【読書感想文】スリーピング事故物件
さて、今回は何を読もうかな~、と図書館の中を歩いていると、
「スリーピング」という文字が飛び込んできた。
はて? スリーピングとな?
手にして表紙を見てみると、パソコンのような画面を見ているイラスト。
軽く読めそうな気がして借りてみた。
いざ、家に持ち帰りじっと表紙を見て、目が止まった。
いや、頭が止まった。
タイトルが認識していたものと違うのだ。
なんと「スリーピング」のあとに「事故物件」とあるじゃないか!
ええー! ってことは、怖い奴?!
しかし、借りてきたんだし、読んでみないと分からない。
こうして、本書を読む決意をしたわけだ。
読み始めてみると、思った通りスラスラタイプ。
登場人物も軽い口調で、いかにも現代。
広くてきれいなマンションで一緒に暮らそう!
家賃も割り勘なら、安くなるでしょ?!
というノリで、イヤだと思いつつも内覧だけでもしよう、
ということでマンションへ行くのだが、
そこには美人大学生の真歩もやってきて、
美女三人で暮そうということになる。
しかし、事故物件。
出るのかよ?!
と、怖がる初音に、早々ひとりで住んでいたユウが、
大丈夫だという。
ただし、開かずの間だけは開けるべからずと言いつつ、
引きつった笑いだ。
そんな言葉を気にしない真歩は、扉を開け中に入ると
そこにはワープロ。
なんと21年前に、作家志望だった男性が殺害された部屋だと。
怖いから嫌だという初音だったが、真歩はワープロに近づき、
電源を入れキーボードを叩きだす。
すると文字が画面に表示され、打つのを止めると
画面には、打ち込んでもいないのに、表示される言葉。
つまり、幽霊。
いや、亡くなった人の思念?
成仏しないのはなぜか?
一体誰に殺されたのか?
物語は、ホラーというよりは、ミステリーだった。
しかも、ユウと初音のキャラがかなり軽く。
二人とも男も女も、どっちもいけちゃう。
離婚したユウと、婚約破棄となった初音。
その辺の話が詳細に語られている。
だが、しかし、ここ必要なのか?
きっと、この2人の関係性が事件と絡んでくるはず。
そう思って最後まで読んだけど、事件とは関係なかった(笑)
結局、事件を紐解いていくのは大学生で、
ミステリー作家になりたいと夢見る真歩。
ただし、21年も前の殺人事件だから、証拠もなければ、
事実関係も分からない。
全ては推測でしかないわけだ。
それでも最後までしっかり解き明かしてくれるので、
ストレスフリー。
ただし、途中で疑問が頭をよぎる。
それは時間経過。
あれ~。矛盾してないか?
と脳内が叫ぶ。
数ページ読み返し、やっぱりそうだよねぇ。
としばし考えるが、矛盾点は見なかったことにした。
そんなの気にしても、作者に会えるわけでもない。
こういうものなんだということで、なかったことにした。
結局、21年前の事件は、逆恨みによる犯罪だったわけだが。
こういうの、ありそうだなぁ、と思った。
人間の思考って、ありえないようなことに向くことがある。
はたから見れば、そんなのどうでもいいじゃん、ということでも、
嫉妬の嵐となり、相手をめった刺しにしちゃったり。
何をどう思い、どう犯行に及ぶかなんてわかったものではない。
本書が言いたいことって、そこなのかなぁ?
エンタメとして書いてるような気もするけど、
ちょっとしたボタンの掛け違いで犯罪はおこるんだ。
なんてことなのかもしれない。
タイトル:スリーピング事故物件
著者:西澤保彦
出版:コスミック出版
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