自衛隊員さんは「パジェロ」と呼んでいた
新東名のパーキングエリアに自衛隊のクルマが停まっていました。荷物を載せたトラック3台と幌付き四駆1台。
僕も近くに停めていたので、ちょっと見せてもらいました。道路を走っているところは見たことがあっても、停まっているところを近くで見るのは初めてです。

休憩中なのか、何か任務を遂行している感じが見受けられなかったので、助手席ドアを開けて立っていた迷彩柄のセットアップを着た隊員さんに図々しく質問してみました。
他に運転席にも、後席にも一人乗っていました。センターコンソールには缶コーヒーが置かれていたので、やっぱり休憩中でした。
ーこのクルマって、昔の三菱パジェロをベースに造られているって聞いたことがあるのですけど?
「そうみたいですね。見ますか?」
フランクな方のようで、ドアを大きく開けて見せてくれました。
確かに、昔のパジェロです。4速ATのシフトレバーの脇に2輪駆動と4輪駆動の切り替えレバーが生えていて思い出しました。レバーとその周辺は黒ですが、ダッシュボードやシートなどはヘルメットと同じオリーブドラブです。
床にはマットなど敷かれておらず、鉄板が剥き出しです。だいぶ年月を重ねてきているクルマらしく、その鉄板も細かな傷や凹み、サビだらけ。ガチの軍用車です。
車内はひんやりしているのはエアコンが効いているからです。吹き出し口に差し込まれているのは芳香剤でしょうか。
ーさすがにナビは付いていないので、アタッチメントにスマホを挿しているのですね?
「付いてるクルマもあるみたいですよ」

ー隊員さんたちは、このクルマのことを何て呼んでいるのですか?
「パジェロって呼んでいますよ」
パジェロの前は三菱ジープが使われていて、「自衛隊のジープ」って呼ばれていました。SUVという言葉と概念がアメリカで生まれるよりずっとずっと昔にオフロード4輪駆動車は日本では三菱ジープが圧倒的な多数派で、その時代が長かったから、オフロード4輪駆動車のジャンル名をジープが代弁していました。
だから、トヨタ ランドクルーザーが“トヨタのジープ”、日産 サファリが“日産のジープ”と世間で呼ばれることも珍しくありませんでした。“ジープ”が普通名詞化していたのですね。
三菱自動車はパジェロの製造を止めてしまいましたけれども、ジープと変わらないニュアンスのパジェロという呼ばれ方が自衛隊で生き残っていました。例えば「陸上移動車」とか「平時乗用車」とか、もっとカタい正式名称があるのでしょうけれども、缶コーヒーやスマホ、芳香剤などと一緒に、パジェロがカジュアルに呼ばれているのが、ちょっと爽やかな驚きでした。
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