第171回「あなたは私の100あるうちの1も見てない」
飲みに行こうよ。と誘われても、
ごめんなさい。行けません。
としか言えない。
そりゃあ理由を言えばいくらだって言える。
言い尽くせないくらいに言える。
でも総合的に考えてさ、行けなかったんだ。
だからそうとしか言いようがない。
ごめんなさい。
全部の理由を言うには、
時間も労力もものすごくかかる。
なのにあなたは、何かをわかったかのように、
じゃあいいわ。
と不機嫌そう。
なかなか収拾がつかない会議があった日に、
長く続く沈黙、
進まない話し合い。
もうこれ以上は時間の無駄かなと思った私は。
「では私が引き受けますよ。」
と手を挙げる。
じゃあお願い。と、簡単に決まった。
もちろんやりたいわけじゃない。
でも私が手を挙げなかったら、
あなたたちはどうしてた?
あなたたちは私のことを、
どういう目でみていたんだろう。
私には常に100の理由がある。
でもその100の理由はあなたたちには話さない。
最終的に、総合的に結論を出した答えが、
たまたまその、1だっただけだ。
なのにあなたたちは、
私は「1」と考えている人、
私を「1」をする人だと、
勝手にイメージを付けてしまう。
たまたま1と言っただけなのに、
私の本当の、残り99は、
もうあなたたちのところへは届かない。
でもね、
その99があるから私はブレないんだ。
その99を捨てないで、
私の中に生き続けるから、
だから答えを出すのに時間がかかるんだ。
でもそれはきっとあなたも同じでしょう?
あなただって100あるうちの1で、
あなたの全てを判断されたくないはずだ。
私は優しい人なんかじゃない。
私は総合的に考えて、
あなたに親切にしているだけ。
あなたが不憫であり、
あなたが惨めであり、
見ていられないから手を挙げただけなんだ。
思っているよりもずっとずっと酷いやつだよ。
でもみんな勝手にイメージをつけたがる。
人って、
そういうものじゃないと思うんだけどなぁ。。
誰かが何かを言ってたって、
その一言で、
その人の全てがわかるはずがない。
私は、あなたが100あるならば、
そのうち少なくとも50は見て触れて判断したい。
だからあなたも私の1だけをみないで、
私も100あるってことを、
知ってもらえるだけでいい。
見なくていい。
それを知ってもらえるだけでも、
ちょっとは救われる気がするからさ。
本当は、
100よりももっと沢山あるんだけどね。
「あなたは私の100あるうちの1も見てない」
第171回目の投稿でした。
