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40歳を過ぎてからエージェント経由で転職を決めたことが一度もない理由

Xだけでなく、Threadsでたまに投稿をしているのだが、35歳転職限界説を信じている人がThreads民には多いようだったので改めて実態について整理してみた。


35歳転職限界説の実態

35歳を過ぎると仕事がないという「35歳転職限界説」は、昭和から平成初期の労働慣行に由来するもの。

昭和の頃は、新卒で入社し、定年まで勤め上げるのが一般的であった。

35歳を超えると、定年までに昇進・昇給する人が少なくなり、組織にとって使いにくい存在と見なされ、書類選考で機械的に落とされる時代があった。

しかし、現在の労働市場は当時とは大きく異なる。

マイナビ転職動向調査2025年版の調査

2024年の正社員転職率は、20代男性が前年比-0.2ポイント、20代女性が-1.4ポイントと減少しているのに対し、40代男性は+0.3ポイント、40代女性は+0.9ポイント、50代女性は+0.5ポイントと増加している。

さらに、転職による年収増加額は40代男性が34.4万円で全年代で最大となっており、マイナビ自身も、この調査結果から従来の35歳転職限界説が解消されつつあると記述している。

厚生労働省の雇用動向調査

35歳から39歳で転職して収入が増えた人は38%、うち1割以上の増加は23.7%に上る。

35歳から39歳の転職者の7割以上が前職以上の収入を確保していることも明らかになっている。

リクルートワークス研究所のデータ

では、男性においては35歳前後で転職に差が見られ、35歳を超えると転職しにくくなる傾向が検出されたという報告もある。

しかし、女性については35歳前後で差が見られず、賃金変化も改善傾向にあり、女性を中心に35歳転職限界説が崩壊し、良質な労働移動が起きているという結論も出ている。男性側については、なぜそのような傾向が見られるのかまでは断定できていないのが学術的な見解だ。

構造的な追い風

労働人口は2015年から2030年にかけて約800万人減少する見込みである。

また、2025年4月に高年齢者雇用安定法が改正され、企業は65歳までの雇用確保が義務付けられている。

人材紹介大手3社の36歳以上の紹介シェアは、2012年度上期の時点で18.8%であった。また、ビズリーチが2018年に中途採用担当経験者400人に対して実施したアンケート調査では、中途採用担当者の95.8%が30代、79%が40代、39%が50代を募集対象としているという結果も出ている。

35歳以上の転職でうまくいく人、うまくいかない人

ただし、無条件で誰でも35歳以上で転職できるわけではない。

35歳以上で未経験分野に挑戦する場合、企業は教育コストを負担しにくいという問題がある。また、20代のようなポテンシャル採用は35歳頃で終了するため、過去の実績、スキル、実務経験がそのまま評価対象となる。

さらに、35歳以上になると年収・労働環境・安定性に対する希望水準が上がるため、応募側は求人が自分の条件に合わないと感じやすい傾向がある。

業界によっては、伝統的に一部大企業の総合職など、35歳以上の人材を受け入れにくい領域も依然として存在する。

一方で、35歳以上の転職自体は一般的になったものの、入社後に活躍できない人が増えているという指摘もある。

その原因は、本人のスキル不足ではなく、前職の常識を持ち込んでしまうことや、新しい環境への適応の遅れ、プライドのコントロールの失敗などが挙げられる。つまり、「採用してもらえるか」から「採用された後に馴染めるか」へと問題のシフトが起きている。

結論として、「35歳を過ぎると仕事がない」というのは、すでに30年前の古い慣習に基づいたもの。データ上、転職のボリュームゾーンは35歳以上に移っており、40代男性の年収増加額が全年代でトップという現象も起きている。

ただし、35歳以上の未経験職種への参入や入社後の適応という観点では、依然として壁が存在するのも実態である。

この点は、35歳以上が採用されないというよりも、採用された後に別の要因で馴染めない可能性があると考えられる。

【参照】

35歳以上で10回転職をした俺

35歳を過ぎてから、俺は転職を10回ほどした。

他の記事でも書いている通り、英語の勉強自体を開始したのが35歳の時で、実際に英語を実務で使えるようになったと感じるようになったのは、だいたい39歳から40歳くらいのタイミングだ。

前項の調査結果が示していることは概ね当たっているが、外資ITに関して俺個人の所感についても最後に述べておきたい。

外資ITの転職事情

まず35歳以上で企業に転職できるかできないかという点だが、外資ITにおいて、年齢が理由で転職が難しいと感じたことは正直なところ一度もない。俺の周りでも35歳以上で転職している人は多数いるし、むしろ50歳を過ぎてからも転職している人は頻繁に見かける。

もちろんこれはロールやジョブレベルに応じて変わるところもある。

例えば、IC(Individual Contributor)と呼ばれる、いわゆるマネジメント業務のない外資系のポジションであれば、転職できる可能性はかなり高い。

また、外資系のICと呼ばれる営業のポジションだと、営業が元々持っているネットワークを活用しやすいため、例えば30代はアカウントエグゼクティブというポジションで、50代近くになってからシニアアカウントエグゼクティブ、またはストラテジックアカウントエグゼクティブというタイトルで、かなり大きな大企業の担当を50代以降に初めてやるというような人もいたりする。

そのため、外資系に関しては、このルールが特に当てはまらないことが多い。

さらに、創業者が若いシリコンバレー発のスタートアップ企業でも、日本での展開においては、40代・50代のミドル・シニア層の強いネットワークと経験がかなり重要であることが理解されているため、年配であっても経験さえあれば転職が非常にしやすいという実態もある。この点は外資系と日本企業では実態がかなり違うと思う。

また、マネジメントを経験している人は、年収をさらに上げていくパターンもよく見られる。

30代で実力さえあればマネージャーになれるような外資系では、マネージャーだった人がディレクターになり、ディレクターだった人がバイスプレジデントになり、バイスプレジデントだった人がカントリーマネージャーとして日本の代表を務めるというようなルートもよく見られる。

マネージャーになるのが早い人は30代半ばだったとして、その人が運良くディレクターになれるのが30代後半から40代、そしてディレクター職からVPになれるのが早い人だと40代半ば、一般論としては50代くらいの人が多い。

そのタイミング、40代のタイミングでそのままカントリーマネージャーになる人が出てきたり、50代になってから初めてカントリーマネージャーになって活躍するという人もいる。

これも外資系に特徴的な転職のスタイルかもしれないが、35歳以上の方がむしろ活躍の場が多いというのが実態のように思う。

外資IT向けの転職エージェント

それともう一つ、35歳を過ぎてからの転職について外資系に関してコメントすると、正直俺は40歳以降になって、転職エージェントを経由して転職を確定したことは一度もない。

40代以降は全て企業のリクルーターからの直接的なスカウトで確定している。

これにはいくつか理由がある。

  1. 俺の経験として、小さめの外資系企業が日本に入ってきた際の立ち上げをやってきたという経験が重視されていること。

  2. 日本のマーケットにおいてこれから立ち上げなくてはいけない、または一度組織が大きく変わって立ち上げ直しをしなくてはいけないというフェーズの企業が、俺のところに話を持ってくるケースが多いこと。

これはある種、俺自身の得意な領域を明確にできている部分でもあるので、たまたまニーズが合致して仕事が決まっているところが考えられる。

また、外資系に関しては、大手のエージェントほど良い案件を持っていない傾向があり、本当に良い案件を持っているエージェントは自分から売り込んでくることは極めて稀である。

これについても以前、外資系の転職エージェントについての評価を紹介したことがあるが、本当に案件を持っている企業については、例えばアメリカのベンチャーキャピタルやエンジェル投資家、それから大手の投資銀行の強いパスを持っていたり、独自の情報やネットワークを持っているので、日本に初めて入ってきたような案件がそのエージェントに最初に来るような傾向があったりもする。

俺が知っているエージェントはおそらく日本で一番良い案件を持っているエージェントなのだが、彼が実は日本にOpenAIを持ち込んでいるエージェントだったりするので、その観点から言うと、エージェントはかなり選び方が重要になってくる。

まず大手については一般的な仕事しかないこと、あまり珍しい秘匿案件や特殊なものはまず出てこないということを踏まえた方が良いだろう。

外資で転職をしっかりやっていきたいのであれば、やはりLinkedInでプロフィールを充実させつつ、そこでエージェントではなくリクルーターからのアプローチをしっかりしてもらえるようにするというのが非常に重要になってくると思う。

これは俺のような立ち上げロールに限らず、一般社員だったとしても同じようなことが言える。

特に大手の企業は最近、悪質なエージェントの横行、そして、エージェント経由で紹介を受けた時に3割ぐらいマージンを取られることなどから、直接的にLinkedInを通じて候補者に連絡をしてくるようなケースがあったりする。

結論として、外資系でキャリアを追求していきたいのであれば、LinkedInをしっかり充実させることがまず重要である。

エージェントの活用については、以下のポイントを推奨する:

  1. 紹介ルートの選択:直接アプローチをかけてくる人よりは、人づてで紹介してもらえるような人と話すのが良い。エージェント同士にも横のつながりがあるため、信頼できる人からの紹介でさらに質の高いエージェントに巡り会えることもある。

  2. 大手エージェントへの対応:LinkedInで直接スカウトを送ってくるような大手エージェントは、あまり深追いしない方が時間やコストを最小限に抑えられる。

多くのエージェントは紹介するだけ紹介して、結局その後の連絡がなくなるケースが非常に多いのが実情だ。

個人的には、そうした対応のエージェントとは二度と関わる必要はないと考えている。​​​​​​​​​​​​​​​​

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