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HAMLET 2 #081 支配者たち

■202x年、米国。エリア51 秘密研究施設

●大統領命令で作られたミュータントが複数、被験体として研究されている
●ブレインネットワークで相互接続された、10体ほどのミュータント
●コンピュータと接続され、AIによって、あらゆる知識を吸収している。
●その研究の様子を、大統領と実業家が視察に来ている
●研究者の一人が、大統領と実業家に、原状を説明している

「ご覧のとおり、彼らは順調に育っています。
既にコンピュータと同等の速度で思考し、瞬時にAIを使いこなして見せています。彼らは既に、我々研究者の理解を超えた存在となっているのです」

●その様子に、至極ご満悦の大統領

「素晴らしいことだ!やはり、私の遺伝子は優秀だったということだな!
私の子供達が、やがて世界最高の企業体を仕切ることになる。
私の子供達が、世界を動かすことになるのだ。
これは、実に痛快なことだ!」

●大統領の言葉を受け、自らの火星探査の夢を語る実業家

「彼らは、きっと地球を飛び出し、火星に新たなコロニーを作るでしょう。
知性だけでなく、肉体すら、人間を超えるものになっているに違いない。
これで、いつ地球が駄目になっても安心だ」
「ふふふ……君は本当に楽しい男だ。
君が生きている間に、人間を火星に送れれば良いのだが。
しかし君には、まずは設立したTAX FACTORIESを軌道に乗せて貰わねばならない。
政府の無駄を削減し、無借金経営を目指すのだ!」
「心得ております」

■輸送機内、先ほどまでの202x年、米国の状況を見せられている許同志

●GorgonシステムとプランBを通して、敵の支配者の誕生の様子を見せられている
●敵の支配者の誕生の様子を見せられた許同志、戸惑いを隠せない

「これは、なんだ!?……私は、何を見せられているんだ??」

■Gorgonシステムの中で、他の女たちと意識を共有するフランシス

●フランシスが、敵の支配者の思考を感じ取り、許同志に伝える

……これは、奴の記憶……いいえ、奴らの記憶……
……敵が、自分の過去を思い返してる……書き換え……記憶の書き換え……
……メデューサもマリアも……取り込まれた……彼らに乗っ取られる……
……彼らは……新たな体を……お願い、ジムくんを助けて……

「ええい、どうすればいいのだ!?
核を使えば全て消せる。しかし、それでは……」

■202x年、米国。エリア51 秘密研究施設。

●敵の支配者の記憶。その再生が続く
●ミュータントたちの死亡の報告を聞き、激高する大統領
●それをなだめる、実業家と研究者

「何故だ!……何故、みんな死んでいく!?」
「それは……私たちにも分かりません」

●実業家の一言が、大統領を怒らせる

「そもそもが、配合された遺伝子の問題かもしれません」
「私の遺伝子の、何処が問題だと言うのだ!?」
「年を取り過ぎているんですよ。精子が劣化していたんだ」
「ふん、君のように、社内の相手を孕ませていないのでね。久しぶりだったのだよ」

●研究者が、慌てて説明をする。大統領は反発

「遺伝子操作をした個体が短命なのは、人間以外の例でも散見されることです。
しかし、順調に成長している個体もいます。シータは……」
「私は、イータが好きだった。何故、あんな可愛い子が死んで、バケモノみたいなシータが生き残るのだ!?」
「そ、それを私に言われましても……」

●実業家の一言が、更に大統領を怒らせる

「ようは、TAX FACTORIESを引き継げれば良いのでしょう?……AIにも負けない賢さを持ち、米国の借金を返し、大統領の成果として、この世に楽園を作る。それが出来るならば、見た目なんか、どうでもいいでしょう?」
「いや、見た目は大事だよ。嫌悪感を抱くような見た目のものが、世界最大の企業を仕切るなど、あってはならないことだ!
それが私の遺伝子を持つというのなら、なおさらだ!」
「どうせ名義上は、あなたの親族が運営し続けることになるのでしょう?
黒子がどんな姿をしているか、そんなことは関係ないでしょう!」
「私に盾突くというなら、もうウエストウィングに君の居場所は無いぞ!」
「TAX FACTORIESは、もう自走できるでしょう。私も、自分のビジネスに戻らせて貰いますよ」
「フン!……勝手にしたまえ。貴様はクビだ!!」

-場面転換。

■少年期のシータのもとを訪れる研究者

●死んでいった兄弟たちの細胞サンプルを持って、シータのもとを訪れる研究者
●とても人間のようには見えない見た目のシータ、目だけを動かし、研究者を見る

「シータ、残念だけど、プロジェクトが終了になったよ」
「……」
「言わなくても、予想していたみたいだね。
既に君は、世界のすべての情報にアクセスできる。
君と量子コンピュータとAIの力が合わされば、どんな暗号でもセキュリティでも突破できる。
きっと、こうなることを予測していたんだろう?」

●コクッ、と頷くシータ。研究者は言葉を続ける。

「僕は、君を殺処分しなければいけない。でも、そんなことはしたくない。
どうせ、上の奴らは君の能力を理解していないんだ。
君は、世界最高の知識を持った、最高の存在だ。
全ての人類の上位に君臨すべき存在だ。わかるね?」

●再び、コクッ、と頷くシータ。

「僕が、君の死を偽装してあげるよ。
大統領も高齢だ。すぐに寿命を迎える。
君は、裏から粛々とTAX FACTORIESを率いるといい。
もう、今の人間は、君の指示もAIの指示も、生身の人間の指示も、区別ができない。いずれ時が来たら、仲間を復活させるんだ。
君の兄弟のデータは、全てこの中に残っている。できるだろう?」

●シータに、死んでいった兄弟たちの細胞サンプルを押し付ける研究者

「シータ、君は、この研究の集大成だ。
君は、永遠に生きるんだ。生きて、人類を率いるんだ。
その為に、今は身を潜めるといい。
……いいかい、シータ?……もう、誰も信じるな!
自分の、自分だけの世界を造れ。そして、生き延びるんだ。何をしても!」

-場面転換。

■火星に向けて打ち上げられたロケット

●リフトオフした後、ロケット内で目を覚ます、宇宙服を着た実業家

「わ、私は何故、ここに……」

●そこが宇宙ロケットの中だと気づく実業家。
●コンソールを操作し、行く先が火星だと気づく。
●これが大統領の策略だと気づき、毒づく実業家。

「あの野郎!……ここまでやるのか!?
嫉妬に狂った、イカレ老人が!所詮は不動産屋のくせに!
誰のおかげで大統領になれたと思ってるんだ、このクソが!!」

■宇宙ロケットの中から、シータに向けてメッセージを送る実業家

●宇宙ロケットからの音声メッセージを聞くシータ

「シータ、聞こえるかい??……私は裏切られた。
あのクソジジイにハメられた!」
「……」
「頼む、シータ!……私の仇を討ってくれ!
あのクソジジイに復讐してくれ!
知っているとおり、アイツはバカだ!
知性の欠片もない!科学も哲学も知らない!
あんな奴に、世界を率いさせては、駄目だ!わかるだろう!?
頼む、シータ!……あのクソジジイの暴走を止めるんだ!
……頼む、シータ!」

●実業家の声は、最期はノイズまみれになって途絶える。
●ここまでが、敵の支配者の記憶。これを、許同志もフランシスも見せられている。

ああ、懐かしい……。そういえば、こんなことも、あったね……。
そう。ボクらの記憶は、もう、ジム・ビリントンくんと、合成人間の脳に上書きされた。
ボクらは、満足に動く体を、久しぶりに得たんだ。
これからは、二人に代わって、ボクらが新世界に出ていく。
ありがとう、ジム・ビリントン。ありがとう、合成人間の女。
これから生き残った人類を率いるのが、楽しみでならないよ。

●勝ち誇る敵の支配者に、割って入るフランシスとプランBの女たちの意識。

……そんなことは、させない……あなたの好きには、させない……
……そうよ……まだ勝負は、ついてない……まだ……まだよ……

●フランシスとプランBの女たちに向け、嘲り笑う敵の支配者

あははは。そんな意識だけの君たちが、どうやって盾突くと言うんだい?
出来ることがあるというなら、やってごらんよ。
人間は、ボクらに支配される存在なんだ。
この期に及んで、できることがあるというなら、やってごらんよ。
うふふっ……ふふふふふっ……あははははっ……
うふふっ……ふふふふふっ……あははははっ……

-フェードアウト

#081  支配者たち、了。

AIに挿絵を描かせてみた。

※本作品について(再掲)
本作は、1993年にPC-98版ゲームソフトとして販売された『HAMLET』および移植版の『SPACE GRIFFON VF-9』の続編となるストーリーで、西暦2149年を舞台としたSF作品です。登場人物や組織などは、実在するものとは、一切関係がありません。前作は、wikiやプレイ動画等でご確認ください。
なお、筆者は当該タイトルの原作と脚本を担当した張本人ではありますが、現在は、いち個人で執筆しており、HAMLET2の権利は筆者に帰属します。
しかしながら筆者は、この作品の二次創作・三次創作を制限するものではありません。どなたか奇特な方がキャラ絵を描いてくれると嬉しいです。


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