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『漫才過剰考察』を読んで、令和ロマンのM-1連覇を振り返る

M-1グランプリは、毎年準決勝の配信チケットを買ってチェックするくらい好きだ。3回戦のネタや準々決勝で敗れた組のネタも全てチェックする。そんなM-1グランプリで史上初の連覇を果たした、漫才コンビ・令和ロマンの高比良くるまさんによる本『漫才過剰考察』を読んだ。

M-1グランプリを盛り上げたい…!

厳密に言うと、本書が出たタイミングは、令和ロマンがM-1グランプリを連覇する前だ。初版が発行されたのは2024年11月10日。エントリーをして勝ち進んではいるものの、決勝進出すらまだ決まっていない状況である。

そう考えた時、本書を出したのもM-1グランプリの連覇を見据えて計算高くやっているのではないかとも感じられる。実際、本書を読む前はくるまさん、また緻密な計算でセルフブランディングしてきたなと感じていた。

しかし、実際本を読んでみると、その考え方は間違っていることに気づく。くるまさんは純粋にM-1グランプリを盛り上げたいのだ。それは本書におけるM-1グランプリの分析の節々に感じられるし、本書の終盤に掲載されている粗品さんとのインタビューでも実際に本人がそう語っている。

そんなM-1グランプリへの並々ならぬ愛があるからこそ、前人未到の結果がその後ついてきたのかもしれない。実際にM-1グランプリ2024も、かなり盛り上がったもんなぁ。

M-1グランプリ2024の裏側

あと、令和ロマンで印象的だったのは、初優勝したM-1グランプリ2023のステージだ。トップバッターで登場した彼らが披露したネタを見て驚いた。さらに最終決戦が終わってもっと驚いた。トップバッターで優勝したという結果以上に、唸らされた事実があったのだ。

それは準決勝で披露したネタを、決勝のステージでやらなかったことだ。準決勝で一定の評価を得て決勝に進んでいるわけだから、普通ならそのネタをチョイスするだろう。しかし、彼らは違った。6個ほど候補を出していて、臨機応変に対応していたという。

本書では、くるまさんの自己分析も鋭く書かれており、ネタ選定の裏側についても語られている。準決勝と決勝どちらも見ていたからこそ、なるほどと感心させられた。

「ニン」を身につけ、最強モードへ

また、やや不謹慎ではあるが、おもしろいなと感じたのは、くるまさんがインタビューで「ニンがほしい」と言っていたこと。ご存知の通り、くるまさんはオンラインカジノの一件で、一時期活動休止し、吉本興業からも抜けるという、思いがけないエピソードを手に入れた。結果的にまたとない「ニン」を手に入れたわけだ。

それすらも計算だとしたらどうしよう。と、末恐ろしくもある。今年のM-1グランプリはさすがに出場していないが、近い将来くるまさんは審査員という形で戻ってきそうだ。その時に、彼がどんな分析を披露し、どんな盛り上げ方をしてくれるのか、楽しみである。


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