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ドラマ《黒服物語》を見て――忖度なしの感想

病気、入院、放射線治療その結果、
私の免疫力はだいぶ少なくなってしまったようだ

今までは一年を通して、風邪などほとんどひかなかった
たとえ「あれ?」と思っても、薬を飲めば翌日には復活していた

ところが今回、見事に風邪をひいた
しかも、熱まで出るとか信じられない

そこで一つ、発見したことがある

それは――
熱があると、本が読めない、ということだ

枕元には本がある
読めば楽しいと分かっている
なのに、手に取る気力がわかない

ただ寝ているだけというのは、なんとも勿体ない時間に思えるのに、
読書という行為に向かうだけの力が、どこかに消えてしまっている

若い頃なら、高熱が出ても本は読めた
物語の中に逃げ込むことができた

衰えというものを、こんな形で受け入れることになるとは思わなかったなぁ

……だが、本が読めないなら、ネトフリがある!
良き時代になったものだw

見たかったドラマを一気見した
朝から夜まで、ひたすらドラマ三昧
一本見終われば、また次へと移る

そんな私に、娘が言った

「何見てるの?」

ベッドの中でスマホを見ているのだから、気になるのも当然だろう

「これ、面白いよ」

そう答えると、娘は画面を見ず言った

「ああ、黒服物語でしょ」

なぜ分かる?

黒服物語とは、医者の家に生まれた息子が、
親の敷いたレールを外れ、キャバクラの黒服となり、のし上がっていく物語だ

キャバクラの裏側が描かれていて、題材としてはとても面白い

……のだが、見続けるうちに、ある違和感が生まれた

キャラクターとセリフの距離が、少し遠いように感じるのだ

特に主人公
魅力的な人物として描こうとしているのは分かるのだが、
そのためのセリフが、どこか人物の輪郭から浮いているように思えてしまう

もう少し、この人物自身の言葉として自然に響けば、
物語はもっと深く心に入ってきたのではないだろうか

また、キャバ嬢には担当の黒服が付くという設定なのに、
彼女が危険な状況になると、担当だけでなく主人公まで駆け出していく

店の運営として大丈夫なのだろうか、と
つい余計なことを考えてしまう

もちろん、物語として主人公を前に出す必要があるのは分かる
それでも、もう少しだけ現実との接点があれば、
物語はさらに説得力を持ったように思う

題材が魅力的なだけに、
人物とセリフのわずかなズレが、余計に目立ってしまうのが惜しい

きっと、主人公の魅力を最大限に引き出すため、
脚本は丁寧に組み立てられたのだろう

ふと、昔のドラマを思い出した
主役を輝かせるために、物語が存在していた時代

調べてみると、この作品には原作漫画があるらしい

なるほど、と思った
漫画であれば、どんなに印象的なセリフも、
絵の力とともに自然に成立する

現実の俳優が演じる場合は、
また別のバランスが必要になるのかもしれない

誤解のないように言えば、
これは俳優の問題というより、
役との相性や、作品の時代性の問題なのだろう

韓国ドラマなどを見ていると、
イケメンであっても、過剰に飾られたセリフは少ない

時にはヒロインが笑い飛ばし、
物語に現実の空気が流れ込む

その余白が、人物をより魅力的にしているように感じる

この「黒服物語」を見ながら、
私はどこか懐かしい感覚を覚えていた

まるで、少し前の時代に戻ったような

――そんなことを思ったのは、
きっと、熱のせいということにしておこうw


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