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それはまるで兄のようで


2つ上の従兄弟がいてくれた。長男の私にとって、彼は兄のような存在だった。『ドラクエ3』を町の玩具屋で予約する時に、さりげなく順番を譲ってくれた。社会現象になる作品ではなく、仮面ライダーの出てくる作品を買いたいというのは、子どもの気まぐれなのだろうか。ちっとも遊ばなかったじゃないか。『ドラクエ2』は友達と苦労して解いたから、『ドラクエ3』は「兄さん」と遊びたかった。

『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』を、2階の六畳間の小さなブラウン管テレビで見たことは覚えている。毎週ではない。たまたま、土曜日に遊びに来ていた時のことだろう。

そしてTHE BLUE HEARTSは、「兄さん」が中学に上がって覚えてきたから、私は小学5年だったはずだ。『リンダ リンダ』の逆説的な歌詞も、『TRAIN-TRAIN』で歌われた自由もまだあの頃は分からなかった。14歳でカミュを読んでいたから、今にして思えば実存主義の、ことにカミュが用いる逆説は、『リンダ リンダ』と共鳴する点があった。

我々は家庭の事情で絶縁することになり、「兄さん」がどんな大人になったか、私は知ることができない。かけがえのないものも、案外脆いことを学べた。けれど、THE BLUE HEARTSは今も好きだ。『青空』の歌詞が特に好きだ。『ドラクエ3』も好きだが、それは思い出も含めてだ。

我々は少年時代に濃密な時間を過ごした。その記憶が、血を温め、その血は鼓動で循環している。THE BLUE HEARTSを聴くことはありますか? ラジカセの前で正座して前のめりになるように聴いた、あの日の光景は覚えていますか。覚えていてもいなくても、幸福でいてくれればいい。花粉の季節です、そろそろ春になるよ。


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https://www.pexels.com/photo/black-and-white-cassette-tape-164727/

TRAIN-TRAIN

リンダ リンダ


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三澤直己 | カラストラガラ / Trgr | フォロバ100% ここまでお読み下さり感謝。各種SNSでのシェアも励みになります。非営利の取り組みが多いため、チップのご検討、助かります。