【読書感想文】私が大好きな小説家を殺すまで
今回は『私が大好きな小説家を殺すまで』を読みました。
※ネタバレアリなので、ネタバレ厳禁!
と思う人は、回れ右でお願いします。
文体は、昔の偉大な作家を思わせるような。
そう、漱石や太宰的な感じ。
とはいっても、そこまで難しいわけでもなく。
きっとこの作者は、純文学が好きなんだろうなって感じ。
現在32歳ということだから、たまたまこういう書き方で世界観を表そうとしたんだろうと思う。
さて、どんな作品かというと
神様と崇められた小説家と、神様と崇めている少女の話だ
この少女、大変不遇な人生を生きていた
母親は、娘に虐待してたわけだけど
読んでる時は、
「なんて酷い母親だ!」と思った
でも、読み終わりしばらくたったときに見えてきたのは
「結局弱い母だったんだな。
弱くて、男に走らないと生きていけなかった」
行間に刻まれる母親としての自分を捨てた女の
まるで機械のような冷たさが滲んでいた
だが、主人公の少女は、結局母親から捨てられたことで
自由を手に入れるが、ひとりで生きていくことなんてできるはずもなく
電車に飛び込んで更なる自由を手に入れようと思う
そこで出会ったのが、大好きな小説家の”神!”
小説家に拾われた彼女は、彼の作品を読み続け
創作の世界を知ることになる
小学生の少女との、おかしな同棲生活
作家はもともと世界がねじれてたんだろうね
少女に手こそ出さなかったけど、
途中で我慢できなくなるってこぼしてる
つまり、彼にとって少女は心のシェルターに替わっていた
それに気が付いていない少女は、
作家を愛し、そばにいることを望んでいたわけだけど
神である作家が大きな壁にぶち当たる
それは”書けない”という壁
どんなに書こうとしても、書けないわけだ
部屋の中には、書き損じの原稿が散らばってるし
そのシーンで思った
なんでわざわざ印刷してゴミ作ってんだろう?w
作家って、パソコンに入力したものを印刷するのかな?
きっと斜線堂さんも日常的にやってるから、
こういうシーンが出てくるんだろうってことだった
さて、感想文に戻るけど
結局、神だと思われた先生は壁を乗り越えることが出来ず
成長した少女が先生の代わりにゴーストライターになるわけだ
おかげで自尊心を傷つけられながらも
名声を手放すことのできない先生は
さも自分が書いたようにふるまい
神としての地位を確立+メディアにも露出していく
だが、それを見破る人が現れたりして
ストーリー的には、どこかで読んだことのある話なんだけど
書き方がまるで違うし、心理描写がお上手
内容の暗さといい、登場人物の壊れて行く様といい
なかなかの作品だと(知った風なことを言ってますがw)
思ったわけです
では、最後はどうなったのか?
神とあがめられた先生と、神と崇めた少女のラスト
さすがにそこまで暴露したのでは
これは作者に申し訳ないので書きませんw
かなり重いテーマで、そのテーマに合わせたように
重い文章ですが、私としては割と面白い作品だと思いました
タイトル:私が大好きな小説家を殺すまで
著者:斜線堂有紀
出版元:角川
