自由に働きたいのに苦しい人へ。起業でまず分けるべき「責任」と「願望」
自分の声を置き去りにしないために、ジャーナリングで“働き方”を自分に合わせていこう。
好きなことで働きたい。
自分のサービスで、誰かの役に立ちたい。
時間や場所に縛られず、自分らしく暮らしたい。
そう思って起業を選んだはずなのに、気づいたら、
「もっと発信しなきゃ」
「次の売上につながる行動もしなきゃ」
「周りはあんなに動いてるのに、私は何してるんだろう」
そんなふうに、頭の中がずっと忙しくなっている人がいる。
やることは間違っていない。
むしろ、ちゃんと学んでいるし、ちゃんと動こうとしている。
だけどなぜか、心がついてこない。
自由な働き方を選んだはずなのに、いつの間にか周りのペースに飲まれて、自分の感覚が置き去りになっていく。
起業で苦しくなる原因は、ノウハウ不足だけではありません。
本当に苦しくなるのは、責任と願望を混同して、自分の声を聞けなくなったときです。
起業すると、全部が「やらなきゃ」に見えてくる
起業すると、やることが一気に増えます。
発信する。
商品を整える。
導線を作る。
メルマガを書く。
セッションをする。
お客様に連絡する。
学ぶ。
改善する。
ひとつひとつは、たしかに大事です。
でも、多くの人が苦しくなるのは、
全部を同じ重さで抱えてしまうからです。
お客様との約束を守ること。
すでに申し込んでくれた人に提供すること。
必要な連絡をすること。
これは責任です。
一方で、
もっと売上を伸ばしたい。
もっと登録者を増やしたい。
もっと大きく展開したい。
もっと早く形にしたい。
これは、願望でもあります。
もちろん、願望が悪いわけではありません。
売上を伸ばしたいと思うことも、もっと届けたいと思うことも、すごく自然なことです。
だけど、願望まで全部「やらなければならない責任」にしてしまうと、起業は一気に苦しくなります。
本当は自分で選べるはずの働き方なのに、
自分で自分を追い込む仕組みに変わってしまう。
「できてない」の中身を分けてみる
たとえば、セッション提供は続いている。
お客様への対応もしている。
約束したものは果たしている。
でも、次の売上につながる戦略には、まだ手をつけられていない。
新しい導線づくりも止まっている。
外向きの発信も、思うようにできていない。
そんなとき、多くの人はこう思います。
「私、全然できてない」
「止まってる」
「もっと頑張らなきゃ」
でも、本当にそうでしょうか。
お客様への提供をしているなら、仕事はしています。
約束を守っているなら、責任は果たしています。
そのうえで、次の売上をつくるための行動が止まっているなら、そこは一度こう見てもいい。
それは今すぐ果たすべき責任なのか。
それとも、もっと広げたいという願望なのか。
この切り分けができないと、私たちはずっと自分を責め続けます。
本当は休んでいいタイミングでも、休めない。
調整できる働き方を選んだはずなのに、調整することに罪悪感を持ってしまう。
でも、調整できる働き方にしたなら、調整していいんです。
自由な働き方の本質は「好きな時間に働くこと」だけじゃない
自由な働き方というと、好きな時間に働けること、好きな場所で働けることをイメージする人が多いと思います。
もちろん、それも自由の一部です。
でも、本当の自由はそこだけではありません。
会社員なら、毎日決まった時間に働いたり、決まった業務をこなしたり、会社の売上や目標に貢献するために、自分のコンディションとは関係なく動かなければいけない日があります。
それはそれで会社員の大事な責任です。
会社という仕組みの中で働く以上、自分ひとりの気分やペースだけで全部を決めることはできません。
でも、自分で起業するというのは、そこを自分で引き受けるということです。
売上も自分。
提供も自分。
判断も自分。
止まることの責任も自分。
進むことの責任も自分。
全部を自分が引き受ける代わりに、
「今日はやらない」
「今は広げるより整える」
「今月は売上拡大より、既存のお客様への提供を優先する」
という調整も、自分で選んでいい。
会社員のように、毎日同じペースで動けないことを責めるために起業したわけではないはずです。
むしろ、自分で働き方を作るなら、
自分の感覚に合わせてペースを調整できることこそが、自由な働き方の本質です。
周りが忙しそうにしている。
誰かが大きな成果を出している。
SNSでは、みんなが前に進んでいるように見える。
そうすると、自分は直接関係ないのに、なぜか落ち着かなくなることがあるけど
「私も何かしなきゃ」
「止まっている場合じゃない」
「今休んだら置いていかれる」
って焦ってる中で見えてくるものは本当に自分の願望でしょうか。
それとも、周りの空気に反応しているだけでしょうか。
ここを見ないまま走り続けると、だんだん自分の人生の舵を他人に渡してしまいます。
起業で大事なのは、ノウハウを知ることだけではありません。
自分の人生がどこに行きたいのかという舵を、自分が持っていることです。
稼げることと、幸せであることは同じじゃない
私は、稼ぐことを否定したいわけではありません。
むしろ、自分や家族が心地よく暮らせるだけのお金は、ちゃんと得てほしいと思っています。
子どもやパートナーがやりたいことに、必要なときにポンとお金を出してあげられる
自分のやりたいことも、我慢しすぎずに選べる
毎月のお金に怯えるのではなく、安心して暮らせる
そういう豊かさは、とても大事です。
でもそれは、誰かが言う「とりあえず月100万」を、そのまま正解にすることとは違いますよね。
大事なのは、
自分の幸せに必要なお金がどれくらいなのかを知っていることです。
もっと稼ぎたいなら、稼いでいい。
拡大したいなら、拡大していい。
だけどそれが、自分の心地よさや家族との時間、身体の感覚、大切にしたい暮らしを犠牲にしてまで追うものなのかは、一度立ち止まって見た方がいい。
今は頑張る時期だからいいんだ!と納得していればいいですが、訳もわからずそれを選ばされてしまってはいませんか?
稼げることと、幸せであることは同じではありません。
だからこそ、起業家には「売上の作り方」だけでなく、自分の幸せの基準を見失わない力が必要です。
違和感は、サボりのサインではない
活動を続けていくと、違和感が出てくることがあります。
今までできていた発信が、急に重くなる。
やるべきことはわかっているのに、手が動かない。
休みたいと思った数時間後には、またやらなきゃが顔を出す。
「動きたい」と「休みたい」が短い間隔で入れ替わる。
こういう状態になると、多くの人は自分を疑います。
「私の覚悟が足りないのかな」
「また逃げてるのかな」
「やっぱり向いてないのかな」
違和感を感じられていること自体は、悪いことではなく、
むしろ、違和感をキャッチして、その声を無視しないという時点で素晴らしいことなんです。
もしかしたら、今までのフェーズが終わりかけているサインかもしれません。
今までのやり方が間違っていたのではなく、次の調整が必要になっているだけ。
今までの自分ではなく、これからの自分に合う働き方へ移行するタイミングなのかもしれない。
だから、違和感を無視しないでほしいんです。
ジャーナリングは、起業判断のための実務
そこで必要になるのが、ジャーナリングです。
ジャーナリングというと、気持ちを書き出すもの、感情整理のためのもの、というイメージがあるかもしれません。
もちろん、それもあります。
でも起業におけるジャーナリングは、もっと実務的です。
自分が今、何を責任だと思っているのか。
本当は願望なのに、義務にすり替えているものは何か。
どこに違和感があるのか。
何を犠牲にしようとしているのか。
本当はどんな働き方なら、自分や家族が心地よく暮らせるのか。
そういうものを言葉にしていくことで、判断の精度が上がります。
現在地をメタ認知する材料になります。
頭の中だけで考えていると、全部が混ざります。
不安。
焦り。
責任感。
願望。
比較。
期待。
本音。
それらがぐちゃっと混ざったままでは、今やるべきことも、休んでいいことも、手放していいことも見えなくなります。
だから書く。
紙の上に出すことで、
「これは本当に今やる責任」
「これはいつか叶えたい願望」
「これは周りに反応して焦っているだけ」
「これは私が大事にしたい感覚」
と、少しずつ見分けられるようになります。
知識だけじゃない。
生き方が働き方になるからこそ、自分の声を拾うことは、起業家にとって大事な実務です。
まず書いてほしい問い
もし今、あなたが起業の中で少し苦しくなっているなら、ノートにこの問いを書いてみてください。
私は何を犠牲にしてまで頑張ろうとしている?
時間でしょうか。
睡眠でしょうか。
家族との余白でしょうか。
自分の心地よさでしょうか。
身体の声でしょうか。
本当は大事にしたい働き方でしょうか。
そして、出てきたものを見ながら、もうひとつ問いを置いてみてください。
これは責任?それとも願望?
お客様への約束なら、責任として果たす必要があるかもしれません。
でも、もっと売上を伸ばすための追加行動なら、今の自分に合うタイミングや量を選んでいいかもしれません。
全部を投げ出すという話ではありません。
頑張ることをやめようという話でもありません。
むしろ、自分に必要な分を幸せに稼ぎ続けるために、頑張り方を選ぶという話です。
自分を置き去りにしない起業をしよう
起業は、ノウハウだけでできているわけではありません。
どんなお客様と関わりたいのか。
どれくらい働きたいのか。
どれくらい稼ぎたいのか。
何を大切に暮らしたいのか。
どんなペースなら続けられるのか。
何を犠牲にしたくないのか。
そういう生き方の選択が、そのまま働き方に出ます。
特に私が提唱する起業の形は「生き方を売る」なので、今の自分そのものが商品サービスになってきます。
だから、自分の声を置き去りにしたまま売上だけを追うと、どこかで苦しくなる。
逆に、自分の声を拾いながら進める人は、必要な調整ができます。
今は走る時期。
今は整える時期。
今は広げる時期。
今は守る時期。
今は休む時期。
そうやって、自分との足並みを揃えながら進めるようになります。
働き方は、誰かの正解をなぞるためのものではありません。
自分の人生の舵を、自分で持つためのものです。
もし今、あなたが
「やることは間違っていないはずなのに、心がズレている」
「自由に働きたいはずなのに、全然自由じゃない」
「もっと頑張らなきゃと思うほど、自分が遠くなる」
と感じているなら、
まずは、ノウハウを足す前に、自分の声を拾ってみてください。
私は自分で稼げる力をつけることは自立につながると思っているし、せっかく起業の道を選んだのなら、自分に必要な分を幸せに稼ぐ起業家でいてほしい。
あなたの働き方は、もっとあなたに合わせていい。
調整できる働き方を選んだなら、調整していいんです。
何かを犠牲にしてまで、働きたいわけじゃない。
家族も、自分も、大事にしたい。
でも「このままの仕事でいいのかな」も、どこかにある。
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