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クソ上司を殺したいほど憎い夜



女性はカウンターにぐったりと寄りかかり、グラスを乱暴に置いた。
声に酒と怒りが混じっている。

「マジで……もう限界。 あのクソ上司、殺したいって本気で思うわ。 毎日毎日、俺の前で偉そうに説教垂れやがって、 自分のミスは全部部下のせい、 私が必死に作った企画は平気で自分の手柄にして、 残業代も出さないくせに『お前らもっと頑張れ』って。

『お前みたいな使えない奴は辞めろ』って面と向かって言われた日なんて、 トイレで泣きながら『殺してやる』って何度も呟いた。 本当は今すぐ会社に行って、あいつの顔を殴りつけて、 土下座させて、謝罪させて、 全部吐き出させてやりたい。 ……怖いよね、私。 こんなに人を憎める自分が、気持ち悪い。 でも止められない。あいつの顔を思い浮かべるだけで、胃が煮えくり返る。 どうしてあんなクズが偉いポジションにいて、私は毎日踏みつけられなきゃいけないの?」

女性は息を荒げながら、もう一口酒をあおった。


隣に座っていたスナフキンが、煙草の煙をゆっくり吐きながら、
静かに言った。

「…憎しみは重いよな。 でも、それは君が真面目に生きてきた証拠でもある。 殺したいと思う気持ちを、悪いものとして無理に押し込めなくていい。 ただ、それを『行動』に変えない自由を、自分に許してやるんだ。」

リトル・ミーが、脚を組んで少し尖った笑みを浮かべながら、はっきりと言った。

「殺したいなら、殺したいって思えばいいのよ。 我慢して『上司として尊敬してます』なんて演じてるから、余計に腐るんでしょ。 あんなクソ野郎に人生を潰されるなんて馬鹿らしいわ。 辞めるときは盛大に辞めて、 『あんたみたいなゴミ上司の下で働いてたこと、後悔してる』って言ってやりなさいよ。」

カウンターの奥でグラスを静かに磨いていたムーミンパパが、穏やかで力強い声で語りかけた。

「君の怒りは、本物だよ。 傷つけられて、踏みつけられてきた日々は、簡単に消えない。 私はその全部を知った上で、君を責めたりしない。 憎しみを抱えたまま、それでも明日を生きていく…… それも、立派に生きることの一つなんだよ。」


クソ上司を心底憎み、 殺したいと本気で願った夜。

そんな暗く熱い感情すら、
スナフキンは静かに受け止め、
リトル・ミーは現実の強さを、
ムーミンパパは全てを包み込む優しさを、
そっと置いていってくれる。

あなたの中にいる、言ってはいけない激しい憎しみも、
このバーでは、ただの「人間らしい叫び」として、
受け止めてもらえるのかもしれない。

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