【読書感想文】レジスタンス、ニッポン
レジスタンスと言ったら、何を思い浮かべるだろうか?
革命的とか、テロとか、その辺ではないかと思う。
ちなみに、私のバグった頭は
「レジ打ちのおばさん」だったw
もちろん、違うことは分かっているけど、その方が面白い
しかしながら、この表紙からレジ打ちはないだろう
ということで、革命の話だなという推測の元
本書を開いたわけだ
ところが、これが……
出てきたのは結婚相談所
そこに勤める男性が主人公だ
主人公の叔父が経営している結婚相談所で
働くことになった主人公は
あまり真面目とは言い切れない
しかも、叔父も超適当な人
そのため、やってくる顧客も
自分勝手な人ばかり
本書の半分以上が、そういった客とのやりとりで
主人公の内心が吐露されている
デートした相手が気に入らないと激怒して
まくしたてる女性がいたり
自分は由緒正しい金持ちの息子であることを鼻にかけ
女性を人間とは思っていない男性とか
それに対する主人公の内心は酷いものだ
面倒な相手の対応をしながら、笑顔で頷き
心の中では、殺人を繰り返している
これ、会社員しているときにやったことある(笑)
イヤな相手と話し終わり、気が収まらないと
相手を墓穴に埋めて、掘り返してまた殴る
しかし、実のところ何もスッキリしなかった
これでストレス発散なんてできるものではない
主人公は、これで発散できちゃって
しかも、笑顔を作り続けられるのだから
ある意味、精神は強いのだろう
だが、こんな生活をつづけていると
段々いやになってくる
自分は何をしているのだろうって
飛び出したいという衝動に駆られる
読んでる方も、さすがにこれだけで話が終わるのか?
と、疑問に思うところだ
そんな時に、日常の中で出会うはずのない
男の中の男に出会う
突然乱入してきたチンピラから
主人公をいとも簡単に助けてくれるのだ
それを見た主人公は、その男性に男惚れしてしまう
そんな強い男なら、惚れるのは分かる
これで惚れ路線が始まるのかと思いきや
もちろんそんなことはなく
物語は世界へと展開されていく
グリーン・サタンなる組織が登場し
日本の原発こそ悪だという
主人公の叔父に、原発会社の息子の個人データを寄こせというわけだ
最初こそ、それは出来ないだろうと思っていたが
組織の連中と酒を飲み、コイツラはいい奴だ!
と思った伯父はデータを渡すことを約束し
挙句は、バカ息子誘拐の手助けまでしてしまう
それはやってはいけないだろうと
読んでいる方は、少しだけ思う
なぜ少しかと言ったら、このバカ息子
本当に嫌な奴で
そいつが登場すると
なに偉そうに言ってんだよ!
という怒りが湧くほど嫌な奴なのだ
つまり、こんな奴なら誘拐されようと
叩きのめされようと構わないという気持ちが湧く
おかげで主人公が手を貸しても
読者としては「こんな奴だから、いいんじゃないの?w」
くらいに思うわけ
しかし、そんなことをしたら最悪警察に捕まるだろう
そこで主人公と伯父は組織の元、海外に逃げるのだが
目的地に到着して、なぜか警察に追われ
目の前で組織の女性が殺されてしまう
これはヤバいと、別の土地へ移送されるが
何日もかけて、もう追ってはこないというところで放置
おいおい、こんなところで放置って
俺たちは死んじまうじゃないか
という叔父と主人公の気持ち同様
私も「うん、そう思う」となる
ところが、地面が揺れ下がっていく
そこには、地下組織の基地があって
なんとか主人公たちは助かるわけだが
確かにレジスタンスの要素はあるけど
あ~、よかったで終わるのか?
と思っていると、さらに話は続く
平和になった主人公はグリーン・サタンの仲間になりたいと言い出し
自分の手で世界を変えるんだと
とうとう組織のメンバーになってしまう
ヘタレで弱かった主人公が、レジスタンスに加わるまでの話
ということだった
全体的に面白かった
戸梶氏の得意な乱闘シーンも
毎度素晴らしい
ただし、乱闘経験のない私は
今回も「え?こうきて、こう?
ん?相手がこうなって、こうか?」
と、頭をひねってしまった(笑)
どこが面白かったかと聞かれたら
一番はやっぱり、結婚相談所のシーンだ
5分の3くらいがそのシーンだったから
作者もそこに力を入れたのかもしれない
かなりひき込まれる内容で
結婚相談所とレジスタンスがつながるという
絶対にありえないとも言い切れない展開は
かなり面白かった
また登場人物が個性豊かで
どっぷり入り込める作品だった
タイトル:レジスタンス、ニッポン
著者:戸梶圭太
出版:双葉社
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