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【読書感想文】護られなかった者たちへ

今回は、中山七里氏の作品
七里氏と言えば、前回読んだのが政治の話だった
専門的で、かなり難解だったのを覚えている

こんな難しいのはもう無理!
と思っていたのに、どうやら中毒性があるらしく
娘の本棚で見つけた途端飛びついた

難しいけど、裏切らない面白さに
胸が高鳴り本書を開いたわけだ

本書は、犯罪者と刑事の話だった
いや、違うな……
そこではなくて、生活保護がどれほど理不尽かという話

生活保護といったら、外国の方が日本に来て
働きもせずに保護を受けている話がある
それでいながら、日本人が保護を申請しても
その申請が通らない

おかしな話だし、悲しい話だ

この作品は、その矛盾点
外国人と日本人というのではなく
本当の貧困に命を落とす人を主軸に置いている

そのために、犯罪が起こってしまい
真面目な犯人が収監されてしまう
だが、頑張って刑期が短縮されて出てくると
殺人がおこって、犯人はコイツだ!
となる

前科があるからきっとこいつだ、というのもおかしな話だが
この男(利根)は、自分を救ってくれた貧乏なお婆さんと
お婆さんの家の近所の子(カンちゃん)の三人で
肩寄せ合って、疑似家族として愛がある過去がある

毎日お婆さんの家に集まっては食事をして遊んで
誰もが経験することを、貧乏な長屋の小さな部屋の中で
やっと手にすることが出来たのだが

結局、お婆さんはお金が無くなって生活保護を申請に行くけど
行方不明でも兄弟がいるんだから、まずは兄弟に頼めと言われる
酷い言いようをされて、結局餓死するんだなぁ

酷い! でも、これはフィクションだから……

いいえ、こういう事実が多々ありました
本当に苦しくて、エアコンを止められて
熱中症で亡くなった方がいたり
ライフラインの全てを止められて亡くなったり

本当に助けてほしい人には手が届いていない
声を上げても、窓口で追い払われてしまう現実
本書は、その過酷で悲惨な制度の在り方に
ざっくりとメスを入れている

深くて重い話だが、それが刑事と犯罪者という
追うものと追われるものによって
読みやすくストーリー化されている

辛い話ながら面白く
登場人物たちの思考の変化が手に取るように分かって
これはぜひ読んで欲しい一冊だと思いました


タイトル:護られなかった者たちへ
作者:中山七里
出版:宝島社文庫


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