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【硬質赤玉土の選別で思うこと】

「あと味のいい仕事をしたい。そうおもうのが、職人のなによりの贅沢かもしれない」

幸田文が「木」で記したその言葉を、今朝、赤玉土を選別しながらふと思い出していました。完璧な土を選び出すという作業は、お気に入りの革靴を時間をかけて磨き上げたり、丁寧に珈琲を淹れるような行為とよく似ていて、それは僕にとって儀式的なものに近いと感じています。

幸田文-「木」-

僕が販売するkatamari soilは、硬質赤玉土の選別からはじまり、具体的には、微塵を篩-ふるい-で落とし、ピンセットを使って手作業で不純物を取っていく。各工程が終わると、最終的には3種類の赤玉土を混ぜ合わせてパキポディウムに最適な平均粒度や硬度を一定にします。

しかし、これは途方もなく時間がかかるし、長年使った靴底のように、ときとしてひどく体力や精神を消耗させます。この世界において、手作業で土を分けるという行為は、ひどく時代遅れな気もするし、正直投げ出したくなるときもあります。

しかし、販売をさせていただいている以上は、使ってくれる誰かの手のひらを思い浮かべ、その先に根を張る彼らが健やかであるために、清潔で長く使える用土を用意すること。それは僕らにとって、誇りというよりは、もっと個人的で誠実な「約束」であり、「責任」のようなものなのだと思っています。

ソイルをつくることは、「植物の命を扱う」ということにつながります。だって植物はその用土で何年も根を下ろし生きていくのだから。だからこそ、怠惰で惰性的なものは世に出したくない。

僕は基本的に仕事には効率を重視する方だけれど、この作業だけは非効率を優先しなけれはなりません。生産量をあげようと思うと、機械にたよることもできますが、あえて遠回りをして、自分の手を通すこと。そこにしか宿らない価値があると信じています。

パキポディウム専門用土としてこのソイルを販売して、今年で4年が経ちます。今では全国からお問い合わせをいただき、ありがたいことに毎年使っていただく方も増えていきました。この記事を読んでいただいてご興味をもってくださったら是非使っていただけると嬉しいです。販売告知は私のインスタグラム(@katamari.28)にて行っています。

それではまた。


katamari soil-BASIC-
用土の粒度は小粒で、成熟した苗に特化している。
katamari soil-SAI-
用土の粒度は細粒で、2号鉢程度の小苗に特化している。

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