糖尿病って、どうしてなるの?|家族に知ってほしい発症の仕組みと正しい理解
「甘いものばかり食べてた自分が悪いんでしょ?」
糖尿病の人に向けられる、不用意な言葉。
本当にそうなのでしょうか?
いいえ、答えはNOです。
糖尿病は、ただ「甘いものが原因の病気」ではありません。
そして、糖尿病と闘うためには、本人の努力と制限が常に求められる、生活そのものと向き合う病気です。
ですが、とても残念なことに、病気のことを理解されず、苦しんでいる患者さんがたくさんいらっしゃいます。
そこで今回は、「糖尿病とはどんな病気なのか、どうして発症するのか」
「家族の理解こそが、病気を良い方向に向かう指針になる」ということをお話ししたいと思います。
どうか最後までお付き合いください。
🍬 「糖尿病=甘いものの食べすぎ」ではありません
糖尿病と診断され、娘が婿から言われたのが
「アイスばっかり食べてるから!」
「自分が悪い!」
というものでした。
しかも、我慢している娘の前で、ひとりもくもくとお菓子を食べている。
「悔しかったら、治せばいいだろう!」
なんて心無い言葉でしょうか。
娘は涙目で、私に言いました。
「そんなにアイスばっかり食べてない。
我慢してるのに、目の前で食べるなんてひどいよ…」
確かに酷いと思います。
糖尿病には、遺伝的要素も含まれています。
また、体の中の“インスリン”というホルモンの働きが深く関係しているのも事実です。
「大丈夫だよ、アンタが悪いわけじゃない。
アンタは間違ってないからね」
母として言えるのはそれだけでした。
こういった家族の無理解に苦しんでいる人は多数いらっしゃいます。
🧪 インスリンってなに?
インスリンは、すい臓から出るホルモンで、
食べたもの(特に糖質)をエネルギーとして体に取り込むための鍵のような存在です。
食べ物を食べると
→ 血糖(血液中のブドウ糖)が増える
→ インスリンが出て、糖を細胞に運ぶ
→ 血糖値が下がる
この流れが正常です。
⚠️ 糖尿病になると、この仕組みが狂う
糖尿病はこの「インスリンの働き」がうまくいかなくなる病気です。
種類は大きく2つ:
① 1型糖尿病
免疫の異常などで、インスリンそのものが作れなくなる
若い世代や子どもにも発症することがある
原因は不明なことが多く、生活習慣とは無関係
② 2型糖尿病
インスリンは出てるけど、効きが悪くなる(インスリン抵抗性)
食事、運動不足、肥満、遺伝などが影響
日本人の糖尿病の9割がこのタイプ
🧬 遺伝も関係あるの?
糖尿病は、「家族に糖尿病の人がいる」だけで発症リスクが高まるとされています。
つまり、甘いものを控えていても、
・体質
・ストレス
・運動不足
・妊娠などのホルモンバランスの乱れ
などで発症することもあるんです。
🧊「別にそこまで気にしなくても…」と言われるつらさ
SNSを見ていると、こんな言葉を目にします。
「ちょっとくらい食べても平気でしょ?」
「自分が悪いんだから、遠慮する必要はない」
「可哀そうだね、普通に生活できないなんて」
それは「心配」や「無知」から出る言葉かもしれません。
でも、それを言われるたびに、”私だって、普通の食事がしたい””みんなと一緒に騒ぎたい!”と心の中で叫んでいるのです。
🔄 普通の生活じゃないからこその“管理”
たとえば、外食に行く時。
周囲が気軽に頼む中で、
「何を食べたらいい?」「炭水化物は?」「脂質は?」「血糖値は?」
本人の頭の中で常に計算されていることでしょう。
そのため、徐々に友達とも疎遠になります。
家の中でもそれは同じで、目の前で甘いものを食べられたら、我慢が出来なくなるのは当然です。
深夜に隠れてこっそり食べてしまい、自己嫌悪に陥るのは当たり前のこと。
だからこそ、家族の理解と、共に戦う覚悟が必要だと思います。
✨ 最後に
糖尿病は、ひとりの問題じゃありません。
それを支える家族の、見えない努力や気遣いが日々積み重なっています。
だからこそ――
身近な糖尿病の方に、こう聞いてほしい。
「どうしたら、あなたが安心して過ごせる?」
その一言が、家族の“理解”を、
“支え”へと変える大きな第一歩になるはずです。
