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【読書感想文】俺たちの炎上サークル

今や『炎上』というワードは、誰でもわかる語となりました。
60歳を過ぎた私にも『炎上』というのがどういうものなのか
理解できています。

ということで、これはネットの話なんだろうな。
と手に取ったわけです。

内心ワクワクしてました(笑)

しかし、どこまで読んでもネットの炎上が出てこない。
しかも、主人公がネットに手を染めていない。

頭の中では「あれ~?」という感じ。
半分読んでもネットの話にはならないのです。
きっと先を読めば、そういう話になるんだろうなと、
期待を込めて読み進めました。

結局、私が知る炎上とは全く違いました。
でも! かなり面白かったです。

物語は、地方の貧乏家庭の少年が、必死に勉強して
難関と言われる大学に合格したところから始まります。
今までが貧乏生活だったため、キラキラと輝く大学生活を夢見て
大学ライフを謳歌しようと一歩を踏み出すわけす。

しかし、そこは金持ちばかりがはびこる世界。
しかも、入ったサークルが楽しく遊ぼうという趣旨で、
お金のかかることといったらとんでもないほど。

貧乏な彼は、それでもキラキラと輝きたくて、
無理をしてサークルに参加します。
けれど無理をすれば待っているのは辛い現実です。

背伸びした彼は、周りとの違いに苦しみ、
馬鹿にされていると思いこみます。
こうしてお金がない現実に悲観し、
バイトを試みますが、それでも追い付かない出費。

そしてとうとう踏み込んだのが、ねずみ講。
頭のいい彼は、どんどん功績を積み上げ、
自分の価値を高めていきます。

ですが、勧誘したのが同じサークルのメンバーで、
そこから大学側にバレてしまい、除籍となります。
どんなにお金があっても、結局同じ土俵には立てないと知り、
憂さを晴らすために、あることを思いつきます。

それがために、全てを失ってしまいます。
彼は居場所を失い、もうどこも、誰も自分を必要としてくれないという、
悲しい地獄に落ち込みます。

しかしラストは、忘れていたにも関わらず、
自分を呼んでくれている仲間がいることを思い出すのです。

結局、人生というのはお金があればいいわけではなく、
一番大事なものはそこではないよ。
というのが、この話の軸ではないかと思いました。

事実、お金があり裕福であっても、それが親の金ならば
どんなに優雅に暮していても、満足いく人生とは言い切れません。
自分で額に汗して働いてこそ、本当の価値ある糧を得られるものです。

主人公の彼は、輝きたいがために、
一番大事なことを見過ごしていたわけです。

みなさんはどうでしょうか?

お金があったら。

そう思ったことはありませんか?
もちろん、貧乏人の私は「あります!」

お金があれば、こんな貧しい生活なんてしなくてすむし、
スーパーで値引きシールが貼られているものを
漁らなくても済むわけです。

何度みじめな思いをしたかしれません。
ですが、それって一般的なことなんですよね。
そして、一般的な生活こそが、一番幸せだと言える。
そんな気がします。

金持ちで、親が財を成している家の子どもは、
親にレールを敷かれ、その上を走らなければならない。
自分で人生を決めることができないかもしれません。

ですが、お金に苦労している人は、
逆に自分の責任で人生を決めることができます。
夢を追うことも自由だし、どんな大学に入り、
どんな勉強をし、誰と結婚するかも自由です。

ただ、すべてが自分の責任だということ。
そして、多大な努力が必要ということでしょう。

お金って、腐るものでもないけど、
多すぎても、問題を引き起こします。
明日食べていける。
1年後も生きていられて、健康で、
家族が笑顔でいられる。

それでいいのではないでしょうか?

とても読みやすく、話に入り込みやすく、
エンタメ性の強い作品ですが、
人間がつい忘れてしまいがちな
大事なことを提起している作品だと思いました。


タイトル:俺たちの炎上サークル
著者:六畳のえる
出版:スターツ出版


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