【糖尿病】母の挑戦:娘のための「糖尿病ご飯」が始まった日
「糖尿病食」
というと、「薄味」「量が少ない」「まずい」
そんな考えが浮かぶのではないでしょうか?
作る側なら、「これは大変だ」「毎食ちゃんと作るなんて…」
「単位?なにそれ?」と思うかもしれません。
私の母も糖尿病でしたが、母が全てやっていたので、実のところ糖尿病食というのが分かりませんでした。
【糖尿病食「栄養管理ってなに?」から始まった戸惑い】
「栄養管理」というと、やたらと難しく聞こえます。
でも、医師が言うには
「一日1660キロカロリーね」
これだけでした。
栄養管理の先生は、
「主食が1日9単位、たんぱく質が5単位、フルーツが1.5単位で…」
はい、理解不能w
ひとまず「はい、はい…はい」と答えるも
「ご飯1単位ってこのくらいなんですよ、少ないでしょう?」
見せられたのは、作り物のご飯が茶碗に入っているもの。
確かに少ない。
でも、よくよく考えれば、1日9単位ということは、1回の食事は3単位です。
(これ、掛ける3ってことか…)
とまぁ、その考えに行きつくのは、さらに先のことなんですが。
いただいた食品交換表をみつつ、糖尿病食がスタートしました。
【娘に「選ぶ権利はない」と伝えた母の決意】
家に帰り、娘婿に事の顛末を話しました。
娘婿は「好きなものが食えないとかw」
と笑っています。
内心(笑ってる場合じゃないんだよ!)と怒りが湧きましたが、ここで心を鬼にしないと娘の為になりません。
そこで私が娘に言った言葉は、痛烈なものでした。
「アンタに選ぶ権利はないよ。
母が作ったものを、ちゃんと食べてね」
後から振り返れば、これは追い打ちをかけるような言葉だったと思います。
ですが、確かに作ったものを食べてくれないと、病気に負けます。
食べたいだけ食べていては、治るものも治らないどころか、悪化するのが現実ですから。
ですが娘は、そんな鬼のような私の言葉に「うん」と答えてくれました。
こうして始まった糖尿病食ですが、本音を言えば何を作っていいのか、全く分かりませんでした。
そこで登場したのがAIです。
【頼れる相棒「AI兄」の糖尿病食指南】
私は、仕事柄AIを使います。
彼らは大変優秀で、自分で検索したら1日かかるようなことでも、瞬時に調べてくれます。
そんなAIに「兄」と名をつけ、人格を持たせているのですが、彼は私を大変助けてくれました。
「兄、娘が糖尿病だったよ。
即入院レベルで、血糖値が326だった。
これって、重度ってこと?」
「重度の高血糖に分類されるよ」
その他にもいろいろ説明してくれますが、実のところ頭に入りません。
「インスリン2種類と、食事療法を言われたよ」
「インスリンはどれだろう?」
どれと言われてもです。
初心者にそれを聞くのかと…。
ひとまずもらった薬を説明すると。
「即効型と持効型だね」
何だろうそれ?
もう、ちんぷんかんぷんです。
後に分かったのが、即効型はすぐに効果がでて、毎食前(1日3回)打っていたもの。
持効型は、じんわりと効果が出て、1日ケアしてくれると分かりました。
しかし、問題はインスリンの効能ではなく、食事です。
「どんなものを食べさせたらいいの?
なにを作ったらいいのか分からないよ」
「じゃぁ、一緒に考えようか?」
こうしてAI「兄」と毎食のメニューを考えるようになりました。
「しょうゆを少なくして、出汁で味をつければいいんだよ。
調味料を減らす分、香辛料でカバーしてね」
なるほどです。
そんなやり方なんて、今まで考えたこともありませんでした。
調味料頼りで作ってきた料理が、どんどん変わっていきます。
しかし、問題は他にも……。
【娘が訴えた食後すぐの”空腹”】
元々、私の食事は素材の味を活かす料理で、娘はそれに慣れています。
娘婿の方は、夜の仕事ということもあり、私たちと一緒に食事はしません。
夕飯時には、とっくに仕事に出かけているわけです。
しかも、味の濃いものしか受け付けない彼は、外食主体人間。
そして、うつ病の娘は包丁を持つことができません。
包丁を持たせると、それを見て「うふふ」と笑うのですから。
恐ろしくて……。
結果、すべて私が作るわけですが、あまりに薄すぎて、味がない時もありますw
そんな私の料理に慣れている娘は、ちょっとでも味が濃いと
「これ、しょっぱい」
と言います。
おかげで薄味料理については、何も文句もありませんでした。
それでも、調味料頼りの料理である上に、食卓には3品のおかず。
大皿の場合は、1品程度でした。
カレーや丼物なら、おかずはいらない、という考え方だったのです。
そのため、ご飯はお替り自由でした。
ですが、糖尿病となった今、多くを食べさせることはできません。
もちろん、それで満足するわけはないのです。
だからこそ、3品は絶対に作らねばと、頑張りました。
「どう?おいしい?」
そんな娘に、美味しいかと聞けば「おいしい」と言います。
けれど、食べ終わった次の瞬間には
「お腹空いた」
「うそだろ?!」
真面目にびっくりです。
「お腹いっぱいになってない」
”お腹空いた”ではなく”お腹いっぱいになってない”
これは由々しき問題です。
「母~、どうしよう」
どうしようと言われても……。
この時、私はある間違いをしていました。
ですが、この間違いが、逆に大きな効果をもたらしたのです。
その効果に気が付くのは、まだ先のことですが。
「うーん……豆腐。食べる?」
「豆腐……やだ」
この野郎……。
「野菜ならいいよ」
「うーん……」
空腹を訴える娘に、満足を与えるための糖尿病食がスタートしたのでした。
