerrit Cole
🏟【球団側】MLB(オーナー側)が担当
球団側(オーナー側)は MLBコミッショナー事務局 と 各球団オーナーの代表 が交渉します。
■MLB側の主な構成
・コミッショナー(ロブ・マンフレッド)
・MLBの弁護士チーム
・球団オーナー(またはその代表)
2022年はロックアウトとなり開幕まで選手たちの仕上がりが不良でしたので、2027年はストライキ、ロックアウトなどシーズンに影響がでないよう何かしらの対策をとってもらいたい
