【読書感想文】動くはずのない死体
タイトルから、ホラーかもしれないと思ったが、
表紙の絵が、ホラーらしくない。
ならばミステリー……だろうな。
ということで手にした。
表紙には短篇集とあるし、ホラーだとしても、
短い話ならば脳も対応できるだろう。
ということで読みだした。
するとこれが、「変わってるな~」
という感想に行きつく。
作品自体は5作品。
最初の作品は、日記調。
音楽を志す姉と、洋菓子メーカーを立ち上げCEOとなった妹。
姉は成功せず、未だに貧乏生活。
妹は、社長の座につき、社員も頭を下げる地位。
そこで起こるのが、パーティ用に用意したドレスのめちゃ刺し事件。
もう、着ることができないドレスにショックを受ける妹は、
誰が犯人なのかと考え、姉だ! と決めつける。
短篇でありながら、このストーリーは無理があるのか、
それとも私がアホだからななのか、いまいち理解できなかった。
2話目は、トップにCAST項目がある。
演劇の話かな?
と思うが、物語に登場する人物を丁寧に書いてあった。
この話は、作家の原稿を汚してしまった女子高生が、
自分も作家志望ということで、欠落部分を補完していく話だ。
本文を読み、誰が犯人かと考え、文章を書いていく。
しかも、ラストを変更したりして。
こんなことされたら、プロの作家としては腹立たしいのではないか?
と思ったが、登場する作家は器が大きかったようで、
そのまま編集者に渡し、好評を得るわけだ。
これって、その後のことを考えたら、困るんじゃないの?
と思ってしまった。
それにしても、ここでこうなってるから、ここにはこの人物が入る。
なんて思考していく話は初めてだ。
しかも虫食いだらけの本文で、読んでいて、かなり疲れた。
3作目は、タイトルの「動くはずのない死体」
おっ、いよいよだね。
そう思って読んだ。
すると、夫を殺したんだけど、
その死体がちょっと目を離したすきに移動していた、という話。
気持ち悪いな。
しかし、ここでも理解ができない。
猫が通れる小さなドアがあって、猫が通ったからなんだっていうんだ?
だから死体が動いた?
そんなわけはない。
最後まで、だから何なんだろうと、理解できなかった。
4作目は、ちょっとおもしろかったな。
犯罪を起こした男が、意図せず祠に1万円を奉納する。
そこから神様に助けられ、悪運によって捕まらない。
という話だ。
そうなると人間はやることが大胆になる。
そこは分かるんだけど、これが今回の事件だけの悪運なのか、
それとも、今後も続くのかと知りたくなり、
万引きをして確かめようと考える。
警察を呼べ!
と叫び、店主が電話を掛けるんだけど、
こんなことで悪運が続くのかどうかなんてわからないだろうに。
やってることが小さい。
元々小さい犯人ということか?
しかし、ラストは――。
これも悪運のうちなのか?
それとも、悪運が切れたということなのか?
疑問が残った。
ラスト作品の5話目。
これも登場人物が書かれている。
しかも、「問題編」という始まり。
事件が起こり、どんな話なのかが書かれている。
では犯人は誰か?
というところで、「読者への挑戦状」となる。
さぁ、あなたは犯人がわかるかな?
というやつだ。
考える気なんて全くない私にはわからないので、読み進めた。
なにせ、超常的力のあるブギーマンなるものと人間とのハーフが主人公。
さらには、他にも存在しているブギーマンのハーフが犯人。
その犯人を捜せとか言われても、はっきり言って面倒だ。
この人です。
と、最後は犯人が明かされるけど、説明されて終わるだけに、
思いを入れて読むことができなかった。
短篇でミステリーって、難しいのかな?
というのが、感想として残った本だった。
タイトル:動くはずのない死体
著者:森川智喜
出版:光文社
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