施術中にお腹が鳴ったら恥ずかしい?鍼灸師の頭の中では何を考えてるか
こんにちは、鍼灸師のかんのです。
施術の最中、
静かな部屋に響く「グ〜ッ」というお腹の音。
「すみません、恥ずかしい」と、
慌てて身を縮めてしまう方、いらっしゃいます。
そんな時、私は
「全然!むしろ嬉しいです」と答えます。
お腹の音は、私からすると、
心の中でガッツポーズをしたくなるほど、
嬉しいサインなんです。
今日は、その理由をお話したいと思います。
からだが、ゆるんだ証拠。
私たちのからだには、
活動するときに働く神経と、
休むときに働く神経があります。
緊張しているとき、
優位になっているのは「活動」のほう。
胃腸の働きは、そのあいだ、
後回しにされています。
施術で緊張がほどけると、
この切り替えが起こります。
「休息と修復」のモードに入った瞬間、
それまでお休みしていた胃腸が、
また動きはじめる。
つまり、お腹の音は、
「深いリラックスに入りました。修復をはじめます」
という、からだからのお知らせなのです。
「胃の気」が、目を覚ます。
東洋医学では、胃腸の働きを
「胃の気(いのき)」と呼びます。
そしてこれを、
生命力そのものとして、
とても大切に考えます。
食べたものから気や血をつくり出し、
全身を潤していく源。
そこが動かなければ、
どんなに良いものを食べても、
力にはなりません。
施術中にお腹が鳴るのは、
滞っていた気が流れはじめて、
眠っていた胃の気が目を覚ました証拠です。
胃腸が動き出すことは、
それくらい大切な一歩。
よく、施術をした後に
「施術中に胃腸が動くのがわかる。
終わると、よくお腹が空くのよ」
そう言っていただけます。
これはまさに、胃腸という
エネルギーの生産ラインが
動き出したということ。
お腹が鳴るのは、
からだが「エネルギーを作るぞ!」
と準備が整った状態です。
とても健やかな反応だなと、
嬉しくなります。
足三里という、心強いツボ。
お腹の動きと深く関わっているのが、
「足の陽明胃経(ようめいいけい)」
という気の通り道です。
顔から足先まで、
からだの前面を長く流れているルート。
この経絡は「多気多血(たきたけつ)」といって、
気も血も豊富に流れる、
とてもパワフルな道です。
その要になるのが、
有名なツボである「足三里(あしさんり)」。
膝のお皿の下から指四本分下がった、
すねの外側にあります。
胃腸の働きを整えて、
元気を取り戻してくれるツボです。
足三里に鍼をすると、
てきめんにお腹が鳴り始める方も。
お腹が鳴っているとき、
あなたのからだの中では、
このルートに沿って
新しいエネルギーが巡りはじめています。
我慢しないで大丈夫。
東洋医学には
「通ぜざれば則ち痛む」
という言葉があります。
めぐりが滞ると、痛みが生まれる。
裏を返せば、
通じていれば、健やかということ。
お腹が鳴るのを我慢しようと力んでしまうと、
せっかくひらきかけた気の扉が、
また閉じてしまいます。
お腹が鳴っても全然大丈夫。
そのまま、気にせず
ゆったりと呼吸を続けてください。
お腹の音は、あなたのからだからの
わかりやすくシンプルなお便りです。
「ありがとう。整ってきたよ」
そう言ってくれているのだと捉えています。
東洋医学では、
お腹を全身として見立てて診ていきます。
お腹が動き出して、巡りがよくなること。
それは、あなたのからだ全体が、
調和を取り戻し始めたということです。
恥ずかしがらないで、大丈夫。
その変化を、一緒に喜ばせてくださいね。
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