【意思決定】極める仕事をどう決めるか

このままでいいのか。この疑問に向き合い始めたとき、日常の大半を占める仕事の方向性を考える人が多いと思います。明確な答えを持たなくても動き出せる、その考え方を共有します。

私が彷徨っていたときの出来事

「これから何を伸ばしていきたい?」
職場の上司からこう聞かれた時、私は言葉に詰まりました。

やりたいことがまったくないわけではない。
だけど、「これを極めたい」と明確に言い切れるものがありませんでした。

目の前の仕事に対しては、それなりに意味を見出していたし、周囲から任されたことはきちんとやってきました。でも、それは”選んだ”というより、”流れたものに応えてきた”という感覚に近かったと思います。

ふらふらと当てもなく過ごしていたとき、上司から別の選択肢としてマネジメント寄りの仕事を提案されて、任されることになりました。
その内容は、目的の設定、タスクのスケジュール管理、達成要件の定義、他部署への根回しと帳尻合わせ、チームメンバーへの仕事の割り振りです。

正直、迷いはありました。
自分の専門性を深める方向ではなかったからです。

最初は反発しようと思いましたが、引き受けることにしました。それは、今のチームメンバーの状況にとって、必要な役割だと感じたからです。
この役割はまだ完結していないし、専門職ともマネジメントとも言い切れない、曖昧で中間的な役割を担っていますが、今は何とか回っています。

この出来事を通じて、「極める仕事は、自分の内側から湧いてくるものだけで決まるのか?」という疑問が生まれました。

進みながら浮かんできた気づき

これまでの自分は、”極める仕事=最初から強い意志で決めるもの”だと、ずっと思っていました。

会社の上層部は、”志を掲げて仕事をすること”を社員たちに伝達しています。
志を持って仕事に取り組んでいる人をピックアップし、社内ホームページに公開して、社員のモチベーションを上げる活動に積極的に取り組んでいたりもします。

だから、決めきれない自分はどこか中途半端なのではないかと、ネガティブに感じていたのです。

しかし実際には、周囲で活躍している人たちの中にも、最初から明確に決めていたわけではないようでした。
迷って、悩んで、時には反対もして、ホームページの記事をじっくり読んでいると、同じように葛藤している様子が伺えたのです。
むしろ、任されたことに向き合い続ける中で自分の軸が形作られていった。そのように感じました。

つまり、極める仕事は「選ぶもの」であると同時に、「育っていくもの」でもあるのではないか。

さらに、もう一つの気づきは、「得意」と「求められること」の重なりに、長く続く仕事のヒントがありそうだということです。

やりたいことだけでも、評価されることだけでも、どこかで無理が出る。
その両方に重なる領域にこそ、自然と深め続けられる余地がありそうです。

仮説

すでに志を持っている人は、そのまま突っ切ってやりきればいいはずです。
でも、持っていない人の極める仕事は、次の3つの要素の重なりで決まっていくのではないかと考えています。

1つ目 「違和感なく続けられること」

本人が努力している感覚が薄く、気づけば時間を使っているもの。

2つ目 「他者から求められること」

自分では当たり前にできることが、周囲から見ると価値があると評価されているもの。

3つ目 「環境の中で役割として求められること」

時代の流れあるいは組織の中で、自然と自分に任されるポジション。


この3つの要素が重なったとき、人は無理なく成果を出し続けられるのではないか。そして、「極める状態」に近づいていくのではないか。

最初から一つに決めるのではなくて、「任されたことの中から、この3つが重なる領域を時間をかけて見つけていく」というアプローチの方が現実的なのかもしれないと考えています。

読者への問い

では、あなたはこれから何を極めていくのか。

もし仮説が間違っていないのだとすれば、極めていく仕事を決めるというのは何か一つに絞ることではなくて、「自分が価値を出し続けられる領域に、自覚的で存在すること」なのかもしれない。

そうだとしたら、問いはこう変わります。
あなたはどこで価値を出し続けたいのか?

この問いに対する解像度を高くし続けていくこと自体が、キャリアを形作っていくのではないかと思うのです。


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