【読書感想文】首切り島の一夜
かなりショッキングなタイトルに惹かれて
手に取りましたこの一冊。
首切り島とは穏やかじゃない。
頭に浮かぶのは、アガサクリスティーの「そして誰もいなくなった」
あんな感じかな~
という期待を胸に読みだしたら、
修学旅行での首なし事件。
しかも電車の中で、どうしてか急に首がなくなっている。
おっ、これは期待できるじゃん(笑)
そのシーンが終わり、本編に移ると
学生時代を懐かしむ大人の集団が、酒を飲んでいる。
あの頃はこうだったね、いや、アイツがああだった。
と、延々と続く。
きっと首なし事件とつながっているのだろう。
そう思っていたが、なんと冒頭の事件は
その場に集まった一人の創作だった。
ならばここから大きな展開があるはず!
と思ったら、集まった大人たちの過去がつづられているだけ。
しかも40年ぶりの修学旅行の再現として、
かつて踏んだ地の再来。
ま、まぁね。
面白いよ、そういう人生の一遍を読むのも。
これはこれで楽しいけど、事件はどうなった?
そう思っていたら、最初の小説の作者の死に直面する。
それも首をかき切られて、風呂場で倒れている。
そんな中、子供が警察に捕まったと知らせを受けた1人が、
大雨でも船を出して欲しいとパニック。
嵐の中船が出るはずはなく、焦りまくる。
他の連中は、そうとは知らずに事件によって暗くなっている。
こうして翌日警察が来て、荷物検査などをしていると、
血の付いたタオルが発見されたりして。
これでいよいよ事件も佳境か?
と思ったらそうでもない。
また次の人物の過去へと話が飛ぶ。
うーん……
これと事件と、何の関係があるのだろうか?
いや、きっとどこかで事件とつながるはず。
そのための前振りに決まってるじゃないか。
しかし、読み進めると、もう残りページはわずかだ。
どうなってるんだろうか?
こうして最後の登場人物の物語すら、事件と関係なく終わってしまう。
これもミステリーになるのか?
頭の中では、?が跳ねまわり、さっきの事件はどこにいった?
と不思議でならない。
ところが最後の章となり、やってきましたぁぁぁぁ
事件解明!
しかし、え? そういうこと?
それで、この先どうなるわけ?
何も解明されぬまま終わりを告げる。
しかもラスト一行は、次のページをめくらせる。
するとそこには白紙しかない。
はい~?
ということは、ここで終わりぃぃぃ?
というエンドだった。
まるで人生の短篇小説のようなお話で、
これでもいいのか、と悩んでしまう。
詰まらなかったのかというと、そんなことはない。
期待値が高い分、その期待値で読み進めた感じだ。
そして事件以降は、どこで解明されるのかとワクワク。
最後まで、だから? という感じだったが、読ませる力は半端ない。
そういやこの本、本屋で平置きされてたよなぁ。
と脳裏に浮かぶ情景を呼び起こした。
これが、あの時の本だったのかぁ。
買わなくて良かった……。
というのが、真面目な感想だ。
いや、面白かったよ。
面白かったけど、これ、お金出してまで読みたいとは思わないなぁ。
個人的な感想ですけどね。
本当に、個人的な。
どこまでも、私の感想です。
タイトル:首切り島の一夜
著者:歌野晶午
出版:KADOKAWA
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