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なぜ大統領選サイクルは再現性が高い?──「4年周期」の裏にある政治の思惑とチャート検証


※ この記事は同タイトルのYouTube動画を文字起こし・編集したものです。
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この記事で分かること

① 数あるサイクルの中で、なぜ『大統領選 4年周期』を採用するのかが分かる
② 大統領選サイクル4年それぞれの値動きの特徴がチャートで分かる
③ 直近4年間(2022〜2025年)で実際にアノマリーが機能したか検証結果が分かる


はじめに:自己紹介とこのNOTEについて

こんにちは。『米国株アノマリートレード研究所』所長のかたつむりです。

私は現在48歳。東京に本社を置く東証プライム上場企業でソフトウェアエンジニアとして働きながら、株式投資で資産形成をしています。

このNOTEは、私が発案した米国株アノマリートレードの紹介と、その実践記です。投資助言の意図はまったくありませんので、あらかじめご承知おきください。

「NISAのインデックス投資は満額やっているけれど、次のステップとしてもっとリターンを上乗せしたい。でも、仕事が忙しくて個別株のチャートに張り付く時間はない」

そんなサラリーマンの方の参考になる情報をお伝えしていきます。

前回の記事では「アノマリーとはなにか/米国株アノマリーが一番おすすめ」という総論をお届けしました。今回はその続編として、私が実際に利用している中核戦略である**『大統領選アノマリー』**を、その理由・各年の特徴・直近の検証結果まで一気にお伝えします。相場の荒波を乗り切る『地図』をお渡しするイメージです。


Section 1:繰り返すパターンを捉えるには「区切り」が必要


サイクルにはいろいろある──代表的な5つの波

アノマリーは「繰り返す値動きのパターン」ですが、繰り返しを捉えるにはどの長さで区切るかを決める必要があります。代表的なサイクルは次の5つです。

  • 週単位: 週末(金曜)が強くなりやすい

  • 月単位:月末・月初が強くなりやすい

  • 年単位(セルインメイ):秋から春にかけて強い

  • 10年周期サイクル:下一桁が『5』『8』の年が強い

  • 約50〜60年周期(コンドラチェフの波):イノベーションが大きな波を作る 

短いものは週単位の値動き、長いものは半世紀規模のイノベーション波まで、複数の周期が同時並行で重なっています。

アノマリートレードで使うのは『大統領選 4年周期』

私がメインで採用しているのは、米国大統領選の4年周期です。理由は3つあります。

① 大統領が強い権限を持つ
アメリカでは大統領が政治・経済に対して非常に強い影響を持っています。トランプ大統領の関税ニュースで世界中の株価が動くように、トップが代わるだけで市場のテーマも変わります。

② 同じ周期で必ず繰り返す
日本の解散総選挙と違い、アメリカ大統領選は4年周期で日程が完全に固定されています。中間選挙も含めて、ずれることなく繰り返されるため、アノマリーとして極めて扱いやすい。

③ 理由が明確で納得感がある
4年周期で政策がパターン化することには、明確な政治的ロジックがあります。

  • 前半2年(選挙年の翌年・中間選挙年):人気は取れないがやるべきこと(例:イラク戦争のような不人気政策)をやる時期。株価が下がりやすい。

  • 後半2年(選挙前年・選挙年):選挙に勝つために経済対策(例:利下げ)を打ってくる時期。株価が上がりやすい。

つまり「政治家が当選するためにいつ・何をやるか」という動機が4年周期に綺麗にマッピングされている。これが大統領選サイクルの再現性が高い根本的な理由です。


Section 2:各年の特徴をチャートで確認

ここからはS&P500を使い、大統領選サイクル4年それぞれの平均チャートで値動きの癖を見ていきます。

① 大統領選の年(Election Year)

特徴:ギザギザした神経質な相場が続く

選挙イベントが直接相場を動かす年。候補者の発言・世論調査・討論会・予備選挙などのたびに上下に揺れるため、年間を通じて方向感が出にくくボラティリティが高いのが特徴です。11月上旬が選挙で、その後は年末にかけて一気に上昇します。これは誰が大統領になるかは関係ありません。市場は不果実性を嫌うのです。

② 大統領選の年の翌年(Post-Election Year)

特徴:春先に下げやすい(お祝い相場の終了)

選挙直後〜年明けにかけて「お祝い相場」で買い上げられた反動が、春先に下落として顕在化しやすい年です。選挙後の蜜月期間が終わり、新政権の政策実行フェーズに入る局面でリアリティチェックが入るイメージです。

③ 中間選挙の年(Midterm Year)

特徴:2Q・3Qがとても弱い/10月から4年で『もっとも強い期間』が始まる

大統領選サイクルの中でもっとも下げが大きい年です。前半〜夏場にかけてズルズル下げ、10月に大底をつけることが多い。

そして、ここからが重要です。中間選挙の年の10月から、選挙前年(次の年)の春先までは、大統領選サイクルの中で4年でもっとも強い期間になります。アノマリー的に最大の買い場と言える局面です。

④ 大統領選の前年(Pre-Election Year)

特徴:夏までとても強い

中間選挙年の10月から続く強い上昇トレンドが夏まで継続しやすい年です。政権が翌年の選挙に向けて経済対策を仕掛けてくる時期と重なるため、4年の中でも最も「素直に上がる」期間。


Section 3:直近4年間で大統領選アノマリーが機能したか検証

各年の理論的な値動きを確認したところで、直近4年(2022〜2025年)で本当にアノマリー通りに動いたのかを検証します。評価は◯△×で示します。

① 2024年(大統領選の年)の検証:× アノマリーは機能せず

理論:ギザギザした神経質な相場 → 横ばい圏
実際:AI相場・トランプ再選への期待などが重なり、平均を大きく上回る+25%超の強い上昇

2024年は大統領選アノマリーが機能しなかった年です。AIブームという「サイクルでは説明できない強力なテーマ」が支配的になり、選挙イベントの揺さぶりを完全に打ち消しました。アノマリーは100%機能するわけではないことを示す好例とも言えます。

② 2025年(大統領選の年の翌年)の検証:△ 部分的に機能

理論:春先に下げやすい
実際年初〜春にかけて平均を大きく下回る急落が発生

トランプ関税ショック等もあり、まさに「お祝い相場の終了」がアノマリー通りに春先の急落として現れました。さらにアノマリーが示唆していた春の大底を、実際に同じタイミングで形成。タイミング把握としては有効に機能しました。

③ 2022年(中間選挙の年)の検証:△ 部分的に機能

理論:2Q・3Qが弱い/10月から最強期間スタート
実際:年間を通じて平均を大きく下回る下落 → 2Q・3Qの弱さはアノマリー通り、10月に底を打ち反転

下落の絶対水準は平均より大きかったものの、「いつ下げて、いつ底打ちするか」というタイミングはアノマリーが正確に示唆していた年です。

④ 2023年(大統領選の前年)の検証:◯ アノマリー通り

理論:夏までとても強い
実際:年初から夏にかけて平均通りに力強く上昇

ほぼ教科書通りの値動きをした年。4年でもっとも強い期間というアノマリーの示唆通り、上昇トレンドの恩恵を素直に受け取れた年でした。


まとめ:大統領選アノマリーをどう使うか

✗ 百発百中の『聖杯』ではない

  • 2024年(大統領選の年):平均は横ばい圏予測 → 実際はAI相場で+25%超の大幅上昇

  • どんなに優れたアノマリーでも、サイクルの力を上回る強力なテーマが出てくれば崩れる

✓ 大まかな流れ・転換点の把握には極めて有用

  • 2025年(翌年):年初〜春の急落・転換点を事前に把握できた

  • 2022年(中間選挙):2Q・3Qの弱さと10月底打ちを事前に把握できた

  • 2023年(前年):夏まで力強く上昇する流れを事前に把握できた

直近4年のうち、3年でアノマリーが流れまたは転換点を捉えていました。これは投資判断における「地図」として十分な精度です。

アノマリーは『確率の地図』。100%ではないが、持っていると相場の見通しがグッとラクになる。

これが今回の核となるメッセージです。


おわりに:次回予告

ここまで読んでくださった方は、大統領選アノマリーの全体像と限界を掴んでいただけたはずです。

ただし、ここで終わりではありません。アノマリーは「確率の地図」ですが、実はこの地図の予測精度をさらに高める2つの指標があります。

次回は、

  • 1月指標

  • 12月安値指標

という、大統領選アノマリーと組み合わせて使う2つの指標をご紹介します。これらを組み合わせることで、「今年のアノマリーは機能しそうか、しなさそうか」を年の早い段階で見極められるようになります。そして次回こそもっとも私のオリジナリティのある、肝となる所です。

これからも、「仕事に一切支障を出さずに、データで賢くリターンを上乗せしていくリアルな実践記」を公開していきます。

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