【追加調査記録】アレイスター・クロウリーは本当に人を呪い殺したのか
―「30日に一度、誰かが死ぬ占い師の調査記録」を補足するための記録―
※この記事は、連載小説『30日に一度、誰かが死ぬ占い師の調査記録』を補足するための調査資料です。
法の書を読んでいると、
ある疑問が浮かぶ。
アレイスター・クロウリーは本当に魔術師だったのか。
そして、
本当に人を呪い殺したことがあったのか。
今回はその点を調査した。
調査結果① 確認できない記録
殺人の記録は確認できない
まず結論から言う。
クロウリー本人が、
魔術によって誰かを殺害した、
という事実は確認できなかった。
裁判記録もない。
逮捕歴もない。
被害届もない。
少なくとも歴史資料として確認できるものは存在しない。
調査結果② 悪魔崇拝者
なぜそんな噂が生まれたのか
理由は簡単だった。
本人がそういうイメージを積極的に利用していたからである。
クロウリーは生涯を通じて、
悪魔崇拝者
黒魔術師
世界一邪悪な男
などと呼ばれていた。
しかし実際には、
彼自身がマスコミを煽る発言を繰り返していた。
現代でいう炎上系インフルエンサーに近い。
調査結果③ 大量の証言
「死んだ」という証言は大量にある
興味深い記録が残っている。
クロウリーと対立した人物が、
病死
事故死
精神異常
自殺
に至ったという噂である。
当然ながら因果関係は証明されていない。
しかし当時のオカルティストたちは、
「あれはクロウリーの呪いだ」
と噂した。
調査結果④ アブラメリン作戦
アブラメリン作戦
もっとも有名なのは、
アブラメリン魔術に関する話である。
クロウリーは高位魔術の儀式を実践していた。
しかし途中で放棄した。
その後、
協力者が不幸になった。
精神を病んだ。
事故に遭った。
などの逸話が残っている。
オカルト界隈では、
「儀式の失敗による呪い」
と語られることもある。
ただし証拠は存在しない。
✍️神代観測メモ
調査の結果、
クロウリーが呪術で人を殺したという証拠は発見できなかった。
だが興味深いことがある。
証拠は無いのに、
100年以上経った今でも、
多くの人が
「きっと何人かは呪い殺している」
と思っている。
これは事実ではない。
しかし噂としては成功している。
もしかするとクロウリー自身が目指したのは、
魔術師になることではなく、
「伝説になること」
だったのかもしれない。
現時点では観測不能。
引き続き調査を継続する。
誰かを呪い殺したいと願うほどの憎しみを抱いた人間の方なのではないか、と。
