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“代役”が変容し続けて60年 ポルシェ911タルガ

 2025年はポルシェ 911タルガがフランクフルト自動車ショーで発表されて60年を迎えます。

 911の前身である356には設けられていたカブリオレが、同じように911にも追加されるはずでした。しかし、1960年半ばからアメリカで強化され始めていた安全基準によって転覆時の安全性が懸念され、代わりに登場したのが固定された金属製の太いピラーを残したタルガでした。

 そのアメリカの安全規制強化の影響はポルシェだけにとどまらず、それまでたくさん売られていたイギリスを筆頭とするオープンカーがマーケットから一斉に姿を消したのは良く知られています。

 1980年代に入って、ポルシェは911にカブリオレをようやく設定します。それでも、タルガは失くならず、現在までずっと続いています。代役は立派に果たしたのだから、入れ替わりに退いてもおかしくありません。なぜ、ポルシェはタルガを止めずに続け、そして新型を送り出すのか? 存在意義は、どこにあるのか?

 2008年にイタリアのガルダ湖で行われた新型タルガのメディア試乗会に参加した時に、その点について開発者に質問したことがあります。

「タルガはカブリオレより先に生まれたが、独自の911としてファンを獲得し続けた。これからは、タルガならではの魅力をアピールしていきたい」

 “ものは言いよう”と思わないでもありませんでしたが、モデル毎の魅力と訴求点を変容させていくところが上手いなと感心しました。時代と顧客の変化を良く観察していて、それに合わせて何を売り物にしていけば良いのかを把握できている。商品企画の基本中の基本ですね。タルガは、その模範例でしょう。

 4WD専用となり、次のモデルチェンジでは複雑な機構のハードトップ開閉システムを備えたGTとなり、現在に続いています。


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