#5電話予約から始まった“忘れられない事件”
「そちらはデジタルパーマやってますか?」
ある日かかってきた新規のお客様からの
問合せの電話
当店ではデジタルパーマの
取り扱いがないことを説明すると
「では、普通のパーマでお願いします」
と予約して来店された。
……が
カウンセリングを始めると、こう言われた。
「デジタルパーマでお願いします」
私は、とまどいながらも
「お電話でもお伝えしましたが
当店では取り扱いがありません」
と伝えると
「私がやりたいって言ってるんだから、やりなさいよ!!」
店内中に響くほどの大声で怒鳴られた。
鏡に映ったお客様の顔は、本気で怖いと思った。
怖いと言うよりも
恐怖を感じたのは初めてだった。
見た目は、ごく普通の30代の女性だが
話すほど恐怖が増していく。
気づけば、私の手は震えていた。
でも
プロとして落ちついて、こう返した。
「お電話でもご説明しましたが、デジタルパーマの機材はございません。
本日は通常のパーマでよろしければ施術いたします。
難しいようでしたら、今回はキャンセルという形でも大丈夫です。」
すると…
「じゃあ、カットだけで!」
(え、マジか…?)
お互い嫌な空気のまま、カットが始まった。
「カットは全体に2センチ!
この形を絶対に崩さないで!
ブローの時は
ロールブラシを使って!」
細かい注文の嵐。
そして極めつけはこの質問
「あなた、美容師何年目?」
もしかしたら、
私が若く見えたのかもしれない。
最近は少なくなったが
経験の浅い美容師だと思うと
見下したような態度を取るお客様が
たまにいる。
私は引きつった笑顔で答えた。
「10年目までは数えていましたが
今は数えていないんです。」
その瞬間、お客様はぴたりと黙った。
店内を包んだ沈黙だけが、今でも忘れられない。
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2011年東日本大震災で美容室の壁にヒビが入り、応急処置で営業を続けてきましたが限界です。修繕費用が厳しいため、無理のない範囲でお気持ちだけでもご協力いただけると幸いです。よろしくお願いいたします🙇♀️