【読書感想文】殺し合う家族
覚えているだろうか
1996–2002年、6年間にわたって繰り広げられた
精神支配と残虐なる暴行の事件を
本書はまさにそれをなぞっている
手にしたときは、もっと軽い話だろうと思っていた
だが、冒頭から裁判シーン
まあ、これはよくある書き出しだ
そこから振り返って事件を見せて行くのだろう
当たりだった
だが、違っていたのは、そのえげつなさ
裁判シーンを読んだだけで、北九州監禁殺人事件だなと分かったくらいに
やたらとえげつない
それでも事件として読んでいるうちはよかった
だが、回想へと話が進むと
その事件の場に自分が立っている気になってくる
読者をしっかりひき込んでいく筆致は尊敬に値するが
これはグロすぎる
犯罪者の妻が被害者となり加害者となる
しかも、妻の父親や息子まで被害者であり加害者
電気ショックを与えたり、糞を食べさせたり
逃げられるはずの被害者は
精神的にコントロールされているため逃げることができない
犯人がそばにいなくても、見られているような気がして
交番に逃げ込めばいいのだが、それができずに6年だ
犯人と出会った妻は、当初王子様だと思いこみ、
2度目のデートで結婚を約束するが
目の前で起こる悲惨なお仕置きに
もう無理だと、犯人が経営する会社を辞めようと思う
だが、事件に巻き込まれて行く彼女は
逃げることができないだろう
なぜ「だろう」なのか?
読んだなら分かるはず
というのも、ここで読むのを辞めたからだ
辞めた、というより読めなくなった
なにせ痛みが分かりすぎる
こんなものを読んだら、こっちのメンタルがヤバイ
読むだけでこうなるのだから
被害者たちはどんな心境だったのだろう
6年もの間、逃げたいと思いつつも
逃げることができず
壊れて行く精神から目をそらすしかなかったのではないだろうか
結果、初めて途中で閉じる本に出会ってしまった
グロイものが好きな人にはいいだろう
本書は、そういったものが好きな人には合っていると思う
私は、75ページで断念した
この先、再び本書を手にすることがあるかもしれない
(読んだことを忘れて)
その時に、果たして最後まで読めるのかどうか
大変疑わしい
私はヒューマンホラーを書くのが好きだが
さすがに、ここまでの物は書くことができない
思うに、作者はこれをどんな思いで書いたのだろうか?
追悼の意を込めて書いたのか?
それとも、単に事件を題材にしただけなのか?
書いているときに、苦しくはなかったのだろうか?
たった、75ページしか読むことができなかったが
これを書ける作者は、プロだなぁ、と思った
でも、私はいやだぁぁぁぁ
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