【読書感想文】時限病棟
時限爆弾?
いや違う、時限、病棟……次元大介。
なんて連想をしながら本書を手にした。
相変わらず、意味不明の頭だ。
本書が発行されたのが、2016年。
10年前の作品ということになるけど、どんな話なんだろうか?
もちろん知念氏の作品だから、私が満足しないはずはない。
ということで、1ページ目を開いた。
すると主人公倉田梓が麻酔から覚めるところから始まった。
もう、ここから惹き込まれた!
私の好きな不穏感バッチリだ。
目が覚めて、入院着の中を確かめるとオムツを履かされている。
知らない間のことに、屈辱が湧きおこる。
すると尿意が起こり、トイレに駆け込む。
一般的に病院の大部屋だと、トイレは廊下を出ないとないはず。
だが、この病院は部屋の中にトイレがある。
まるで個室のような作りだな、と思った。
トイレから出ると、他にも男性が2人、女性が2人。
全員拉致され、監禁されている関係だと知る。
しかもここは廃病院のようだ。
知らぬ間に連れてこられて、眠らされて、オムツ履かされて。
これはもう、仰天どころじゃないよね。
しかも、おまえは誰だ、アナタは誰?
コイツラが私を拉致したのか?
疑問が浮かびあがる。
事実なら恐怖でしかない。
そこにピエロの絵が描かれた指示書。
ここで、あることを目指してゲームをしろということが分かる。
しかも、目的達成できないと、全員丸焼けになるというタイムリミット付きだ。
1階の待合に置かれたガソリンタンク。
それがいくつもあり、爆発するのはこれだと分かった時、恐怖は倍増する。
こんなものが爆発したら、病院はどうなる?
全員が焼け死ぬのは目に見えている。
まさにリアル脱出ゲームだ。
次々に難問をクリアーしながらも、誰が殺人犯なのか?
外科医芝本を死に追いやったのは誰か?!
と考える。
その芝本と全員関係があると分かった時、さらに募る猜疑心。
おまえだろう!
各々が犯人だと詰め寄る登場人物たちは、どんどんパニックになっていく。
しかも手術台の上には、腹を裂かれ縫合された男が横たわり、その腹の中にヒントがあるという。
麻酔をかけ、腹を裂き胃袋を裂くとそこには――?!
えー?!
胃袋に異物を入れ込み、縫い付ける?!
そんなことができるの?
しかしこれは、現役医師が書いているのだから、できるってことなんだろうなぁ。
すげーな、医療。
結局、誰が本当の犯人なのかと突き詰めていくにしたがい、ひとりまた1人と死んでいく。
ああ~、そうなるよねぇ。
死なないと、迫力不足になるし、恐怖が薄れる。
追い詰められるだけじゃ、読み手も満足しないよなぁw
なんてことを頭の隅で考えながらラストは大爆発だ。
さて、主人公はどうなる?!
助かるのか?
それとも、爆発に巻き込まれるのか?!
手に汗握る。
とはならなかったけど。
なんでそうならなかったのか?
うーん……なんで、なんで、なんでだろう。
ま、そんなこともあるw
それより、読んでいても、途中で止まることがなかった。
それ程、私に刺さったということなんだと思う。
ただ、途中で警察が登場するんだけど。
ストーリーを繋ぐための存在だったらしく、大きな動きはなかった。
言ってみれば、気にもならないカーペットのシミという感じだ。
でも、そのくらいだからこそ面白い。
これが警察がシミを広げていき、事件現場から警察へと話が流れたのでは、単なる警察ものになってしまう。
うん! やっぱり知念氏の作品はこうでなくちゃね!
と思える満足さだった。
タイトル:時限病棟
著者:知念実希人
出版:実業之日本社文庫
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