【読書感想文】地面師たち
地面師。いわゆる詐欺師集団だ
めぼしい土地を地主などになりすまし、公的書類を偽造する
それを信じた買主が多額の金をつぎ込んでしまう
言ってみれば、いかに相手を信用させるかが肝なのだろう
この「地面師たち」
以前ネトフリで見て、これは面白い!
と、かなり頭に残っていた
そのため、本屋で見たときに即買いしたのだが
残念なことに、ドラマの印象が強すぎて
小説に入り込むのに時間がかかった
本来なら、書かれている文章が映像となり浮かんでくるものだが
出てくるのは、ネトフリの画像ばかり
するとドラマと小説に齟齬があり
「あれ~?」
となる
読んでいくうちに、徐々に小説の世界に飲み込まれ
大分ドラマと違うとは思うものの
かなり面白かった
ドラマの方では、主犯であるハリソン山中は
非情な人間で、仲間であっても容赦しない
小説の方でも、同じような人物に描かれているが
ハリソンの異常性は、終盤になるまで明かされることがない
しかも、非情である描写はほぼない
言葉少なに、笑いながら仲間の死を語るだけ
主人公の拓海は、地面師によって人生を狂わされ
妻も子も亡くしている
なぜ、そんな彼が地面師になったのか?
そこには運命のいたずらが隠されている
読みごたえもあり、ストーリー展開も
のめり込みやすい
だが、場面展開に違和感を覚えた
スルスルと読んでいると、いつの間にか
場面が変わっているのだ
「ん? なんでこの人が出てきたんだろう?」
と手が止まり、数行を振り返ったりする
だが、振り返ってもどこが転換地点なのか分からなかったり
これも技術なのだろうけど
出来ることなら、もう少し分かりやすくしてほしい
登場人物のキャラはよく立ってると思った
とはいうものの、これもドラマによって
イメージが出来ていたわけだから
真っ白な頭だったらどうったのだろう?
読み進めても、自分のイメージで読んでいた
とは言い切れなかったと思う
最後まで読み進め、主人公は警察に捕まるのだが
新たに地面師たちが動き出す
というところで本書は閉じている
結局、詐欺師というのは
騙すことに高揚し、それによって騙された側の痛みなど
まったく感じないということだろう
地面師が、私のような貧乏人を相手にするはずはないが
この現代、あらゆる詐欺師が横行している
結局、人を簡単に信じてはいけない
ということなんだろうな
さて、本書を読み終わったところで
もう一度ドラマを見てみようか
原作との違いを別の視点から探し見するのも
楽しいかもしれない
タイトル:地面師たち
作者:新庄耕
出版:集英社文庫
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