【読書感想文】走れ、無印の馬
娘に「先に読んでいいよ」と買ってきたばかりの本を渡された。
内心(馬か~)という思いだった。
だが、馬の話は過去に何作か読み、どれも面白かった。
ということで読みだしたのだが、まずは表紙の絵。
12というナンバーの馬が主役(馬の)。
その顔が好きだ―!
ガン垂れてるこの目。
お前なんかにまけねーぞー、という表情。
読んでる途中で何度も表紙を見直したが、やっぱり好きだw
ちなみにこの馬、走らない母から生まれた。
つまり誰も興味を惹かない。
しかし、その母馬に惚れ込んだ主人公(人間の)が肉になるというのを聞きつけ「私が買う!」と手を挙げてしまった。
普通に会社員でお金なんてない。
馬のために、昼の仕事の他にスナックで働くという入れあげっぷり。
そこで、お金大好きの男性に出会い、オーナーになってくれと引っ張り込む。
何とかして金を稼げという男性と、馬のたまに全てをなげうつ女性。
紆余曲折があり、何とか育ってくれたものの、やっぱり走らない。
そこに登場するのが、超金持ちの嫌な奴。
男性の仕事を邪魔したりして、思わず「おまえ、きたねーな!」と私の心は叫んでいた。
自分がいたら男性の邪魔になると、彼から離れるのだけど、その後厩舎のみんなの頑張りのおかげで賞金を手にすることができる。
でも、この話の言いたいことって。
馬! 可愛い! だけではない。
口のきけない馬だって、思いはあるんだということや、その思いをくみとってあげてこそ、馬だって走るということ。
そして、お金があれば何でも手に入ると思いこんでいる2人の男性。
オーナーとなった男性は、最後に気が付くんだけど。
お金で手に入らない物もあるって。
邪魔する側の男性は、生まれたときからお金に苦労してないから、なんでも自分の思い通りになると思いこんでいる。
本当に嫌な奴。
それが、主人公が自分の思い通りにならないことで、歯がゆい思いをする。
一般的に、金で動くのが人間だが、貧乏人こそ金で動かない者もいる。
金が全てじゃないぞ! ということではなかろうか。
なんにしても、面白かった~。
今まで読んできた馬の物語の中で、一番馬が見えていたような気がする。
今までは、馬という物体はイメージできても、馬の性格や体の艶までは想像できなかったけど、この話だけは違ったなぁ。
いや、この本だからではなくて、私自身が馬の物語を少しは理解しだしたのかもしれない。
タイトル:走れ、無印の馬
著者:谷川直子
出版:河出処房新社
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