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「好きな仕事なら全部やれ?」ブラック企業で“やって当たり前”を押しつけられ続けた私の怒り

ブラック企業で働いていた頃のこと

家具業界に飛び込んだ朝のことを、まだ覚えている。
新しいスニーカーの紐をぎゅっと結ぶ指が、少し震えていた。
「大好きな家具をデザインして、人の暮らしを良くしたい」――その願いが、胸のど真ん中で光っていた。

夢の名札と、現実の積み荷

配属はデザイン設計。CADで図面を引いて、形に命を吹き込むはずだった。
でも、最初の一週間で名札の下に仕事が折り重なっていく。
営業アシスタント、搬入作業、事務、店舗の接客、お茶出し。
「デザイナーって、どこ行った?」
心の中でつぶやくたび、口の外では「はい、やります」と笑っていた。

始業9時、到着8時半。ときどき6時

何もない日は8時半出社が“空気のルール”。
搬入や納品があれば6時集合。薄暗い倉庫で段ボールの埃の匂いが鼻に刺さり、手のひらは段ボールの角でじんじん痛む。
定時は18時。けれど社長の店が閉まるのは19時。
そこからが“本番”みたいに仕事は膨らみ、時計は20時、21時、22時、23時へ。
帰宅してシャワーの音を聞きながら床に座り込む。立ち上がる気力が、どこにも見つからない。
泣きたいのに、涙が出る体力すらなかった。

「やっといて」で増える私の業務

「会社のHP作って」
「ネットショップも立ち上げて」
やったことがない、と言う隙もなく、ToDoは増え続けた。
土日祝は祭事やイベントで現場。唯一の日曜が消えていく。
意を決して、上司に代休をお願いした。
返ってきたのは、冷たい目と短い言葉。

「なんで?」

喉の奥で言葉が砕けた。
怒りで手が震えた。情けなくて胃が縮んだ。
「なんで? ――それを、今、私が聞きたい」
心の中だけで叫んだ夜、枕が湿っていった。

小さな「ありがとう」も、なかった日

深夜までの図面修正。朝いちの搬入。昼の接客。合間の事務。
「助かるよ」の一言があれば、それだけで立て直せたかもしれない。
けれど、私の頑張りは“当たり前”に吸い込まれ、何も残らなかった。
カレンダーに残ったのは、黒いペンで塗りつぶした「出勤」の丸。
私の休日は、会社のものになっていた。

「好きだから我慢できる」は、呪いだった

家具デザインがやりたかった。
その気持ちは本当だ。
だから、無理が効いた。身体も心も、限界を越えても走れた。
「好きな仕事に就けたんだから、我慢が当たり前」
その言い訳は、やがて“麻痺”に変わった。
好きだったものが、灰色に見えはじめた。
図面の線が一本増えるたび、私の中の線が一本、ひび割れていった。

朝、靴紐のところで泣いた日

ある日曜の早朝、祭事の集合に向かう玄関で、私はしゃがみ込んだ。
スニーカーの紐が結べない。指が言うことを聞かない。
胸はドラムみたいに鳴って、浅い呼吸しかできない。
「行かなきゃ」「でも無理だ」「行かなきゃ」「もう嫌だ」
頭の中で同じ言葉がぶつかって、痛かった。
そのとき、やっと気づいた。
――私は、もう限界だ。

私の怒りは、私を守る合図だった

「なんで?」と問われて黙り込んだあの日、怒りを悪者にした。
でも本当は、怒りはSOSだった。
“境界線(バウンダリー)を超えられている”ことを教えてくれる、唯一のサイレンだった。
そのサイレンを止めてしまったのは、私自身だ。
「好きだから」「若いから」「期待されているから」
そんな言葉で上書きして、聞こえないふりをした。

それでも、ここまで来たあなたへ

もし今、あなたの朝が重く、靴紐の前で立ち尽くしているなら。
黙って耐えるのは、もう卒業していい。
怒りも、悔しさも、涙も、全部“生きている”証拠だ。
それはワガママじゃない。境界線を引き直すための正当な感情だ。


ここまで読んで、胸の中で何かが動いたなら、次の小さな一歩を置いてほしい。
「何に怒っているのか」「どこが苦しいのか」「何を守りたいのか」――言葉にして外に出す。
その入口になるノートを、ここに置いておく。

👉 限界ギリギリ…『仕事辞めたい』が頭から離れないあなたへ
https://note.com/kaokaotaka/n/na0a2d0a73393

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七草粥|日々のしんどさを軽くする人 とてもとても感謝です!!