#335【英語史クイズ HEE1解答編】砂漠desertと魔術師sorcererはどう結びつく?
#334で、HEEこと英語語源ハンドブックより、desertの語源についての問題を出題した。見ていない方は下からどうぞ。
英語語源ハンドブックには、各見出しに「歴史」という項目があり、そこで見出し語の歴史的変化について述べられている。
desertについても、印欧祖語*ser-「並べる、組み合わせる」がなぜ「砂漠」になったのか、de + *ser-の説明が掲載されており、それは今回の選択肢の下記と同じ内容となる。
(d) 分離を意味するde-と印欧祖語*ser-から「並びや組み合わせから外す」が原義となり、「見捨てられた場所」を指すようになったため。
よって今回の答えは(d)となる。
「関連」もみてみる。
HEEには、「関連」という項目があり、そこに語源情報や関連語が掲載されている。このdesertの印欧祖語*ser-「並べる、組み合わせる」の派生語も、seriesやsortなどが載っている。そのうちの1つに、sorcerer(魔術師)もあると知り、心が躍る(!)。
sorcererの意味発達
せっかくなので、なぜ印欧祖語*ser-「並べる、組み合わせる」が、魔術師の意味をもつようになったのか確認したい。sorcererの意味変化までは、HEEには載っていないので、自分で調べる必要がある。いろいろと調べてみると、wiktionaryでは、「結ぶ」"to bind"の意味からとされている。
出来事と出来事を「結びつける」と考えると、seriesなどの単語と関連が強いと思われる。さらにEtymonlineでは、以下のような文言が出てくる。なるほど「くじ」とこれからの出来事を結びつけるアレである。
from Old French sorcier, from Medieval Latin sortarius "teller of fortunes by lot; sorcerer"(中世ラテン語sortarius「くじを用いる占い師」から生じた古フランス語sorcierから)
これを読むと、「くじや占いで未来を知る」能力は超自然的な力と捉えられ、「占い師」から「魔術師」という意味も得てきたのではないかと推測される。sorcererがsortやseriesと結びついた言葉だったと知ると、なんだかムネアツではないだろうか。
まとめ
このように英語語源ハンドブックことHEEを発端として、さまざまな単語のムネアツな歴史をたどることが可能だ。ただし、前述したように、今回見たsorcererは英語語源ハンドブックには載っていない。すべてがHEEに掲載されているわけではない。
そのため、HEEをトリガーにして、興味が沸いた事項について、OED、etymonline、wiktionaryといったonline resourceをさらに活用したり、大元の英語語源辞典こと、KDEEを参照することになる。
でも、それはそれで楽しみとなる。「HEEには載ってないんですけどね、HEHE」などとちょっと言葉遊びをしながら楽しむこともできるというわけである!
というわけで、魔術師sorcererは「並べる」のseriesやsortと同語源っぽいですよ、という話でした。
今日はこんなところです。
