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【名作紹介】お兄ちゃんはおしまい!

江戸前エルフ』を紹介したのなら同時期にやってた(はずの)こっちも
紹介せねば、という義務感で「おにまいはいいぞ」と書き連ねようと思い
ふと手が止まる。はて?このアニメの何がいいんだっけ?
あれから半月。コツコツと2周目を見続け、今ようやく終わりました。
全12話のアニメです。例によって原作は未読なのでご了承ください。

◆ジャンル

これはもう「強めのお薬アニメ」です。筆者はこのアニメをリアタイで
見たとき不覚にも最終回で泣かされてしまい、勝手に「とんでもない名作
だった」と盲信していましたが、改めて見るとだいぶ苦行アニメ寄りの、
見るのに体力がいるアニメでもあります。
順を追って説明しましょう。まず強めのお薬アニメとは、主人公がやや
ガラスのハートを持っていて社会から孤立しているか、またはブラックな
仕事等で心身が疲弊しており、それを優しく包み全肯定してくれるキャラ
と出会うようなアニメです。最近では『お隣の天使様』や『ワンルーム
天使
』『吸えない吸血鬼ちゃん』など。ちょっと古いと『世話焼き狐の
仙狐さん
』などがあります。大事なのは見てる側も癒されることであり、
主人公が成長して強敵に打ち勝つとか、未来への希望に目覚めて社会的に
成功するとか、そういったサクセスストーリーではなく、ただひたすらに
やさしいせかい」が続く日常アニメのことです。それって日常アニメの
全てでは?とか思いました?
そうではないんです。強めのお薬アニメはストレスフリーなアニメでは
なくて、ストレス状態を改善してくれる医薬品(笑)です。扱っているレジ
が違います。なので、健康な人が見るにはあまりに退屈すぎて時間が長く
感じるとか、逆に見続けることが苦行になるアニメなのです。もしこれら
のアニメに癒しを感じたら、それは身体からの危険信号かもしれません。

そしてもちろん『おにまい』は「TSもの」です。TSとは「Trans Sexual
つまりキャラの「性転換」が主軸になる物語です。上の画像のど真ん中に
いる薄ピンク髪の女の子が、この話の主人公である「お兄ちゃん」です。
中身は大学生以上の年齢の男性ですが、JC(女子中学生)になってしまって
います。1話の早々に明かされますが、これは妹のせいです。
他の「TSもの」のアニメと言えば、『転スラ』や『悪役令嬢おじさん』、
古いものでは『天使な小生意気』や『らんま1/2』がありますね。どれも
男性→女性に転換する話ばかりで、逆の設定はあまり見たことがありま
せん。『君の名は。』は性転換というより「とりかえ子」系です。

また『おにまい』は例によって男性不在のわちゃわちゃ美少女動物園
であり、やや百合要素も入っています。主人公が元男性であることを
知るのは妹だけなので、兄妹の話としてもほっこりエピソードが多く
あります。

◆あらすじ

前述のとおり、妹が盛った薬で女の子になってしまったまひろちゃんの
ドキわくJCライフが続く日常物語です。元々がルサンチマンを抱える
青年男性なだけに、すっかり引きこもりのオタクと化して自己肯定感も
低く人見知りなまひろですが、女子として中学校から人生を再スタート
させると、とても「やさしいせかい」が段々と見えてきます。
以上です。
かつて女性→男性に性転換したアメリカ人が涙ながらに「男性の人生が
こんなにも周りから厳しく、冷たく扱われるものだとは知らなかった」と
語っていた動画を思い出します。あれが、時期的にAI等のフェイク動画
である可能性は低いと思いますが、少なからず同じ感想を持つ元女性は
他にもいるようです。男性から女性への性転換の方が、実際に幸福度は
上がる傾向にあるらしい。特に日本は、先進国の中でも女性の幸福度が
とても高い国です。

◆見所

OPとEDがいいですねぇ。両方とも昔懐かしい電波ソングといった感じ
です。OPはP丸様も歌っていて、EDはメインキャラの声優さんたちが
歌っています。作画も動画も、最後まで崩れません。丁寧すぎるほど
丁寧に仕上げられた、令和ではちょっと珍しい部類のアニメだと思います。

あと『おにまい』最大の見所は、最終回です(笑)
と言っても『慎重勇者』ほどの大どんでん返し的な伏線はありません。
ただひたすら「やさしいせかい」がこれからも続いていく。
じゃあね、また明日
季節がめぐること、明日が来ることが、こんなにも楽しみだった時間が、
かつてあっただろうか。そう思うと、女の子になるのも
              ―――そんなに悪くないのかな。
おわり。

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