リムジンは、トラックだ。(同型を見抜くやさしさ)
リムジンって、あるじゃないですか。
黒くて、長くて、ピカピカ。
映画スターとか、社長とか。
like a 宇宙船
まるで"別世界の乗り物"だ。
あるとき、ふと疑問に思った。
あんなに長い車が、
なんで普通に曲がれるんだろう?
(そもそも、違法にならんのか?)
すると横から、友人が言った。
「トラックと同じでしょ」
……え?
たしかに。
長さも、後輪の位置も、内輪差も。
曲がるときの注意点は、ほぼ同じ。
高級感と、肉体労働。
見た目の印象は真逆なのに、
構造は、ほとんど一緒だった。
数学には、
同型(isomorphism)
という考え方がある。
見た目や名前は違うけれど、
中身のルールや構造が同じものを、
「同型」と呼ぶ。
大事なのは、こういう視点だ。
ラベルを全部はがして、
残った構造だけを見る。
リムジンもトラックも、
「長い車体を、限られた道路で動かす」
という構造は同じ。
スーツを着ているか、
作業着を着ているかの違いは、
本質的ではなかった。
同型の発想は、
日常のやさしさにも繋がる。
僕らは無意識に、
人や出来事を「見た目」で分類している。
・冷たい人
・偉そうな人
・意識高い人
・めんどくさい人
でも、数学的に一度問い直してみる。
「これ、同型じゃない?」
不安で黙っている人。
不安で攻撃的になる人。
言動は正反対だけど、
中の構造は同じかもしれない。
余裕がない
守りたいものがある
失敗したくない
見た目に引っ張られると、
相手を"別の生き物"に見てしまう。
頭の中で、相手の姿を変えてみる。
ひげもじゃ上司を、小学生に。
コワモテ後輩を、モブキャラに。
いつもと違う本質が見えるかも。
リムジンを見て、
「特別な車だ」と思うのは自然だ。
カッコイイって、素敵だもんね。
僕は「見た目で決めるな!」なんて、
全く思わない。むしろめちゃくちゃ大事。
(というか、思うもんは思うし)
ただ、「内面」を考えるときは、
そこは思い込みになってしまう。
リムジンは、トラックだ。
時と、場合によっては。
