【読書感想文】霊能者たち
図書館の棚を眺めていると、目に飛び込んできた「霊能者」という文字。
法律・医療・犯罪に次ぎ好きなジャンルだ。
おどろおどろしいものは嫌いだが、これなら「いけそうな気がする~♪」とばかりに借りてきた。
読んでみるとタイトル通り、霊視や除霊ができる人たちの話。
だが、どうしたことか頭に入らない。
入らないことはままあること。
ところが今回はそれどころではなかった。
2ページ読んだところで、何を読まされているのだ?
と思い戻ってみた。
やはり理解できない。
いや、イメージがわかない。
そこでもう一度、やっと「ああ、そっか」となった。
冒頭だし、そこまで込み入ったことは書かれていないのに、なんでそうなるのか?
きっと冒頭だけだろう。
疲れてて、認識機能が壊れているのかもしれない。
そう思ってさらに読み進めた。
ところが、ちょっと脳内に別のことが浮かぶともうだめ。
なんでー?
と首を傾げ読み返す。
こうして気が付いた。
どうやらこの本、ナレーションと主人公との距離がかなり離れているようだ。それも俯瞰してるなんてもんじゃない。
宇宙から見ているように感じた。
慣れればそんな違和感はなくなったけど。
ある程度読んで、また部分的に読んでみたら、今度はすんなり頭に入る。
これをAIに聞いたら、認識機能が壊れているわけではないという。
一度読んで理解しているから、二度目はイメージが先に立ち、自然と読めるということらしい。
その後は、ひたすら私らしくない読み方を続けた。
とにかく「集中!」
他のことを頭に浮かばせないように、そっち方向に集中し、なおかつ物語に集中した。
こんなこともあるんだな~。
というのが第一感想だった。
さて、本書の感想へと移動しよう。
霊能者といったら、幽霊がたくさんいるところに行って、霊視したり除霊したりだろうと思うが、問題はその除霊の仕方だった。
これがかなりショッキング。
よくこんなこと考え付いたな~。
と思うほどグロイ。
霊能者が除霊するのだが、なんと、霊を貪り食うという方法。
頭からかぶりつき、体の全てを食べる。
想像しただけで、うわあ~、となる。
霊とはいっても、五体満足。
見える人からしたら生きてる人間と変わらない。
一般的には、テレビで見るような払うイメージだ。
だが、本書では霊を「消す」ことに焦点を置いている。
「消す」為に「食う」。
作者の想像力の高さを感じた。
こんなこと、思ったこともなかったよ。
それにしても食われる幽霊、可哀そう。
……あ、本文に戻りましょうね~w
ある男性が、孫の霊が出るから除霊してあの世に導いてほしいと頼み、除霊しましょうということになる。
「見ない方がいいですよ」
と言われても、可愛い孫の最後だからと立会することにした。
しかし、目の前で頭から噛みつかれ、肉を引きちぎられる。
それはもう、カニバリズムだ。
「やめろー!」と叫ぶが、始まったものは止められない。
「あなたはこのまま可愛い孫を彷徨わせるのか!」
と言われて、泣く泣く食われて行く孫を見続けるしかなかった。
霊能者の方は「うまい」といい、満足感が体中を駆け巡る。
いや、ちょっと待てよ。
いくら何でもそれは酷すぎる。
読んでるこっちも、やめろと叫びたくなる。
次々にいろんな案件が入ってきて、仕事をこなしていくのだが、最後の案件は別の意味ですごかった。
霊能者たちの親玉は、ショックがあると生霊が体から出てしまうという奇病を持つ。
ある時、バイクで渡ってはいけないという橋をバイクが走る。
下は浅瀬の川。
落ちたら確実にあの世行きだ。
親玉が見ている前でバイクが橋へと入った。
無謀なことをすると思っていると、バイクは川へ転落。
それを見た親玉の生霊が飛び出し、バイクの男の死霊にとり憑かれてしまう。
除霊しなければ親玉が死ぬ。
こうして集められた霊能者たち。
しかし、親玉が特異体質のため誰も成功しない。
そこに妻と娘を失ったばかりの霊能者が、とんでもなく恐ろしい方法で除霊を成功させるのだが。
このシーンは集中しなくても集中して読んだな。
心の中では、「やめろー!」と叫び、どうやっても除霊どころか死んじゃうだろうが! と叫んでいた。
こうして成功をおさめ、めでたしめでたしになるのだが、まだすべてが終わったわけではなく、主人公が大事にしているオカメインコが行方不明となる。
なんでオカメインコが出てくるんだ?
と思うだろうが、それは本書を読んでいただきたい。
結局感想としては、グロかった。なのかな?w
ここまで読者の感情を揺さぶられたということは、作者の意図した罠にはまったということなのだろう。
つまり、作者の勝利w
作者と話せるならば、土下座して「負けました」というところだ。
読後感は平和な終わりだし、よかった~とは思う。
しかし、あのグロさ……。
文章だけで、あれだけのグロさを表現できるって、すごいな~。
というのが、本当の感想なのかもしれない。
それにしても、本って。
文章って。
本当に面白い。
タイトル:霊能者たち
著者:嶺里俊介
出版:光文社
※かめママブログ書庫入り口
※感想文の入り口はこちら
