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【カオゼロ】ジューダス卿のトラウマを癒せたのは

厳選に疲れたうえに成果も出ないので初投稿です。

僕はストーリーはあんまり興味ない勢なんですが、インゲームが好きになると周辺情報を掘りたくなるという癖を持っています。

んで、とりあえずでストーリーを読んだところ、ジューダス卿があまりにも不憫すぎた上に誰も考察してないことにキレたので筆をとっております

まあ、ほぼ二次創作だと思って読んでもらえれば。約17,000字。ネタバレしまくり。

このストーリーが改修されて消えるとしたら、それはそれでもったいない。


ジューダス卿という男の物語

3章#3かつての英雄

まずはジューダス自身のストーリーを振り返っていこうと思う。なるべく引用しつつ、一次情報と個人の妄想の区別がつくようにはしていく。

ただしあらかじめ断っておくと、ジューダス自身の歴史は多く語られていない。なので、妄想と脱線もほどほどにある。


①旧黄金世代~到来した混沌での事件(十数年前)

5章#03-1英雄の片鱗

ジューダス(抜けている部分もあるが、憧れが崩れることはない。
銀色騎士団のクリスティアン卿と安息修道女会院長のダフネ様。今の聖戦十字会で最も有名な人物を挙げろと言われたら、この二人の名前が真っ先に出てくるだろう。
それぞれのお立場で、聖戦十字会の抱える問題を解決するために、傑出した貢献をされた。
さらに、以前から対立が根深かった銀色騎士団と安息修道女会との間での婚姻は、全世界の注目を浴びた。
将来有望な若者などと言われ、お二人と同じ黄金世代と呼ばれることもあるが…私には身に余る称号だ。)

5章#03-1英雄の片鱗

ジューダスの最も古い記述は、5章#03-1における会話だ。銀色騎士団のクリスティアン卿と安息修道女会院長のダフネ、ルーシェの父親であるファーストと共に、カオス「到来した混沌」探索中の一幕である。

ジューダスは当時はまだ若かったようで、広めに見て18~28歳あたりの年齢だと考えるのが妥当そうに思える。

クリスティアン卿とダフネの年齢は不明。ジューダスが2人と比較して"若者"と評されていることを考えると、40以上なのかもしれない。あるいは50代か60代。

で。大先輩の2人が40~60代だと仮定して、そこに20歳前後のジューダスを加えて「黄金世代」と称するのは、ちょっと無理があるように思う。

①聖戦十字会の大きな組織改革があり、それぞれの組織のトップとしてクリスティアン卿・ダフネ・ジューダスが選ばれて括られた説
②カオス浄化の英雄として突出した成果を上げていた上位3人を括った説
③当時対立していた聖皇庁・銀色騎士団・安息修道女会(修道院)の関係を改善するためのパフォーマンス説

この辺は色々と妄想の余地があるわけだけど、裏を返すと公式の説明が不足しているとも言える。脚本の人そこまで考えてないと思うよ、は禁句です


3章#3かつての英雄

まあ黄金世代はともかく、ジューダスが「神の拳」という異名を与えられるほど圧倒的な成果を上げていたことは間違いないだろう。

到来した混沌での事件が起こる時点では既に「十字卿」と呼ばれる役職(功績勲章?)に就いていることからも、相当な貢献をしていたであろうことがうかがえる。


ジューダス「少々、考え事を…。自分は、黄金世代と呼ばれるに足る人間なのだろうか…と」
ダフネ「おや、あなたがですか?ヘイブンの英雄、『神の拳』ジューダスではないですか。これ以上、何を望むのです」
ジューダス「その…『ヘイブンの英雄』までならともかく、『神の拳』というのは少々荷が重たく…

5章#03-1英雄の片鱗

英雄はいいけど神の拳はちょっと……というジューダスの何気ない台詞も、彼の信条を端的に表していると思う。彼はそのスタイルに反して、敬虔な神の信奉者である。

……と主張したいところだが!

そのような描写はほとんどない!例えば聖皇庁のお偉方の息子だとか、幼少期に神の奇跡を見たとか、戦争孤児の修道院育ちとか、そういう話は一切ない!

ジューダスの行動や思想は熱心な信徒と言うよりはむしろ、軍人のそれに近い。聖戦十字会、ヘイブンに命を捧げた男とも言える。

後述するけども、彼が狂気に取り憑かれたのは「終末の予言」を知ってしまったからだと考えられるからだ


5章#4予言された終末

実際、浄化の儀式が未遂に終わった際のジューダスの台詞は、まさしくヘイブン滅亡の予言を憂いたものだった。

手段の良し悪しは一旦おいといて、聖戦十字会とヘイブンの未来を守るため、最も行動を起こしていた人物であることに疑いの余地はないだろう。


ジューダス(私は、黄金世代を呼ばれるにはまだまだ相応しくない。だが同時に、黄金世代の名を冠する、彼らのような偉大な人物に出会うと、自らの内に決然とした意志が湧き上がってくるのだ。彼らの側で自らの責務を全うしていけば、この燃えるような、清らかな意志は永遠に消えることはないのだと…)

5章#03-1英雄の片鱗

これも作中でほとんど語られないことではあるものの、ジューダスはクリスティアン卿とダフネを心の底から信頼していたようだ。

後の彼の壊れっぷりを考えると、少なくとも師弟のような関係、もしかすると家族のようなものだったのかもしれない。単なる憧れだけではないように思う。

敬慕する英雄を失ったジューダスの心境やいかに。


1章#03-1ライフコア

早速余談だけども、事件発生時にはライフコアの身体復旧機能はまだ開発されていない可能性が高い。

事件は十数年前、復旧機能の追加は最近らしいので10年は経過していないだろう。

技術が追いついていればと思う一方、事件時にジューダスが使用した緊急帰還装置(初期のライフコア?)が試作機だったことを考えると、どのみち聖戦十字会への機器提供および技術提供はされてなかったかもしれない。

ライフコア、何がどう転んでも独占技術にしたいだろうしな帝国は。


②事件後の空白期間

3章#5あの日の話

ジューダス最大の謎と言っていい空白の期間だ。と同時に、最も妄想しがいのある期間でもある。


ルーシェ「ジューダス卿はしばらくの間、廃人のようになっていたらしい。そして再び姿を現したときには…カオスの浄化に執着する狂信者になっていた。アゼランテに接するときだけは以前のような姿を見せてくれたけど…最近ではその姿も少しずつ歪んできた気がするわ」

3章#5あの日の話

到来した混沌での事件から期間後、ジューダスは戦争PTSDのような状態に陥ったようだ。

それから少しの時間が経ち、以降はカオスの浄化に執心していたとのこと。なるほど。

まあそれはいいんだけど。なんで?

ううむ。はっきりしないけども、多分こうなんじゃねぇかな~?というストーリーには心当たりがある。

ジューダス「さあ、自分の口で言ってみろ、オルレア」
オルレア「……」
ジューダス「お前が見た終末…その始まりはこの場所のはずだ」
(中略)
ジューダス「聖徒に広まっていた終末の予言…全てが崩れたヘイブンの残骸と燃え盛る空…それらは全て、お前が見た夢から始まった噂じゃないか」
(中略)
ジューダス「お前が終末を予言した後、私はそれを止めるためにすべてを捧げた。いくつものカオスを浄化し続けた。数え切れない殉教者たちが、その生命で繋いできた道を駆け抜け、ここまでたどり着いたのだ」

 5章#4予言された終末
5章#4予言された終末

これまでのストーリーで全く接点がなかったにも関わらず、最終盤でいきなりジューダスに問い詰められるオルレア。

初見時は「???」ってなったもんだけど、これは仕方ない。終末の予言がそもそもストーリーでほぼ触れられないんだもん。

まあしかし、オルレアの終末の予言が彼をカオス浄化信者に至らせたのはほぼ間違いないんじゃないかと思う。

……と思いきや、だとすると時系列が変になる。オルレアがヘイブンにやってきたのは、ほんの数年前のことだからだ。


アゼランテ「今日は、8年前に三人で初めてティータイムをした日ではありませんか!」
ルーシェ「え!?そんなこと、普通は覚えてないわよ!」
オルレア「あら、びっくり…。私とルーシェの意見が合うなんて…ふふ。アゼランテは記憶力がいいのね~」
(中略)
ルーシェ「小さい頃は、ヘイブンの広場でよくかくれんぼをして遊んだっけ!懐かしいわね~!」
オルレア「う~ん?そうだったかな…?」
ルーシェ「あれ?その時、オルレアは一緒じゃなかったっけ?…あ!オルレアは、後からヘイブンの箱舟に来たから、その当時はいなかったのよね!」
アゼランテ「言われてみれば、オルレアは数年前にヘイブンへ来られたのでしたね

4章#02-1ああ、めんどくさい…

アゼランテの記憶力がいいとはなんだったのか。

8年前に三人でティータイムをしたけどオルレアがヘイブンに来たのは数年前という矛盾が出てきて更に「???」だけど、そこは想像力で補完しましょう。オルレアがヘイブン巡礼に来て8年前に出会ったんでしょ。知らんけどそういうことにしておこう。

話を戻しまして。つまり、オルレアが見た終末の予言がきっかけでジューダスが十数年前に豹変したとは考えづらいわけだ。

「浄化の儀式」のきっかけとして終末の予言が影にあった可能性はあるけども、彼が何故十数年前にカオス浄化狂信者になったのかは、結局謎だ。

この空白期間については後でたっぷり妄想するのでこの辺にしておこう。

ヘッドラインとしては「"失敗した"英雄の苦悩」ということで。後ほど。


③~浄化の儀式開始、阻止されるまで(現在)

1章#5迫りくる危険

時は一気に進んで現代へ。アルキアノン所属ナイトメア号艦長のファーストの物語。

ファーストインプレッションは、帝国所属(アルキアノン?)のルイス監査官の身柄引き渡しの要求。

交渉がこじれたとはいえ攻撃を仕掛けてくるほどなので、もう完全に暴走状態。ジューダス視点では、終末の予言を回避するために浄化の儀式をやり遂げるつもりでいるはず。

ここのポイントはやっぱり、ルイスの異端行為がなんだったのかに尽きる。

この後のストーリーの流れを考えると、ルイスが浄化の儀式の全容を掴んだと考えるのが妥当かなとは思う。この記事では、この点は深堀りしない。


3章#6浄化の儀式

一個引っかかるのは、ジューダスが言う「異端」がなんなのかってとこ。

まあ面白くない解釈をするなら、敵対者や都合の悪い相手全般に信者を差し向ける便利な言葉だからって話なんだけど。

ジューダス信者は何にすがったんだろう?終末の予言の噂を信じ、その救済としての偶像を、かつての英雄に見出したんだろうか?


レノア「ヘイブンの人たちも、あの事件については知らないみたい。おそらく隠蔽されたんでしょうね」
ミカ「世代ごとの評判もかなり違ってましたね」
レイ「若い人たちなんか、都市伝説扱いしてましたよ~?」
オーウェン「実際僕たちが見た姿も、あまりいい印象ではなかったですよね」
レノア「でも、昔は確かに英雄だったみたい。年配の人は、彼の話をするとき目を輝かせていたしね

3章#3かつての英雄

信者たちが具体的にどういう人物なのかは当然描かれないけど、3章#6,7では信者たちのボイスが入ってまして。3~5人の担当があるっぽくて、このボイス若い人の声少ないんだよね。総じて40~80代くらいの雰囲気。

やはり年配の人たちにとって、彼は英雄のままなんだろう。事件が隠蔽されているからね。

しかし一方で、憧れの人物を救えなかった後悔と、事件を知らない民衆の称賛の乖離が、ジューダスの心を酷く苛んだであろうことは想像に難くない。


3章#6浄化の儀式

話を「浄化の儀式」に戻しまして。儀式の内容は、生贄を捧げることでカオスが浄化されるという単純なもの。

ルーシェやアゼランテは浄化の儀式を「殺人」と称し、ジューダスを止めるためにアレコレ行動することになっていく。

作中では語られてないけど、浄化の儀式の肝は神の奇跡ではなく、カオスのコア・要所を人間という餌でおびき寄せて潰すという、わりと物理的な手法だったんじゃないかな~?と思ってる。

そこに神が介在する理由を感じない。オッカムの剃刀。

実際、3章#6では生贄に捧げられた少女がモンスターに成り代わり、それが討たれたことでカオスが浄化されているわけで。

本当に神の奇跡、ディアロスの救いがあるのなら、わざわざモンスター化せんでしょう。

あるいは、ディアロスこそが混沌なのかもしれない。おお、異端異端。


5章#4予言された終末

なんやかんやあり、2度目の浄化の儀式を阻止しに向かう艦長たち。

ジューダスは浄化の儀式を告発され投獄、聖皇の命に背いて脱獄した後の儀式である。ジューダスが所属する聖皇庁や狂信者が手引をしたと考えられ、やっていることは正規軍ではなく完全な賊軍と言える。

ジューダスは妨害が入ることを予見しており、大規模な衝突に入る。しかし結局、浄化の儀式は始まってしまう。

他でもない、ジューダス自身の命を生贄に


5章#4予言された終末

主人公らに討たれたジューダスは、失意の中でアゼランテに抱かれ息を引き取る。

彼が死に際に見たクリスティアン卿とダフネは、カオス障害が見せた甘い走馬灯だったのか、娘たるアゼランテにその姿を重ねたからなのか。


5章#5エピローグ

それにしてもね。崇高なる犠牲、ですか。浄化の儀式で死んでいった信徒たちの犠牲と、何が違ったんでしょうね。

そんなわけで、終盤駆け足になりましたがジューダスのストーリーを、僕の考察と脱線とを混ぜてざっくり振り返っていきました。

ここから先は二次創作密度が上昇していくけど、もうしばらくお付き合いいただきたく。僕が話したいのはここからなので。


「失敗した」英雄の苦悩

誰にも赦されなかった英雄

5章#4予言された終末

何故僕がこの記事を、ジューダス卿をフォーカスしようと思ったか。それは5章#4のとあるシーンに違和感を覚えたからだ。

状況としては、「浄化の儀式」の秘技が暴かれたジューダス卿が、自らの命を犠牲に神の力(?)を自身に降ろし、ファーストらに討たれた直後。

アゼランテはジューダス卿を赦し、なんだかんだ「終末の予言」は防がれた……かな~?というシーンである。

これ、そんなにいい結末か?

ジューダスは死ぬ最後、アゼランテに赦しを得たけど。

その赦しこそが、ジューダス卿が十数年ずっと求めていたものなんじゃないか?

何故、もっと早くに彼を休ませてやれなかったのか?


3章#5あの日の話

到来した混沌での事件と、その状況を思い出してほしい。

恐らく英雄として崇められてたであろう、銀色騎士団のクリスティアン卿と安息修道女会院長のダフネが死に、唯一の生還者は新進気鋭の若造だけ。

この退廃した世界でこんな事件が起きたら、クリスティアン卿とダフネ様を見殺しにした男として、民衆からも政府からも詰問されるはずなのだ

しかしこの事件は、ほとんど知られていない。

偉大な2人の英雄の死が当時どう表現されたかは不明だが、きっと勇壮な死として叙事詩に刻まれたことだろう。

だからこそ、ジューダスは現代でも英雄として語られ続けているわけで。


3章#5あの日の話

当然ながら、ジューダス自身がその事件を語ることも許されなかったはずだ。

この事件を知る人物は、作中ではルーシェとアゼランテしかいない。

バツが悪いのは、ルーシェとアゼランテの両親は、ジューダスが同行していた任務でどちらも亡くなっていることだ。

ルーシェとアゼランテはどちらも、かつての英雄ジューダス卿を恨んでる様子はない。けど、それはそれで無理な話だ。恨みがないわけがない

どうして助けなかったんだ、どうして1人で帰ってきたんだ、どうしてお前だけが生き残ったんだと……思わないわけがない。

もし本当にジューダス卿を恨んでいないのだとしたら、手遅れになる前にかつての英雄を赦すべきだった。

彼はヘイブンの英雄であり、武器であり宝なのだから。

しかし、ルーシェやアゼランテがジューダスを赦せたかと言われれば、それも無理な話だ。

ルーシェは特に辛かっただろう。十歳も二十歳も年上のヘイブンの英雄たる十字卿が、憧れの人物が崩壊し変貌した姿を見て、果たして真摯に声を掛けられただろうか?


3章07-1犠牲という名の悲劇

ジューダスは結局誰からも赦されず、責められることすらなかった。

であれば、彼が神に救いを求めるようになったのも、決しておかしな話ではないのかもしれない。


アゼランテは"賢い"のか

第3章#あの日の話

ジューダスの空白期間について、もう少し妄想してみたい。

彼が崩壊しながらも十数年今まで生き長らえてきた原動力は、どこにあったのだろうか。

ルーシェが言う「カオスの浄化に狂った」というのは正しいのだろうけど、何故なのかは明らかになっていない。

ここでは、ジューダスが託されたものを考えたい。

クリスティアン「ジューダス…ヘイブンには、君が必要だ…ゴホッ。君のような、強い戦士が…
ジューダス「弱音を吐かないでください!お二人とも一緒に帰還するんです」
(中略)
ダフネ「もう終わったんです…私たちが生きて帰ることはできないでしょう…」
ジューダス「いけません、ダフネ様。しっかりしてください!」
クリスティアン「っく…ジューダス…どうか君だけでも、生きてくれ…だから早く…!」
(中略)
クリスティアン「ジューダス…アゼランテを…頼む

第3章#あの日の話

クリスティアン卿は死の間際、ジューダスに二つの願いを託している。ヘイブンのための強い戦士であること、アゼランテの後見人であること。

これをジューダス本人が克明に覚えていたかは分からないが、僕は救いのある話が好きなので、そういう方向で考えたい。

ジューダスは別に悪人ではなく、根っこはむしろ善人であり強靭な人物だ。致命的な失敗から自身の存在意義を失いつつも、クリスティアン卿の"呪い"を受け、そこに生きる理由を見出したんじゃなかろうか。


第3章#あの日の話

実際のところ、ルーシェから見てもアゼランテの側にいるときのジューダスはわりと正気だったようだ。

強い戦士というのも解釈次第だが、ヘイブンの脅威を排除することを第一とするのであれば、カオスの浄化に執心しても不思議ではない。

でだ。僕はもうすっかりジューダス卿の肩を持つ側の人間になってしまっているので、とても気にしていることがある。


第3章#4聖皇の剣

アゼランテ……お前はこの十数年、何をしてたんだ?

言葉を選ばずに言うなら、アゼランテが聖皇として力不足だったことが、第二の悲劇(浄化の儀式)を引き起こしたんじゃないか?

考えてもみてほしい。到来した混沌での事件が隠蔽されたとはいえ、クリスティアン卿とダフネが聖戦十字会から消えてしまったこと自体は隠せないはずだ。

二人が十字卿だったのかは分からないけど、少なくとも黄金世代として讃えられていたことは事実だ。

ルーシェの父も実力と立場は不明だが、英雄たちの先導を任される程度には信頼と実績のある人物であったはずだ。

おまけに、唯一の生存者であるジューダス卿も廃人になってしまった。つまり聖戦十字会は一瞬にして三人の英雄、黄金世代を失ったことになる

国内に混乱が起こらないわけがない。

まあ、アゼランテは賢いからね。

で、何してたん?


時系列とアゼランテの年齢の謎

5章#05-1聖皇アゼランテⅠ

事件当時こそ、まだアゼランテが幼かった可能性はあるだろう。

結果として正しい判断を行えなかったのかもしれないし、ジューダスを大いに憎んだかもしれない。

なのでまず、アゼランテの年齢と聖皇に就任した時期を考えたい。

これは、アゼランテが聖皇になる前のこと…アゼランテは幼いながらも神の力を発言させ、最年少の聖皇候補に選ばれていた。
(中略)
ジューダス「ダフネ様とクリスティアン卿は現在ファーストと共にカオスで任務中であり、聖皇猊下も伏せられている…」
(中略)
ジューダス「それでは、私も最善を尽くしてお守りいたします。それに…アゼランテ様が擦り傷一つでも負おうものなら、私はクリスティアン卿に袋叩きにされてしまいますからね
アゼランテ「ふふっ…ありがとうございます、ジューダス卿」

5章#05-1聖皇アゼランテⅠ

その光景を目にした者の中に、少女が時期聖皇となることに疑いを抱くものはいなかった。数日後、現聖皇は体調が戻らずにその座を退き、療養に入った。その後を継いだアゼランテの即位は、迅速に行われた
(中略)
こうして少女は、皆からの崇敬を受けて聖皇となり、ジューダスは、この一件により十字卿の座に就いた。

5章#05-2聖皇アゼランテⅡ

5章#05-1,2によれば、アゼランテが聖皇に就任したのは到来した混沌の事件発生前なのだ

亡くなったクリスティアン卿に顔向けできない、という意味でジューダスが発言した可能性もゼロではないけども、そんな冗談を言えるほどの精神状態だったかと考えると、どうだろうな。

アゼランテは当時最年少の次期聖皇候補だったようで。まあ流石に一桁ってことはないよね?10歳くらいだとしておきましょう。まだお尻が青かったかもしれない。

だとするなら、浄化の儀式事件の時期には20代前半と考えてよさそうだ。

うーむ。一国のリーダーとしてはあまりにも若すぎるけど、いうて就任から十数年は聖皇としての執務をこなしてるわけだからなあ。かといって傀儡政権のような雰囲気はないし。

"賢い"ならなおさら、どうにかならんかったかなと思わずにはいられない。

かと思えば、こんな記述もある

ジューダス「アゼランテ様は、聖皇猊下とお遊びになるのが本当にお好きですね。お二人の後について猊下にお会いすることが多いので、自然と猊下に憧れるようになったのでしょう」
ダフネ「それは良いことです。アゼランテが聖皇に選出されたら、クリスティアンがあちこちを自慢して回るんじゃないかと、今から心配ではありますが…。けれど…『神の拳』が一緒ならば、あり得ない話ではありませんね。ふふっ」
(中略)
ジューダス「ところで…」
ダフネ「どうかしましたか?」
ジューダス「ファーストが見当たりませんね」
ダフネ「あら本当ね…、ルーシェのお父上は、ファーストだというのに、どうしてこう一人でふらふらと行ってしまうのでしょう」
ジューダス「嵐が吹き荒れる前に合流しなければなりません。行きましょう、ダフネ様」
(中略)
ジューダス(これから何が起こるのかも知らずに、そんな無価値な信念を抱いていた…)

5章#03-1英雄の片鱗

到来した混沌の事件発生"直前"のやり取りだと思われる。

アゼランテ聖皇になってるの?なってないの!?どっちなーーーーんだいっ!

っていうかジューダスの口ぶりからして、アゼランテまだ結構幼いよな?前任の聖皇猊下もまだ元気にしてるっぽいし。

どういうことだよ!!

更に更に、こんな発言まである。

5章#05-1聖皇アゼランテⅠ
4章#02-1ああ、めんどくさい…

おいオルレア!!!数年前にヘイブンに来たはずなのに、なんで十数年前にアゼランテが聖皇になった時期に安息修道女会に所属してんねん!!

しかもこの関係性で8年前に初めてのティータイムをしたってどういうことだよ!お前ら本当はそんなに仲良くないのか!?

はあ。真面目に考察しようと考えてた自分がバカに思えてきた

「巡礼でやってきたオルレアと8年前に偶然出会ったんじゃない?」って擁護した僕の気持ちを考えてほしい。

そりゃ聖戦十字会の拠点がヘイブンだけって確定してるわけじゃないし、別の箱舟からヘイブンに移住してきただけなのかもしれないけどさ。

オーウェンNTRだとか艦長軽視とか言ってる場合じゃないよ。

物語以前に世界が構築されてないじゃねーか。そらストーリー叩かれるわ。


第1章#5迫りくる危険

い、イレイン博士……!やはり天才……ッ!

僕もそういう前提でいきます!


新黄金世代

4章#1決意の行方

ジューダス卿を救えなかったのはアゼランテの能力不足である、というのが僕の現時点での意見。

アゼランテ個人としても、聖皇としても、問題がある対応だったんじゃないかと思ってる。

時系列がめちゃくちゃだからこれ以上考えても意味ない気もするが、ここでは「オルレアがヘイブンに来たのは数年前」「アゼランテは十数年前に聖皇に就任し、現在は20代前半の人物」ということにする。

細かい矛盾は、カオスによって歪んだ時間軸という前提でいく。サンキューイレイン。

で、ここでは聖皇としてどうだったのかということを考えたい。

僕の論旨は、アゼランテはヘイブンの聖皇という立場として、英雄ジューダスを保護すべきだったということ。


第3章#4聖皇の剣

まずに気になるのは「新黄金世代」について。黄金世代は、実は作中では2種類ある。

クリスティアン卿・ダフネ・ジューダスの3人からなる、十数年前の黄金世代。

アゼランテ・ルーシェ・オルレアの3人からなる新黄金世代。

まあ新陳代謝があって素晴らしいことではあるんですけど。

なんで新黄金世代にジューダス卿が入ってないの?

黄金世代はあくまで俗称だと思われる。マスコミなんかが勝手に名付けるんだろうけど、だとしたらジューダス卿を入れないのは妙だ。

何故なら、民衆はジューダス卿のスキャンダルを知らないからだ。圧倒的な戦果を上げ続ける無敵の戦士として見られていたはずなのだ。

にも関わらず、何故かピチピチ3人娘を一括りにして新黄金世代が誕生している。

なんで……いやそっちのほうがウケそうではあるけど

様子がおかしいメカクレのおっさんを若い女の子の隣に置くなという過激ファンクラブがあったのかもしれない。う~む。


4章#2怠惰な預言者

……オルレア様が新黄金世代で異論ないです!

いやここで納得してしまうと話が終わるのでポジショントークを続けよう。

少なくともオルレアではないだろう。新参者がよッ、そのスケベボディを片付けろ!

いや冷静に、ジューダス・ルーシェ・アゼランテでええやないですか。

かつてクリスティアン卿とダフネに憧れた、新進気鋭のジューダス。ジューダス卿に憧れたルーシェと、聖皇就任と後見人とで縁あるアゼランテ。

黄金世代はヘイブンの英雄として次世代に継承されていく。いい話じゃないですか。


4章#2怠惰な預言者

けど、黄金世代は継承されなかった。

ご存知の通り事件後のジューダス卿はもう壊れているので、ヘイブンの英雄としては不適切な人物になっていたのかなと思う。

その後英雄不在の時期が十数年続き、しばらくはアゼランテの†神の力†による圧倒的なカリスマでヘイブンの調和が保たれていたんだろう。

黄金世代というヒーローが求められない時代だったのかもしれない。

でよ。オルレアが数年前にヘイブンにやってきて、いつの間にか新黄金世代と呼ばれるようになってさ。

最早一人だけになってしまった、かつて黄金世代と称されたジューダスは、何を思っただろうね。


ジューダス卿の使命

第3章#あの日の話

ジューダスが崩壊しつつも十数年拳を振るえた理由は、ヘイブンのための強い戦士であること、そしてアゼランテを守ることが自身の生きる価値である、と思考を切り替えたからだ。先述のとおりである。

しかし今のヘイブンはどうか。ジューダス卿を頼りにする人物が、果たしてどれだけいるだろう

アゼランテはすっかり大人になり、大層な事件も(恐らく)なく、気の知れた仲と共に新黄金世代と呼ばれるまでになった。

英雄が求められない時代を経て、ライフコアも改良され、誰にも称賛されず誰にも同情されず。かつてクリスティアン卿が願った強い戦士は、もう必要ない時代になったのかもしれない。

であれば、ジューダス卿が今を生きる意味は一体どこに残されているのか。


第3章#5浄化の儀式

「浄化の儀式」は、"少し前から"始まったこと、ジューダスがアゼランテに対しても"最近"様子がおかしいこと。

もしこの時期が、終末の予言と新黄金世代が生まれた数年以内のことを指しているのであれば、彼の変化にも頷けるのではないだろうか。


ルーシェ「ジューダス卿が、浄化の儀式を行うために動くらしいわ」
レノア「浄化の儀式?」
ルーシェ「少し前から始まった儀式なんだけどね。分かっているのは、カオスのコアを最も確実に消せる儀式だということだけ。儀式のあとにはジューダス卿を除いて、参加したメンバー全員が崩壊状態で帰還するそうだから…その詳細については誰も知らないわ」

第3章#5浄化の儀式

ジューダスは崩壊しないわけではない。

既に壊れているのだ。

それが十数年前の「あの日」だったのか、ここ数年内の出来事だったのか、そこまでは分からない。

ともかく、崩壊したジューダスを駆動していた使命が消えた今、彼の次の行動が浄化の儀式だったのは、ある意味必然だったのかもしれない。


第3章#6生贄

浄化の儀式は、端的に言えば人の命と引き換えにカオスを浄化する†神の力†である。神がそんなこと望むかよと思わなくもないが、一旦飲み込もう。

振り返ってみると、ジューダスは最初から、自分自身を浄化の儀式の生贄にするつもりだったのかもしれない。

何故って?

クリスティアン卿の"呪い"が解けてしまい、もう生きる価値のない命になったから

ジューダスは恐らく、自分の命の価値を自分で勝手に決めてしまった。

いや、既にジューダスは死んでいたんだろう。十数年前の事件で、揺らぐことのない幻想の決意と共に死んだ。


3章#07-1犠牲という名の悲劇

そのことは3章#07-1において、「生きている意味がない」と自分を呪う少女との対話の中で、メタファーとして描かれている。

3章#7で生贄となった少女は、まさしくジューダスの心境を映している。


ジューダス「貴方は、自分の弱い体を憎んでいると言ったな。その憎しみから解放されたくば、強靭な身体でもって自分の価値を証明するのだ」

3章#07-1犠牲という名の悲劇

生きている意味がない、生き長らえることもできない、皆に迷惑を掛けている、自分が憎い、恨めしい……そんな自分の唯一の価値は、生贄としてカオスを浄化すること。

少女もまた、自分の命の価値を自分で勝手に決めてしまった。


第3章#5浄化の儀式

浄化の儀式が行われたのは、一度や二度ではないだろう。

しかし病弱な少女を殺したその瞬間、ジューダス卿はまさしく自分の最期を覚悟したに違いない

その後、ジューダス卿は自身をも生贄に捧げた。

彼の死は終末の予言の筋書き通りだったのか、新黄金世代によって阻まれたのか、そこまでは分からない。

しかし使命を失ったジューダスにとって、生贄としてカオスを浄化することは、自分の命の使い道として魅力的に映ったことだろう。


5章#4予言された終末

ルーシェ「こんな方法で止めたら…!終末と何が違うというの!!」
ジューダス「……浄化のために命を捧げることが。本当に終末と変わらないというのか。なら…お前の父親は、何故死んだのだ」
ルーシェ「…!!」
ジューダス「もう一度聞こう。本当にこれが終末と同じだと思うのか」
ルーシェ「……」
ジューダス「彼らは、なぜここで息絶えなければならなかったというのだ!!!」

5章#4予言された終末

一見するとアツいシーンだけども、ルーシェの発言はかなり残酷だ。

ジューダスが失意の中で価値を見出した自身の半生とこれからを、真正面から否定している。このシーンは彼の感情が最も表に出てくるのだが、それも納得だ。

ジューダス卿は十数年前の事件以来、「意味ある死」について思い詰めていたんだろうな。

ただ結局、「彼らはなぜここで息絶えなければならなかったのか」に対する答えは自分で出せなかったんだろう。

合理化できずに抱えていた苦悩を「終末と同じ」と冷たく切り捨てられては、ジューダスも血が逆流する思いだったろうよ。

作中で一切明言はされてないけども、ジューダスはルーシェに敗北する未来を見ていたのかもしれない。実際、ヘイブンで一対一の戦いになったときにジューダスは負けている。

そう考えるとやはり、古い英雄の役目は終わったということを表現していたと解釈してもいいんじゃなかろうか。


艦長「ジューダス卿、命を犠牲にしてカオスを浄化するなど論外です!」
ジューダス「カオスの浄化のために人工的に作られたファーストがそんなことを言うとは。それこそ言語道断ではないか?」
艦長「それは…」
ジューダス「異端を庇ったとはいえ、カオスの浄化に対する気持ちは私と一緒だと思っていたのだが。どうやら違ったようだな。アルキアノンのファーストよ。ヘイブンのため、人類のため、数え切れぬヘイブンのファーストが命を落とした。彼らのことを考えてみろ、ルーシェ」

4章#1決意の行方

また、艦長も同様の問いかけをジューダスにはしている。しかしジューダスの答えは一貫している。

カオス浄化のために事故で死ぬことと、自ら死ぬことの何が違う?


5章#4予言された終末

結局のところ、ジューダスが何を思い自身を生贄に捧げたのか、真実は誰にもわからない。

神の力を降ろしカオス絶対殺すマンとして新たな生を受けようとしたのか、自身が討たれることでカオスを完全浄化できると考えたのか。

「死を選ぶ権利を奪うことがそんなに誇らしいのか」

浄化の儀式をもって自身の命に価値を見出そうとしたジューダスにとって、艦長やルーシェの主張は受け入れがたかったことだろう。


誰も頼れなかった英雄の末路

政治、対立、隠蔽

3章#2聖皇からの招待

到来した混沌事件、浄化の儀式事件は、結局何が悪かったんだろう?

僕らはついスケープゴートを探しがちだけども、実際のところ、それぞれの事件に真の悪人はいなかったように思う。

だけど、僕はヘイブンの顛末における悪者を見つけたい。

先に結論(?)を言わせてもらう。僕は、聖戦十字会の内部対立と隠蔽体質が悲劇の中核にあったんじゃないかなと思ってる

超絶今更ながら、「聖戦十字会」という国にはいくつかの機関がある。

ストーリーで登場するだけでも、政府に相当する「聖皇庁」、軍事権を持つ「銀色騎士団」、宗教儀礼や教育などを司っているであろう「安息修道女会(修道院)」といった機関が登場する。

概念としては、功績勲章としての「十字卿」、権威を示すため?の肩書「大司祭」、黄金世代の後代発掘のための「聖皇候補精度」などなど。

まあぶっちゃけこの辺の設定はカケラが出ているだけで、別に世界に深みを与えてくれているわけではない。

そんな中で出てくるのが、各機関の対立関係だ。

ジューダス(銀色騎士団のクリスティアン卿と安息修道女会院長のダフネ様。今の聖戦十字会で最も有名な人物を挙げろと言われたら、この二人の名前が真っ先に出てくるだろう。
それぞれのお立場で、聖戦十字会の抱える問題を解決するために、傑出した貢献をされた。
さらに、以前から対立が根深かった銀色騎士団と安息修道女会との間での婚姻は、全世界の注目を浴びた

5章#03-1英雄の片鱗

レノア「何かあったようね。シスター達と喧嘩でもしたわけ?」
ルーシェ「…それならまだいいわよ!やられるだけやられて、こっちはやり返すこともできないなんて。安息修道女会は修道院の一部に過ぎないし、修道院長は十字卿の一人なのよ。一介の大司祭に過ぎない私が喧嘩なんて売ってしまったら、銀色騎士団の信頼が奈落のどん底よ!」
(中略)
ルーシェ「聖戦十字会、特に修道院にとっては重要な惑星だから、私たちが危険を冒してまでモンスターの巣窟に入っていくのよ。騎士団は皆、自分の任務に誇りを持って臨んでいるわ!それなのに、いつからか修道院の連中は、それをさも当然かのように振る舞い始めて、感謝の一言もなく、あれやこれやと要求してきて…!

3章#05-2たった一人のための剣

アゼランテ「ところで、お二人は最近いかがですか?何か大変なことはありませんか?」
オルレア「私は…まあ、見ての通り修道院に閉じ込められている身だからね~」
(中略)
ルーシェ「私も、まあ変わりはないわ。任務に向かって、全部やっつけて…また任務に向かって…その繰り返し。アゼランテはどうなの?何か大変なことはない?」
アゼランテ「…私もまあ…同じようなものです」

2章#02-1ああ、めんどくさい…
2章#02-1ああ、めんどくさい…

……キミら本当に仲いいんだよね!?何この探り合いみたいな会話。

聖戦十字教会は一枚岩ではない。それぞれの機関の目的や思惑があり、ときに足の引っ張り合いをすることもあるだろう。

だからこそ、黄金世代は機関を横断した人物を選び構成されているのだ。私たち仲いいですよ、っていうパフォーマンスだったとしても。


艦長「聖皇はどこまで知っている?」
ルーシェ「アゼランテに話を伝えたのはジューダス卿だったけど、おそらく自分だけが生き残って申し訳ないとしか言ってないはずよ。ジューダス卿も自分がどうやって生還したのか、詳しい経緯は覚えてなかったからね」

3章#5あの日の話

アゼランテ「お疲れ様です。そこまで努力しても噂が広がるのを止められなかったのですね…」
(中略)
アゼランテ「ジューダス卿が悪夢を防ぐ選ばれし者だという噂がどこから始まったのか…それについても確認してください。そしてこの件については他の人たちも…できるだけ口を閉ざすようにしてください

4章#1決意の行方

オルレア「結局そうなっちゃったんだね。不敬な未来を見たって、私を修道院に閉じ込めておいて…」

4章#2怠惰な預言者

到来した混沌の事件、悪夢を防ぐ選ばれし者という噂、終末の予言。

情報統制自体はまあいいと思うんだけど、すごいのはこれ、アゼランテ・ルーシェ・オルレアの新黄金世代の間ですら致命的な情報の非対称性が出てること。

キミら本当に仲いいんだよね?(2回目)


3章#05-2たった一人のための剣

要は、ヘイブンは内政がガッタガタなんだろう。

国の中核を成す機関で情報共有もされなければ、連携もそんなに取れていない。

為政者としての自覚がない実力不足の娘っ子3人が、それらしい立場に座ってるだけ。

理性ある大人が全然出てこないんですよヘイブンは。大人としての役目を期待されるはずだったジューダスは、既に死んでしまった。

そう思うと、クリスティアン卿とダフネは大人だった。国内での対立を避けるための婚姻に政治的な意図がもしあったなら、彼らの努力は全く後世に受け継がれていない

かつての英雄たちが死んだという事実は、当時それぞれの機関に大きな溝を再び作ったに違いない。

そんな状況では、ジューダス卿も頼るべき人物を探したくも探せなかっただろう。

だからこそ問題を解消できたのは、クリスティアン卿とダフネの娘であり、聖皇であるアゼランテであったはずなのだ。

ヘイブンの未来は暗い。ジューダス卿の暴走を止めてハッピーエンドでは、決してない。ヘイブンの英雄は、真の意味で死んだのだ。


ジューダス卿に必要だったもの

第3章#5浄化の儀式

色々と脱線してきたので、最期に僕の主張をまとめる。

繰り返しになるけども、ジューダス卿に本当に必要だったのは「他者からの赦し」だったと思う

ジューダス卿は自身のトラウマを誰に話すこともできず、寄り添う人もなく、それでも自分を赦してくれる存在を追い求めていたんだろう。

それが神であり、終末の阻止であった。

英雄と呼ばれながら仲間を守れなかった"価値のない自分の命"を"価値ある命"として捧げることに、彼は赦しを見出したんじゃないかと思う。

箝口令が敷かれていた状況を考えれば、アゼランテかルーシェのどちらかがその役目を担うべきだった。

アゼランテがジューダス卿に寄り添い、「あの日のことを教えてください」と根気強く訊けば、彼も頭を垂れたかもしれない。

ルーシェが「ジューダス卿の側で任務にあたりたい」と根気強く主張していれば、もしかしたら第二の悲劇は起こらなかったかもしれない。


4章#01決意の行方

どちらも難しいことなのは承知している。

今回は深堀りしなかったけども、彼女たちには彼女たちなりの遺恨があるはずで、しかしそれを乗り越える勇気を出せず、ついに浄化の儀式は始まってしまった。

もしくは、ジューダス卿が弱音を吐ける凡人であればよかったのかもしれない。

彼が「赦してくれ」だけでも言えれば、時間が掛かったとしても、アゼランテもルーシェも決して無下にはしなかっただろう。

しかし彼は最期まで、いや死してなおヘイブンの英雄だった。

偶像としての英雄の影が、彼を過去に縛り付けてしまったのかもしれない。


帝国はすごい(おまけ)

2章#05-1エピオネセンター

ヘイブンを巻き込んだジューダス卿の事件について語った後、ふと思い出したので。

そう考えると帝国ってすげーよな、っていう話。


レノア「いい?ベリル。アイアンレインとは違ってね、帝国では、艦船に所属する要員たちの情報に、ファーストがアクセスできるようになっているの。その情報の中には…『トラウマコード』というものが含まれているわ」
(中略)
レノア「帝国では、ファーストと要員の感情的な結び付きを重要視しているの。要員たちの精神が不安定になるカオスで、ファーストが要員を効率的に導くため、要員たちは、誰もが隠したがる、内面の最も弱い部分…『トラウマ』を登録しているの」
(中略)
艦長「久しぶりに『昔の』レノアに会いに行かないと」
レノア「ダメ…!艦長!業務がどれだけ溜まっているか分かってるの?み…見られたくないわけじゃない…けど…!」

2章#05-1エピオネセンター

艦長とレノアの乳繰り合いはおいといて、聖戦十字会に真に足りなかったものがこれなんじゃない?って思った。

感情的な結び付き。腹を割って話すこと、充分な対話、相互理解。

聖戦十字会にも、精神的な治療手段はないわけではないだろう。

ただ彼らの国のことを考えると、精神的なケアは神に依存したのではないかなとも思う。そうでなきゃ告解室なんか作らんわな。

ファーストを生産してる、非人道的とも言えるドライな体制を考えると「感情の繋がり(笑)」と思わなくもないが。

まあ逆にドライだからこそ、感情という変数を素直に受け入れていかに制御するかを純粋に追い求めていったのかも。

帝国の力って、すげー!

よし、上手くオチたな。多分。


おわりに

ストーリーで一番好きなシーン

ということで、ジューダス卿に関する妄想おわり。

当初は「このライフコアってご都合無敵アイテムすぎるけどなんなの?」ってのを解剖しようと思ったんだけど、思ってた以上に深堀りされてなかったのでやめた。

とはいえストーリーの変更が公式で発表されてる状況で、それはそれとして今のストーリーが消えちゃうのは寂しいよなと思い。

で、ジューダス卿にフォーカスして書いてみた次第。

関係ないキャラのサブストーリー書いてる暇あるなら、もっとジューダス卿の心情描写丁寧にやれや……!

ジューダス卿の行動原理に説得力が出ないと、ルーシェとアゼランテも自動的にポンコツになっちまうだろうが……!


参考

ジューダス卿に捧ぐ。


カオスゼロの悪夢/論争と事件

恐ろしいwiki。これだけ叩いてるのに、ヘイブンのストーリーの矛盾点に対する批判がないのはなんなの?みんな興味ないのか?


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