【読書感想文】生還/山岳捜査官・釜谷亮二
遭難して、九死に一生を得た話かと、ワクワクしながら読み始めた。
だが、思いっきり違った。
本書は、山岳捜査官の物語だった。
遭難した人を探して助ける。
あるいは、探したけど死亡していた、という話だ。
実のところ、私には合わない、と思った。
何せ専門用語が多い。
そんな言葉しらんがな!
イミフなんですけどぉ!
というのが多い。
しかし、読みだして途中でやめるのはどうもねぇ。
ということで、分からないながらに読み進めた。
すると、最後の遭難者の話となる。
遭難者を探していたら、雪崩に巻き込まれた遺体発見。
これは事故か、他殺か?
雪崩に巻き込まれたんだから、事故だろうけど、釜谷捜査官は納得しない。
納得できない理由がはっきりあるわけではないにしても、何かが引っかかる。
そこでその引っ掛かりを紐解くように、関係者を探し、紐を手繰り寄せて行く。
すると以前同じ山で起こった遭難事件へと進み、その時のパーティの仲間へとつながっていく。
しかし、誰も彼もが口を閉ざし、いい顔をしない。
しないどころか、釜谷とその部下原田を嫌悪を込めて睨みつける。
それでもへこたれず調べて行くと、あることにたどり着き、真相へと手を伸ばす。
だが、そこに証拠がない。
釜谷は「雪が解けて、ザックなどの遺留物がみつかれば、証拠が出てくる!」と踏むが、春になっても遺留物は見つからず、とうとう犯人と思われた相手は寿命が尽きてしまう。
その仲間たちも、証拠がないため追及はできず、完全犯罪となる。
さて、完全犯罪なんてあるはずがない、というのが一般的な考えだけど。
本書では、ありえない完全犯罪を成し遂げている。
ということは、山というステージを使えば、完全犯罪というのは成しえる、ということか?
街中で殺人を犯し、山にそっと連れていき、遭難死を演出する。
山は一刻一刻と姿を変え、あらゆる証拠や状況を変化させていく。
つまり、山で起こったことは、全ての証拠を消し去ってしまう。
遭難自体、状況の変化によって遭難者を見つけるのが難しい。
それを使ったトリックということかな?
完全犯罪をもくろむなら、山が一番ということか。
しかし、そこには登山経験者でなければ、自分まで遭難して死んでしまうリスクがあるので、これは結構難しい。
結局、完全犯罪って、やっぱり、難しいってことか。
命懸けで殺人を犯すくらいなら、普通に殺人した方が、自分の命までかけずに済むってことだなw
タイトル:生還/山岳捜査官・釜谷亮二
著者:大倉崇裕
出版:山と渓谷社
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