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【読書感想文】中にいる、おまえの中にいる。

なんとも興味を惹くタイトルに、思わず手に取った。
ハズレだとしても、図書館で借りてるわけだし、気にすることはない。
失礼な話だが、そんな気持ちで軽く借りてみた。

さて、一体「中にいる」とは何なのか?
しかも「おまえの中にいる」とは?

読むにあたり、タイトルをじっと見て
主人公の中に何者かがいる
という話ではないか?

と思った。
まぁ、当たりだったけど。

単に当たりだっただけなら、
「そりゃあ、このタイトルなら分かりやすいもんね」
で終わる。

ところが、冒頭が良かった。
なんと、主人公の愚痴。
しかも、クレーマーのオバサンに対するところからのスタートだ。

主人公はコンビニのバイトらしく、その立場を悪用して、
クレカの名義と番号を覚え、詐欺……になるのかな?
勝手にお金を使ってしまう。

そこまで読んで、クレカってお店の人を信じて渡しちゃいけないんだぁ。
と思った。
軽く渡してたけど、怖い怖い。

そして主人公は、何人ものクレカを勝手に使い、
優雅な生活をしているんだけど。
そんな主人公の身体の中にいるのが、幽霊。

かつて死んだ人の魂が入り込んでいるわけだ。
クレカ詐欺も、その幽霊の提案。

これだけなら、幽霊と共存している悪い奴、
ということで話は終わる。
そうはいかないのは当然のことだ。
幽霊の方は、人間の身体も意思も思い通りにしたい。

つまり、乗っ取りたい。
そうなっては大変だと、主人公は抗い、
双方の意見がある点で一致する。

幽霊は「こんな貧乏人といつまでも一緒にいたくない」
主人公は「乗っ取られてたまるかよ」
という思いだ。

乗っ取られたら、自分が自分でなくなるのだから当然のこと。

では、どうやって他の宿主を探すか?
探して、この身体がいいと思っても、どうやって憑依するのか。
そこが問題。

あれやこれやと方法を考え、その間に小さな事件に巻き込まれたりして。
ある少女と出会い、虐待を受けている少女を助けようとする。

そんな時に気が付く。

前に憑依できたのは、元の宿主が死ぬ時だった。
つまり、主人公が本気で死にそうなときに幽霊が移動できるのではないか。
そこに気が付き、少女を助けるために、命を賭けて虐待親に挑み、
見事に思いを成し遂げる。

つまり! 主人公が死んじゃうんだなぁ。
というか、なんで主人公がそこまでするんだよ?
と思うだろうが、そこには主人公の生い立ちが絡んでいるから納得できる。

これで、幽霊は新たな宿主に移れたはず!
と思うよね。
しかも、幽霊の口調も変わってないし。
これで、主人公の思いは遂げられた。
まぁ、ハッピーエンドではないものの、ある意味
めでたしめでたし、だろう。

と、思ったら。
とんでもないどんでん返しが待っていた。

書いちゃっていいのかなぁ。
いや、ダメだよねw
ここが一番の見せ場になると思うし。

でもね、ここが一番疑問に思うところでもある。
なぜなら、虐待親をやっつけてる時に、幽霊の声が聞こえなくなるんだ。
あれって、どうして聞こえなくなったんだろう?
主人公の意識が遠くなったからか?

とか、考えるとどうも納得がいかない(笑)

読み手によって受け取り方が違うから、
勝手に思ってる事なんだけど。

なんでかなぁ?(笑)

なんにしても、前半はあまりのめり込めなかったけど、
後半は、のめり込めたし、結局「おもしろい!」と思って終わった。

幽霊が悪い奴と主人公は言ってるけど、
主人公をなんだかんだと助けてるから、
本当はいい幽霊なんだろうな。

というのが、私の感想だった。
薄い感想だな(笑)


タイトル:中にいる、おまえの中にいる
著者:歌野晶午
出版:双葉社

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