心の帰り道 | 駅の改札で今日がほどける
おかえりなさい。
夕暮れのホームに降り立つと、
不思議なくらい、
胸の奥がふっとゆるんでいくのがわかります。
そこは、
有名な観光名所でもなければ、
乗り換えでごった返すような
大きな駅でもありません。
けれど、
わたしにとっては、
一日の終わりに
「わたし」という自分に戻れる、
世界で一番大切な場所です。
── ⋆⋅⋅⋆ ──
🚉 駅と街は、地続きでつながっている
改札を抜けると、
いつものパン屋さんの
温かなオレンジ色の灯りが見えます。
角の花屋からは、
その時期一番のみずみずしい
「季節の匂い」が、
風に乗って流れてくる。
駅はただの通過点のはずなのに、
ここでは、
街のやさしさが、
いつも一足先に迎えてくれるのです。
ホームに立っているときから、
私の心は、
もうすこしずつ 「家」に向かって
ほどけはじめています。
── ⋆⋅⋅⋆ ──
🌆 夕暮れのホームという、止まった時間
仕事や用事を終えた人たちが、
それぞれの表情で
電車を待っています。
スマホを眺める人、
ぼんやりと遠くの夕焼けを
見つめる人。
日中の疲れがにじむ顔も、
家を急ぐ足音も、
この時間、
この場所で見ると、
どこかやわらかく、
愛おしく見えるから
不思議です。
電車が走り去ったあとの、
吸い込まれるような、
少し長い静けさ。
その沈黙の中で、
今日あった
「小さなトゲ」のような出来事が、
ゆっくりと遠くへ、
夕闇のグラデーションに
溶けて流れていく気がします。
── ⋆⋅⋅⋆ ──
📖 この駅は、わたしの時間を知っている
なぜ、
この駅がこんなにも好きなのか。
考えてみると、
ここには、
たくさんの「過去のわたし」が
立っていました。
新しい靴が嬉しくて、
足元ばかり見ていた朝。
プレゼンがうまくいかず、
うつむいて歩いた夜。
小さな箱を
鞄の中で何度も確かめながら、
改札の向こうを
落ち着かない気持ちで
見つめていた日もありました。
二月の冷たい空気が、
少しだけ甘く感じられた夕方。
電車が来るたび、
来るかな、と胸が揺れる。
あの日のホームは、
いつもより
少しだけ長く感じられました。
けれど別の日には、
手を振ったあと、
電車のドアが閉まる瞬間に
波のように涙があふれて
止まらなかった夜もあります。
同じ場所なのに、
待つ日と、見送る日では、
空の色まで違って見えました。
同じホームに立ちながら、
そのたびに違う気持ちで、
私は空を見上げてきました。
駅は何も言わないけれど、
わたしの変化を、
季節の移ろいと一緒に
ずっと見守ってくれていた。
だからきっと、
ここは私にとって、
人生の「句読点」のような
場所なのだと思います。
── ⋆⋅⋅⋆ ──
🚉 結びに:また、明日もここで
駅は、
人が行き交う場所。
けれど同時に、
とても静かに
自分自身と
向き合える場所でもあります。
今日もまた、
夕暮れの色に包まれながら、
「ああ、今日を終えて
ここに戻ってこられて
よかった」と思う。
街と心をつなぐ、
この帰り道が、私は大好きです。
さあ、
明日はどんな空の下で、
このホームに立つのでしょうか。
この時間も、
わたしを大切にする
小さな習慣なのかもしれません。
・ ・ ・

── ⋆⋅⋅⋆ ──
🕯️この作品は、
note大学占い部・2月企画
「心を満たす愛と調和のメッセージ」に参加しています。
企画の詳細はこちら👇
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします!
いただいたチップは、創作活動や癒しの言葉づくりに使わせていただきます🌸