【労災保険】⑧通勤災害給付
仕事に向かう途中や、仕事を終えて帰宅する途中で事故に遭うことは、誰にでも起こり得ます。
こうした「通勤中のケガや病気」を補償するのが 通勤災害給付 です。
業務中の災害とは異なり、
事業主の指揮命令下にない移動中の事故でも、労災保険によって幅広く保護されます。
制度を知っておくことで、万が一の際に安心して手続きが進められます。
● 通勤災害とは
通勤災害とは、就業に関して行う合理的な経路・方法による移動中に発生した負傷・疾病・障害・死亡 を指します。
ここでいう「通勤」には、次の3つが含まれます。
- 住居と職場の往復
- 職場から別の職場への移動
- 単身赴任先と家族の住む住居間の移動(一定要件あり)
また、保育園への送迎など「日常生活上必要な行為」での寄り道は、例外的に通勤として認められる場合があります。

● 通勤災害で受けられる給付
療養給付
治療費が無料(指定医療機関の場合)
休業給付
休業4日目から給付基礎日額の60%
障害給付
後遺障害が残った場合に支給
遺族給付
死亡した場合に遺族へ支給
葬祭給付
葬儀費用の補助
※業務災害とほぼ同じ給付が受けられます。
● 通勤災害が認められないケース
次のような場合は、通勤災害と認められない可能性があります。
- 私的な目的で大きく経路を逸脱した場合
- 長時間の寄り道(飲み会・娯楽など)
- 業務に該当する移動(営業先への移動など)は「業務災害」扱い
ただし、買い物・選挙・介護など「日常生活上必要な行為」は、行為終了後に元の経路へ戻れば通勤として扱われます。
● 手続きの流れ
通勤災害でケガをした場合、次の手順で手続きを行います。
1. 会社に事故が発生した事を連絡します。
2. 病院を受診(労災指定医療機関なら窓口負担なし)
3. 療養給付請求書(様式第16号の3) を医療機関へ提出
4. 労働基準監督署が審査し、給付決定
交通事故の場合は「第三者行為災害届」の提出が必要です。
● 通勤災害と業務災害の違い
通勤災害は事業主の管理下ではないため、休業開始から3日間の補償(待機期間)は事業主に義務なし という点が大きな違いです。
一方で、療養費や後遺障害・遺族給付などは業務災害と同様に支給されます。
参考文献
いいなと思ったら応援しよう!
ありがとうございます!