記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

【読書感想文】代表取締役アイドル

本を選ぶとき元気なら、刑事ものや法律がらみのタイトルに目が行く。
しかし今回は、タイトルからして軽そうだ。
つまり、疲れてるんだろうなぁ(笑)

頭が疲れていると、読みやすくて軽そうなものを選ぶらしい。
これは今回分かったことだ。
どんなに年齢を重ねても、新たに気が付くことってあるものだ。

さて、この「代表取締役アイドル」だが、
確かに軽い。
内容的には、ちゃんと伝えたいこともあるし、
一言で「軽い!」と言ってはいけないと思う。

だが、非常に読みやすかった。
また作者が、アイドル物でありながら男性。
1962年生まれとあるから64歳だ。

それでいながら、代表取締役をアイドルに起用する当たり、
頭が若いんだろうなぁ、と思う。

話の流れ的には、大企業の社長がアイドルをテレビで見て、
その子を取締役にスカウトするのだが、
この会社、家族経営から始まり、一族に忠誠を誓わせるという
何とも古臭い感覚。

そのため、取締役たちは、社長に何も言えないイエスマンばかり。
どうしてアイドルを取締役にしたのか?
そこは、おじいちゃん社長の気まぐれ。

この社長、ボケてんじゃないの? という気がする。

社長として登場したはいいけど、最初のシーンで
「社長を辞任し、会長になる!
社長は息子が就任する!」
とのたまう。

ところがこの息子、大バカ。
社員たちも、社長も息子もバカだというほど。
アイドルは「バカでも会社経営ができるんですか?」
と秘書に聞いちゃうくらい。

なかなかストレートだ(笑)

バカ息子が社長となり、経営戦略会議が繰り広げられるが、
3年後には今の10倍の売り上げを達成せよ!
と決めてしまった。

そのため、社内はごたつくこと、ごたつくこと。
しかも、世界一になれる商品を開発せよという。
一人百億円を稼ぎだせるアイデアを出せと、
部下に発破をかける上司たち。

そんなことできるわけもなく、
中には粉飾決算に手を染めるものが現れたり、
他社にデータを流して我が身の保身を図るものがいたりして。

どうなってんの? 

そんな中、きっとアイドルが頑張るんだろうなと思うが、
ここはかなりリアル。
アニメ(まんが)なら、できなくても頑張って、
気が付くと光り輝く能力をさらけ出し、
社員が集まってくれて、めでたしめでたしになるだろうが、
そうはいかない。

海千山千の大人たちに翻弄され、
どんなに頑張っても、結局泣きを見る。
23歳のアイドルは、所詮子供。

社長と会長は、アイドルを社長に据えて、
全責任を擦り付けたりして。

社会って汚い!
ということがよく分かる作品だ。

だが、このアイドル。
泣いて終わるだけではなかった。

ラストには、静かだが希望に満ちた終わりとなっている。
ただ一つだけ疑問があるけど。

アイドルが最後に名刺を出すんだけど、そこに
「株式会社駄沙未来」ってあるんだよね。
「駄沙」ってなんだろう?
調べてみたけど、そんな言葉ないんだよ。

「ダサイ未来?」まさかね(笑)


タイトル:代表取締役アイドル
著者:小林泰三
出版:文藝春秋


※かめママブログ書庫入り口


※感想文の入り口はこちら



いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集