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死んだ人の数は1000億人ですが「墓」は殆どありません

個人的に
生きている人の数より、
死んだ人の数のほうに興味があります。

今、目に見えるもの。
その下層で支えながら
目には見えていないもの。

それら全てを形作ったのは
死んでいった人たちです。

私たちは現に「生きて」いますが、
これはわりとあっさり終わります。

今、あなたが立つ土台を作ったのは
これまで数限りなく
死んでいった人たちなのです。

では、
有史以来、
いったい何人の人が亡くなったのでしょう。

人口統計学者の
Jennifer Sciubba氏によると、

この地球上に
これまで生存した人の数はおよそ1080億人。

(上の数字は今の世界人口およそ80億人を含みます)。

この人が
Jennifer Sciubbaさんです。

(動画の中で「有史以来、地球上で生存した人は何人ですか?」という質問に答えています)。


換言すれば、
およそ500万年前の人類誕生から、
1000億人の人間が死んでいったということ。

この膨大な死者の大部分は「墓」など持ちません。

たとえば「狩猟採集時代」は
全世界で人口は500万人程度でした。

ですので、
死ぬ人の数も随分少なかったわけです。

その後、人口爆発の時を迎え、
亡くなる人の数も膨大になります。

繋いで、繋いで、
何十万世代をつないで、
あなたもわたしも今を生きています。

太古の昔と同じように
ダンスを踊ったり
肉を食べたり
ヘビを恐れたりしています。

不思議なものです。

時(とき)という言い方が
おそらくふさわしいのでしょう。

ときを計るには
生よりも死のほうがふさわしいようです。

大きなあくびを何度かしているうちに
私たち自身も
死んでいった人間の「数」に付け加えられます。

「死」から「生」を俯瞰すると
人間が生きる時間がいかに短いかが分かります。

生は一瞬ですが、
「死」は静かに
まるで雪のように、
ひたすら降り積もります。

現に今見る
この人間社会は、
およそ1000億人の死者によって作られたものなのです。

ところで、
「人口の急増」と
「死者の急増」はパラレルです。

人類は
農耕定住生活を始めることで人口が増え始めました。

産業革命を経て、
この200年強、人口爆発が続いています。

以下のようなグラフ(世界人口の推移)をご覧になったことがありますか。



生物動態的に見て、
この数の増え方は尋常ではありません。

——このまま人口が増え続けると、
破滅の道でしょう。

しかし、幸いなことに
人口爆発のトレンドはようやく終わるようです。

英経済誌「エコノミスト」によれば、
世界人口の『減少』は、
国連が発表したものよりも
早まる可能性が高くなっています。


これは良いことでしょう。


出生率が下がり、
世界人口が減り始めることは
ヒトが種として生き延びるための、自衛本能なのかもしれません。

人口減少が加速して、
人間が「衰退期」を経験するのも悪くはありません。

新たな知見を得て、
また大地の片隅で棲み直すというのは(いかにも)寓話的ですし。

誰よりも
ほっとしているのは、
草木や動物や虫たちでしょう。

そして二番目にほっとしているのは、
私たちの先輩(1000億人)かもしれません。

樹木から降りて500万年が経ってようやく、
人類の青年期が終わろうとしているのです。

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カン・チュンド サポートありがとうございます!あなたのチップがわたしのガソリンです(笑)