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アストラルディア物語 第2章 繋がり始める光 第4話 あの日、父が残したもの


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朝の光が、窓から差し込んでいた。

叶音は机に肘をつきながら、一枚の写真を見つめている。

あの日、撮った写真。

見たことのない空。

見たことのない街。

現実ではありえない景色。

それなのにーー

何度見返しても、加工や故障には見えなかった。

「……何なんだろう」

小さく呟く。

写真の中では、流れるような光が空を横切っている。

まるで星が飛んでいるみたいだった。

指先でそっと写真をなぞる。

すると、不意に脳裏をよぎった。

父の背中。

そしてーー

『ちゃんと、写せよ』

あの日の言葉。

「だから、何を……」

思わず苦笑する。

肝心なことは、何も教えてくれなかった。

視線が机の端へ向く。

そこには、以前見つけた父のメモが置かれていた。

何度も読み返したはずの紙。

なのにーー

今日はなぜか、その言葉が気になった。

叶音はそっと手に取る。

『このカメラは記録する』

『星を写せ』

たった二行。

それだけ。

「……記録する、か」

小さく呟く。

あの時は意味が分からなかった。

今だって分からない。

でもーー

目の前の写真を見るたびに。

父の残したその言葉が、頭から離れなかった。

「星を写せ……」


青空に星なんて見えない。

それでも。

なぜか、もう一度だけ撮ってみたくなった。

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気づけば、カメラを持って外へ出ていた。

いつもの丘。

いつもの空。

でも今日は、少しだけ違う。

叶音はカメラを構える。

ファインダー越しの青空。

雲がゆっくり流れている。

カシャ。

シャッターを切る。

表示された写真を確認する。

異常はない。

普通の空だった。

「……だよね」

自分でも少し安心してしまう。

やっぱり、偶然だったのかもしれない。

そう思いかけた時だった。

視界の端で。

小さな光が揺れた。

「……え?」

前と同じ。

いや。

少し違う。

今度はーー

光が、こちらを見ているような気がした。

胸がざわつく。

でも、不思議と怖くない。

むしろ。

懐かしいような感覚だった。

「……もしかして」

図書館で出会った少女。

赤い髪。

青い瞳。

星の光。

名前も聞いた。

ルベリット。

「……あなたなの?」

思わず呟く。

もちろん返事はない。

それでもーー

光が、わずかに揺れた気がした。

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叶音は息を整える。

ゆっくりとシャッターを押した。

カシャ。

その瞬間。

光が弾けるように広がった。

「っ……!」

反射的に画面を見る。

そこに写っていたのはーー

前とは違う景色だった。

見知らぬ白い塔。

空へ伸びる橋。

そして。

塔の先に、何かの紋章らしきものが見えた。

見覚えのない形。

「……なに、これ」

かすれた声が漏れる。

知らないはずなのに。

なぜか目を離せない。

その景色は。

まるでーー

誰かが、自分を呼んでいるみたいだった。

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