アブクラックスができるまで
きっかけはお尻だった。
重力に寄り添ってきたなっと気づいた、いつかの春のこと。
もう少し反抗できるんじゃない?
と、思ったのがはじまりで、調べるうちに
アブクラックスというものに興味が移行した。
アブクラックス=縦腹筋
お腹に縦に入る、あの線。
「欲しいな、縦線!」と、単純に思った。
続けることが大切、などと、少しも思っていなかった。
私は物心ついた頃からの徹底的インドア派で、移動はほとんど車、長距離歩くことなどほぼなく、パンプス生活で、スニーカーなど高校生以来持っていなかった。
「筋肉を鍛える」などという行為が、どこか遥か遠い幻のようだった時代が長い。
その私が、やるからにはやる性格なもので、
トレーナーの友人から、専用メニューをもらって実直にやったら
なんと3日で縦筋が現れた。
私のカラダったら、単純。
素直な身体だ…と思った。
いい子いい子!私の身体。
以来、毎日続けている。10年になるだろうか。
全メニューをこなすのに、10分かからない。
美学とか哲学とか、そういうことは何も考えておらず、
ただひたすらにアブクラックスが欲しかっただけ。
動機は終始、きわめて不純。

食事も似たようなもの。
何かを積極的に摂るより、まず、要らないものを摂らないことを是としている。
食品添加物はとらない。調味料にはこだわる。
自宅ではグルテンフリー。発酵食品大好き!日常的に。
健康のためというより、そのほうが美味しいから、というのが正直なところではあるが、もう何十年も肌トラブルとは無縁だし、風邪もひかない。
…バカは風邪をひかないとも言うけれど。

現在は、こういう教えを受けている。
稽古でも、掃除でも、筋トレでも。
薄紙を重ねるように続けることが大事だ、と。
知らずにそれをやっていた。
アブクラックスが欲しくて、美味しいものが食べたくて、それだけ。
不純な動機でも、薄紙は重なる。
美しさは、狙うものではないのかもしれない。
私は多分、性格上、三日坊主ではない。
飽きるものは何となくわかっていて、最初から手を出さないようにしているところがある。
しかし、やるとなったら、本当にやる、しつこくシツコク、やる。ほうだ。
このコツコツした積み重ねで、いつのまにか構築されたアブクラックス、病気しない體、なのよね。きっと。
続けられない人のことが、ちょっとだけ、わからない。

