【読書感想文】螺旋の手術室
果たして完全犯罪は成立するのか?
また、安楽死ってなし? あり?
実際の事件で、迷宮入りというのは多々あるらしい。
それって、犯人が分からないとか、捕まらないとかだと思うけど。
言われていることに、完全犯罪はありえない、ということ。
昔から、そこはいろんな本に書かれてきた。
だが、今回読んだ螺旋の手術室。
これは、暴いた主人公が医者だったから分かったようなもので、実際この手口でやったら完全犯罪になるのかも?
と、思った。
こうして考えると、完全犯罪が出来ちゃう医者ってすごい。
いや、すごいなんて思うのは違うかもしれないけど、やっぱりすごい。
物語は、手術室から始まり、本来なら身内の手術に入ることは許されないのに主人公は父親の手術に第一助手として入る。
そして、父親は出血多量で亡くなる。
血を止められないとか、そんなことあるの?
手術……こわっ。
と思ったが、そこには止まらないようにする手が隠れていた。
言わないけどね。
そこから、どうして、なんでが始まるのだが。
物語の始めは、なかなか入れなかった。
作者は知念氏で、いつもの話口調となんとなく違う。
いつの作品かとみてみると、2013年の作品だった。
商業作家となって、2年目の作品。
そのためかな?
今とはなんとなく作風が違うような気がして、普通の作家という雰囲気があった。
まるでガラスの向こうに手術室があるような。
最近の作品だと、最初から物語の中に引き込まれるが、そこが大きく違った。
とはいえ、読み進めればしっかり物語の中に入り込んでいたのだけど。
そして2つ目。こっちは疑問なんだけど。
日本では安楽死は認められていない。
ちなみに母親は癌に侵され、肺に癌細胞が広がり呼吸が苦しくて仕方がない。
娘が「なんとかしてくれ」と医者に言うと、モルヒネを使うことはできるという。
しかし、モルヒネを使うと楽にはなるけど、呼吸もできなくなる。
つまり、これって安楽死じゃないの?
安楽死は認められていないけど、こういう方法はあるのか?
だとしたら、癌で苦しむより、モルヒネで楽になりたいな。
癌って、最後は痛みとの戦いだと聞く。
そうなったら、痛みをとって欲しいと誰でも思うよね。
で、モルヒネを使うという話はよく聞くけど、肺癌だから人生終了となるのか?
どの癌でもモルヒネつかったら終わりになるのか?
分からないけど、どう考えても安楽死だよねぇ。
と、思ってしまった。
安楽死という方向ではなくて、本人が痛みをとってくれと言ったからモルヒネを使いました。
これなら通るのか?
だとすると、法の抜け穴ってこと?
まぁ、どっちでもいいんだけど。
医療系のミステリーを真面目に読んだのは、今回が初めてだ。
医療系の感動は何度か読んだけど。
こうして考えて行くと、ミステリーの方が医療の裏側とか、どんな医療があって薬があるのかが分かってくる。
さすがは知念氏だなぁと、ラストまで読んで思った。
ただ、ちょっと説明が長すぎるところや、説明によって読者に理解を求める部分がある。
あるいは、専門用語が怒涛の如く押し寄せたりして。
「先生~。専門用語使われても分かりませ~ん!」
という気持ちが湧いてきた。
これも交えて、読み応えのある小説だった。
タイトル:螺旋の手術室
著者:知念実希人
出版:新潮文庫
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