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【読書感想文】お父さんはユーチューバー

図書館に母娘で行くと
「あ! これ! 話題の奴!」
という娘の声
見てみると、青い空に青い海
そして『お父さんはユーチューバー』というタイトル

ユーチューバーというだけで、現代を表しているのが分かる
しかもタイトルからして、スラスラと読めそうだ
そこで借りてきたのだが、なるほどスラスラサクサク

結果、一晩で読み切ってしまった

しかし、なぜユーチューバー?
読んでみれば、私と重なるところのある父親
親らしからぬところや、夢ばかり追い求め
貧乏脱出のために、あれこれとアイデアを絞り出すあたり
まるで若かりし頃の自分じゃないかw

そんな父親に不安をいだく娘は
「だったらユーチューバーになればいいじゃん!」
と、火に油を注いでしまった

そんなに簡単にユーチューバーになれるのかと
動画を撮り出すが、初心者が簡単に出来る世界ではない

だが父は、チラシを配ればうまくいく!
という信念のもと、仲間にチラシを配らせる
youtubeなのにチラシを配ってうまくいくとは思えない

すると、娘も同じことを思っていて
娘が一緒に暮らす青年に相談する

「やっても無駄なことをなぜするのか?」

この問いって、生きてる間に何度もぶつかるものだ
かくゆう私も、結果が得られず無駄だったと思ったことが何度もある
だが、青年は

「意味がないと分かっていても、実際やってみるのが大事。
失敗することに意味があるんだから。
自分の身体で得た失敗ほど役に立つものはない」

という
読んだ瞬間「たしかに!」と、脳内の私は叫んでいた
やってみなければわからないし
その結果失敗しても、それが必ず糧となる

失敗するのは痛いことだが、痛みを知らなければ先へは進めない
いいこと言うじゃん!
とはいえ、そういう信念のもと生きてきた私は貧乏なままだw

いいこと書いてあるな、とは思うものの
結果は、初回投稿で「1万行く!」
と豪語していたにも関わらず、再生回数は「5」

「こんなものくだらねぇ! やめる!」と言い出す
そんな父親を「飽きっぽい」と揶揄する娘
それに対して青年は

「飽きるのは、本当にやりたいことではないから」
という。これまた膝を打つ言葉だ

ちょっとやって失敗すると、すぐに諦めたり
失敗せずとも、形だけ整えてやり切った気持ちになり
そこで終わってしまう人もいる

そういう人を「飽きっぽい」と評価してしまいがちだが
本書は、なんでも中途半端な父親を通して
本当にやりたいことなら、飽きたりはしないものだと語っている

確かにその通りだ
途中で飽きる、投げ出すというのは
ちょっとした好奇心だけなのかもしれない
だが、これこそというものに出会えば、
その流れは変わり、向き合い方も変わるのだろう

さて父親はどうだったかというと、
娘の友達から痛い言葉を貰い、奮起して頑張ることとなる
「ガキに言われたままで終われるか!」
ということらしい

そんなある日、娘が学校で書いた詩を動画にしている父
それを見て激怒した娘が父をぶん殴る

これが大バズリ
こうして、「自分が進む道はこれだ!」と
方向性を見つけ、人気ユーチューバーとしての道を歩みだす

収益化できるようになり、大金を手にすると
やることが派手になり
1千万の車を買ったりして、また娘がやきもきする
有名人になりたがる父親と、理解できない娘

だが、そこには父親の背景と
娘を思う父の熱い思いがあるという話だった

まさか、この2人にこんなことがあったのか!
という重い過去だが、そこは本書を手にして驚いていただきたい

ちょっと残念だったのは、ラストの展開
読み進めると、きっとこうなるだろうなというのは
何パターンか浮かぶものだが、そのパターン通りだった
父娘の人生が意外だったのに、ラストは型通りというのが
残念だった
だが、これも仕方のないことだと思う

キレイな着地を考えたら、これが一番すっきりだよね
という終わり方だった
そして最後の文章
自分で書いた作品と同じ終わり方をしていることに
鳥肌がたった

プロの思考と同じなのだから、アマチュア作家の私としては
感動ものだったのだが
感動するべき部分が違うだろうと言われると
それは否定できないw


タイトル:お父さんはユーチューバー
著者:浜口倫太郎
出版:双葉社


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