映画「ボクらのホームパーティー」を見た
自慢ではないけど映画にはとても疎い。アナ雪もパイレーツオブカリビアンも見たことがない。映画が嫌いなわけではない。なんなら好きな映画もたくさんある。トッドソロンズのハピネス、キム・ギドクの空蝉、遊星からの物体X、光る眼、ブロブ、危険な遊び。なのに最近は全然見なくなってしまった。2時間拘束されるのがつらいのだ。肩は凝るトイレも行きたい眠い。
そんなわけで映画を自ら見るということがあんまりないのだが、久しぶりに興味のある映画に出会ったので見てみた。その名も「ボクらのホームパーティー」。7人のゲイがホームパーティーをする話だ。
休日にゲイが酒を持ち寄り、友情を育む、のほほんとしたヒューマンドラマなんだろうと勝手に想像して観たが、実際は騒がしいゲイの抱える醜さを浮き彫りにした映画であった。
この映画には7人のゲイが出てくる。振られ続けて孤独を抱える正志、お調子者のゲイクラブ店員、お節介焼きで頑固な将一、何も知らない21歳。ホームパーティーを主催するゲイカップル、性欲お化けの健一。
ネタバレになって申し訳ないが、この7人がホームパーティーを舞台にひたすら揉める話に仕上がっている。主張を押し付け合い、他人を責めたて、ヒステリックに泣き喚く。
中でも曲者なのが正志である。被害妄想がすごくてやたらと交戦的で理論が破綻していて終いには泣く。「あーいるいる、こういう奴」が詰まってる。というか正志は私かもしれない。
ゲイバーで働く将一も近いものがあるが、こちらは社交的で少しだけ穏やか。しかし頑固で自分の主張を曲げない。優しさの中に下心が見え隠れする。というか将一は私かもしれない。
ここにあるのはゲイの抱える地獄の描写だけだ。この場に正志と健一がいなかったら終始穏やかに進んだであろうホームパーティーが、なにかの拍子に地獄と化す。お互いに不満を抱えるゲイカップル、世の中の全てを憎んでそうな正志、性欲お化けの健一、空気を読まないトモヤ。罵り合いがとんでもないスピードで進んでいく。トモヤとヤスシは最後まで好きになれなかったが、一人一人のセリフが胸焼けしそうなくらい生々しい。それがこの映画の面白さだと思う。そしてオチが弱いのもなかなか良かった。
爽快感も救いもない。ゲイの醜い人間模様だけがただ描写されているだけのこの作品。好き嫌い別れるだろうが、好きな人は好きだろうなと思える。興味があればぜひ見ていただきたい。
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