【芝居感想】クワイエットルームへようこそ
リアル 3本目
マツオスズキ:原作・演出 / 宮川彬良:音楽
ハードな内容をミュージカルに仕立てあげた松尾✖宮川
長く温めてきた物語らしく、エンタメへのオマージュもちりばめられ
最初から、最後までザ・ミュージカルだった。
病棟モノとして
思い当たるのは
「カッコーの巣の上で」
「まぼろしの市街戦」
どちらも、人間の存在を扱っていて名作。
「パコと魔法の絵本」
一風変わった物語だが、視点の変化が秀逸。
『クワイエットルームへようこそ』は?
お気楽に生きてきた女子が悩み傷つき再起する物語である
リストカット、オーバードーズ、拒食症、双極性障害
歌い踊る面々の抱えた問題は他人ごとではない。
それでも、院内で退屈に生きている
自分が正常であると、信じられるか?
外の世界が正常であると本当にいえるか?
そんなことも考えた。
役者さんたちの熱演ぶりは素晴らしい
とにかく、ずっと歌って、踊って、動いている。
アンサンブルも休む暇なし
舞台セットも精査病棟とみせて、決して暗くはなく
自在に動く階段で高さを自在に使ってみせた
時々ドアのように大きな化粧板が左右に開閉したが
ここに写った映像も迫力があった
そして、なによりスコアのすばらしいこと
昨年、日本初オリジナルミュージカルを数本見た
『この世界の片隅で』
『昭和元禄落語心中』
『十二国記』
もちろんそれぞれのレベルの高さは折り紙付きだった
どれも、好きな作品ではある。
が、が、しかし
ミュージカルとしては決定的な何かがブロードウェイと違うと思っていた
20代からミュージカルを見てきて。
いや。
もっと小さい頃から60年代のモノクロミュージカル映画を観てきた身として
思い当たることがひとつ
帰りに、
見終わったあとに
口ずさめる曲がなかったのだ
三作品とも、ずーっと歌っている。感情も歌にのっていた
でも、口ずさむことができなかった。
鼻歌でも、なんでも。
あの曲、染みたよねえ。
そう、語り合える曲が、なかった
そして、今日
宮川さん流石としか言いようがないです。
そうなんです。
ミュージカルって結構同じ旋律が繰り返されて出てくるんです。
場面を変えて、様相をかえて
だからこそ、感動するんです。
「君がいないと~」
心に響いてくるんです。
おしゃれなことに休憩時間には「エニシング・ゴース」とか、かかってました。
作中の重要な曲は「オーバー・ザ・レインボー」
そういえば、松尾さんはは同学年、宮川さんはひとつ上
同世代の趣味みたいなものがあるのかもしれないけれど。
もっと聴きたい。
そう思ったし、
これ、オフブロードウェイとか持っていけばいいのに。
と思った。
昨年ロンドンで
「となりのトトロ」と
「レ・ミゼラブル」
を観た。
それなりに圧巻の舞台だった
(感想を書き損なってます)(-_-;)
ファンタジーでも歴史ものでもない、
今と地続きの世界観で作るミュージカル
2.5次元も、宝塚、海外原作もいいけれど
この挑戦的なミュージカルはもっと盛り上がっていい気がする
原作を読んだ人は是非
原作を読んでない人は是非是非
どなたさんもご覧くされませ。
