【読書感想文】アルジャーノンに花束を
TikTokやYoutubeで話題になった「アルジャーノンに花束を」
娘が読んでいるのを見て
恋愛ものかな?
と思ったわけです
ところが、あらすじを読んでみると興味をそそられた
本書は終始一貫して「経過報告」という日記スタイルだ
32歳で5歳ほどの知能の青年が
苦労して「けえかほうこく」と書いている
5歳並みの知能ということで、漢字が書けない
読んでる方は「?」と思うが
言いたいことは理解できる
彼は頭がよくなりたい、賢くなりたいという願望があり
ある博士の人体実験をうけてしまう
手術が終わり、徐々にその効果がでてきて
大学教授をもしのぐ天才となる
すごいなぁ
こんなに頭がよくなったら、どんな世界なんだろう
ほんの数週間で天才になるなんて
羨ましい限り
と、さらに読み進めると
天才ならではの苦悩が待ち受けていた
5歳ほどの知能で、経験値も育っていない彼は
人を思いやることもできず、情緒が育っていない
あまりに天才になりすぎて
大学教授でさえ、彼のことが面倒になるし
自分たちのプライドをズタボロにする主人公が疎ましい
そりゃそうだよね
大学教授に議論を持ち掛けて、当の教授が答えられないんだから
それに対して主人公は「こいつ、本当は何も知らないな」
と思っちゃう
もう、この辺になると
知能レベルの低い私はついていけない
専門的な話なんて、理解できるはずもない
ただ、ここで思った
天才ってAIみたいだw
相手の感情も理解できず、専門的な話をする
感情が育っていない主人公は、まさにAI
さてさて、そこはいいとして
本当に賢くなった主人公は、思い出すわけ
職場の同僚たちが自分を見て笑っていた理由や
子供の頃、親や妹からどれほど怖がられ蔑まれてきたのか
知的障碍があるから、この子はきっと乱暴だ
この子は妹を傷つける
勝手な思い込みで捨てられてしまった自分
悲しいよねぇ
知的障碍があるからこそ、ピュアなのに
あふれる愛情をかけていたら、人体実験の被験者になろうなんて
思いもしなかっただろうに
頭がいいと、いろんなことを考えちゃうだろうし
余計な心配や不安、苦悩を抱えることになる
親の愛情があれば、そんな苦悩は抱えずにすんだはずなのに
それを一つずつ乗り越える主人公
このまま幸せになれるといいなと思った矢先
彼よりも先に手術を受けていたネズミのアルジャーノンが
知能後退症状が出てくる
そして亡くなるわけだ
主人公は自分と置き換えて苦しみ始め
自分もこうなるのかと……
そりゃそうだよね、相手はネズミだから人間とは違う
そうは思っても、同じ手術を受けたんだから
もしかして自分も?
と思うのが普通
さて、天才の主人公は過酷な状況をどう乗り越えるのか?
はたまた乗り越えることは出来ないのか?
彼はどうなってしまうのか?
というところは、読んでからのお楽しみ
それにしても、ある日突然天才になったら
人間はこんな風になるのかもしれない
自分の中にいる過去の自分に怯えながら
苦悩ばかりに押しつぶされそうになる
これが5歳程度のままだったら、こんなことを考えず
いつまでも幸せでいられたかもしれない
天才になることが幸せなのか
知的障碍だと笑われても、バカにしてくる同僚を
仲間だと信じられた方が幸せなのか
この作者、すごいなぁと思う
よくぞ、ここまで創作できたものだ
そして思う
どんな病気があろうと、親は愛情を手放したらダメ
自分が産んだ子供なんだから、優しい目で育てたいよね
ラストはキレイなタイトル回収だった
まさかのタイトル回収に「ほ~」「へ~」「キレイ~」
と、私の頭は止まってしまったw
ちょっと難しいけど、これはお勧めの一冊です
あなたはどんな感想を持つのでしょうか?
タイトル:アルジャーノンに花束を
作者:ダイニエル・キイス
翻訳:小尾芙佐
出版:ハヤカワ文庫

